概要
96式自走120mm迫撃砲とは、1996年に日本の陸上自衛隊で制式化された自走式の迫撃砲である。92式地雷原処理車のシャーシを流用した装軌装甲車に、陸自で広く用いられている120mm重迫撃砲と自衛用のブローニングM2重機関銃をそれぞれ1基ずつ搭載している。重量約23.5トン、最高時速50㎞、乗員数5名。
陸自唯一の機甲師団である第7師団では、普通科(歩兵)となる第11普通科連隊も装軌装甲車を装備して機甲化されており、第11連隊に所属する迫撃砲部隊も彼らに随伴するために機甲化されている必要があった。従来は60式装甲車をベースとした自走迫撃砲があったものの、これらは旧式化が著しく、更新のために本自走砲が開発された。
しかし、第11連隊以外はタイヤ式の装輪装甲車である96式装輪装甲車が配備されたことで、並行運用が困難との理由から第11連隊以外には配備されず、総生産数24両しかないレア装備となった。
車体後方は120mm重迫撃砲を搭載するために広いスペースが設けられており、迫撃砲を取り外して輸送車両として運用することも一応可能。過去には有珠山噴火時住民救出の為、96式が迫撃砲を撤去し、人員輸送を可能にした状態で災害派遣されたことがある。
後継
96式自走120mm迫撃砲も制式化から30年近く経とうとしており、旧式化は否めなくなっている。直接的な後継装備ではないが、16式機動戦闘車をベースに2R2M半自動120mm重迫撃砲を搭載した24式機動120mm迫撃砲の配備が予定されている。2R2Mは120mm重迫撃砲をベースに半自動装填装置とコンピュータ制御式の射撃管制装置を備えたもので、96式よりも戦闘力は向上するだろう。しかし、装輪式なので不整地での機動力は96式に劣ると考えられる。
他に、三菱重工が89式装甲戦闘車や73式装甲車などの装軌装甲車を纏めて近代化するために開発を進めている装軌共通車体は、96式の直接的な後継になると考えられているが、現状調達予定は無い。
関連タグ
24式機動120mm迫撃砲:実質的な後継
共通装軌:実質的な後継その2