概要
アイテム番号:SCP-2934
オブジェクトクラス:Safe
SCP-2934とは、シェアード・ワールド「SCP_Foundation」に登場するオブジェクトの一つである。通称「マジかよ、ンドレッツ・ゲガ最低だな」。
・・・そこ、出オチとか言わない。
SCP-2934は18歳程度と見られる白人女性の遺体だが、いくつもの「改造」が加えられている。まず両手首と足首が切り落とされており、傷跡から生きているうちに切り落とされたものだと判明した。また何の処置をしていないにもかかわらず一切の腐敗が無い。
次に顔には「ドリームキャッチャー」と呼ばれるインディアンに昔から魔除けとして伝わる装飾品が大小合わせ2つ貼り付けられている。また、小さい輪の方にはレゴブロックでできたアンテナらしきものが取り付けられている。
額は切開されてUSBケーブルが突っ込まれており、もう一端はCPU基盤に接続されている。また、取り付けられている液晶画面には「22 04 2011 LIFE 0 TRANSMIT READY」と表示されている。
最後に口には4枚の紙が入れられており、うち3枚には「KOMPETENCË」「BESIM」「AUTORITET」とそれぞれ書かれており、もう一枚は低解像度の男性の写真である。
要するにSCP-2934は遺体をベースにして作られたマシンなのである。
このオブジェクトの異常性は周囲700mにいると発生し、寝ているときに50歳程のがっしりとした体格の白人男性が夢の中に出てくる。
実際に夢を見た職員たちに話を聞くと、全員夢の中でこの男性に何らかの恩恵を受けており、夢の中に出てきた男性に対してプラスのイメージを持つようになる。
…とは言っても夢の中なので「シャンプーにオレンジジュースを入れる仕事をしていて男性のおかげで作業効率が上がり、今ではアメリカ大統領になれた」といった意味不明なものばかりだが。
このとき夢を見た人たちにSCP-2934の口の中に入っていた写真を見せると、「そうです、この人です!」と全員が口を揃えて答え、名前を聞くと「ンドレッツ・ゲガ」とこれまた全員が答えた。
ただしこのような反応になるのは1回目だけであり、SCP-2934の周りにいる限りンドレッツ・ゲガ毎日夢の中に出てくるのである。最初は好意的だった人たちも、しばらくすればうんざりしていき、中には不眠症になってしまった人もいるほどである。
しかし対策はちゃんとあり、SCP-2934を電波を通さない物質で覆うか、アンテナが付いているドリームキャッチャーを外せば異常性は発生しなくなる。
…そんなンドレッツ・ゲガだが、なんと財団世界に実在していた。
ンドレッツ・ゲガ氏はアルバニアの民主党員であり、つまるところ政治家だった。彼は2011年のとある町で行われた町長選挙に立候補していたが、壊滅的大敗をしたてしまった。
しかもその翌々日に高速道路を時速180kmで暴走していたときに事故を起こして亡くなってしまっていた。
選挙に負けた理由も明らかになっており、「12日間連続で夢の中にンドレッツ・ゲガ氏が出てきた」というものだった。
また、SCP-2934の遺体の口の中に入れられていた3枚の紙の文字はそれぞれ「能力」、「信頼」、「権威」という意味だった。
おそらくンドレッツ・ゲガ氏は町長選挙に当選するためにSCP-2934を用いて自らに好意的なイメージを持たせようとしたのだろう。
しかし彼は何度も同じ夢を見せられた人の反応を考慮していなかった。そのため作戦が裏目に出てしまい高速道路を暴走するという暴挙に出て亡くなってしまった。ちなみにその遺体は奇しくも両手足が無くなっていたという。
もしここまで読んでくださった人の中でンドレッツ・ゲガ氏にマイナスイメージを持った人がいたのなら。
さあ叫ぼう!
「マジかよ、ンドレッツ・ゲガ最低だな!」