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概要編集

JR東日本が運行する蒸気機関車牽引の臨時快速列車である。1999年4月29日磐越西線新津駅会津若松駅間で営業を開始し、2002年からは新潟駅発着の運転となったが、2018年4月15日の新潟駅一部高架化開業により、同駅までの立体交差の高架線に上ることが難しいとの理由で2018年3月31日の運転開始より再び新津駅発着となった。


通常4月から11月にかけての週末を中心に1日1往復運転され、12月第1週の土曜・日曜には「SLクリスマストレイン」(2011年までは「SL X'masトレイン」)として運転されることもある。


また、2011年までは月に1度ほど、磐越西線の郡山駅~会津若松駅間延長運転されることがあり、延長部分は、下り郡山発会津若松・七日町行き列車が快速「SL郡山会津路号」、上り会津若松発郡山行き列車が快速「SL磐梯会津路号」という独立した列車となっていた。延長運転当日は、「SLばんえつ物語」は片道のみの運転であった。


停車駅編集

新津 - 五泉 - 咲花 - 三川 - 津川 - 日出谷 - 野沢 - 山都 - 喜多方 - (塩川) - 会津若松


():上り(会津若松行)のみ停車


使用車両編集

C57 180編集

C57-180号機

C57型蒸気機関車の180号機で、昭和21年に、三菱重工業三原製作所にて製造された。

製造から一貫して新潟県内の機関区に配置され、新津機関区に所属時代にはC57 1D51 498と共に所属していたことがある。

廃車後、新津市の小学校の校庭にら静態保存される事になった当機は新津駅の引き上げ線を延長した仮設線路を校庭に敷設し保存場所まで自力で走行している。

因みに、D51 498やC61 20と違って当機は「SLばんえつ物語」の専用機関車という立場から、関東地区を走行する際に必要とされるATS-P形やデジタル無線を導入していなかった。

この為、関東地区での当機が先頭に立っての本線自走運転は不可能で、2011年の上越線での重連運行は常に次位連結とされた。のちにデジタル無線が2016年、ATS-Pが2020年に導入された。

現役時代、故障の少なかった同機であったが2003年ごろから一部の煙管に亀裂担バネ折損による逆転器作動不能動輪軸受の異常発熱蒸気漏れシリンダーの不具合による排気不良等と言った不具合が出始め、2014年10月より、復活後2回目となる全般検査施工にあわせ大幅な修繕整備を行った。


門鉄デフ装備編集

C57 180は現役当時の時にはこの様なデフレクタの交換等は実施されなかった(バイパス弁点検口が開口された程度)が、2008年~2009年・2011年~2013年には当機に門司鉄道管理局内で多く見られた門鉄デフに交換して運転された。

この交換により、同じ3次形で門鉄デフの搭載経験があったC57 175を彷彿とさせる姿になり、蒸気ドーム前方の大型手摺も門鉄デフ装備と合わせて九州用の小型手摺に交換された。

2008年11月8日~30日の運転時には、山陽・鹿児島本線で運転されていた特急かもめの牽引指定機、C57 11が搭載していた門鉄デフに波とかもめをあしらったデザイン(記事トップ画がその鴎仕様となっている)を装着して運転された。この際に煙突に装着された二本の金飾帯は門鉄デフが外された後もそのまま装着を継続している。


ばんえつ物語専用客車編集

客車は外板塗装を地色がチョコレート色、窓まわりがクリーム色、車内も内装材と床材の木目調アレンジが施された他に便所の洋式化と洗面所のリニューアル等が施された12系客車6両が使用され、その翌年の12月にはスハフ12 160を改造した側面展望車オハ12 1701を増結して7両となった。

その後、2007年・2013年・2014年に大規模なリニューアル工事を実施しており、外見塗装もクリームと茶色、クリームと青色、スロフ12に準じた塗装と3度塗装変更がなされている。この3度の改造で定員も504人→468人→338人と変更されている。またば客車の展望車も1号車と7号車で顔のデザインが異なる。


オコジョルーム&展望車(スハフ12 101)編集

会津若松方面の緩急車(1号車)。登場時の外見は塗装変更の他に車掌室部分の小窓化改造のみであったが、

2014年の運転開始に際にオコジョルームと展望室を備えたフリースペース車に改造され、側面窓も後述のスロフ12と同様の密閉ガラスとなった。

車体を一個丸々新造して載せ替えたスロフ12 102とは異なり、車両の前後を方向転換をした上で展望室を設置した為に一昔前に多数存在していた客車ジョイフルトレインの様に元の車掌室部分がそのまま残っている。


普通座席車(オハ12 313・314・315)編集

2・3号車及び6号車に連結されている普通座席車で運行開始当初の仕様はオリジナルでは縦長で左右に複数搭載されていた蛍光灯を円の物デザインをした蛍光灯を車内中央に等間隔で設置されている冷房吹き出し口に隣接する形で複数設置・パイプ状だった荷物棚は透明素材を利用した棚板に交換・車内の壁紙交換・座席は座席横に付いていた取っ手を撤去してシートの色を青から赤に変更した。

2007年の第一次リニューアル改造時に座席の背ずりを約30cm高くし、クッションにも厚みを持たせ、従来のボックスシートに比べて居住性を改善したほか、表皮を縦縞模様から赤に変更し、大正ロマン風のレトロな見栄えとした


フリースペース&展望車(オハ12 1701)編集

2000年のクリスマス運転から4号車として連結されている側面展望車で、スハフ12 160から改造された。この改造で新たに載せ替えられた新車体ではでロゴマーク有り側に大展望窓3つ分の展望室、ロゴマーク無し側には通常窓3つ分(両者とも固定窓)のフリースペースと車内販売スペースが設けられていた。この改造に際しタネ車に合った給電用電源設備も取り外され、クーラーも左右の車端部に一基ずつ搭載された。

2007年の改造で当車に合った車内販売設備を5号車に移転させてフリースペース部分を拡大している。

因みに初代と二代目では通常窓部分の上部を黒く塗装して大展望窓との段差を無くしていたが、2014年から採用された3代目カラー(展望グリーン車のカラー)からはこの黒色部分が省略されて大窓と通常窓との段差が見える用になった。


車内販売スペース&普通座席車(オハ12 316)編集

5号車に連結されている車両で、運行開始当初は2〜3・6号車と同じ座席車で2007年の更新時に普通座席+車内販売スペース車となり、2012年度から普通座席部分「オコジョルーム」化されていたが、2014年に前述の改造工事でオコジョルーム部分が通常の普通座席に戻されている。


グリーン座席車(スロフ12 102)編集

新潟方面の緩急車。登場時は塗装変更と小窓化改造のみで型式もオハフ12 102であったが、2013年時に新潟トランシスで全国の定期SL列車では初めて展望室付きグリーン車に改造され(元の車体は、新潟トランシス内で暫く放置された後、新潟新幹線車両センターで解体処分された)、形式もスロフ12 102に改番された。

この改造に際して側面の窓は開閉が出来ないタイプに交換され、座席も1+2の回転リクライニングシートを採用した。また、同時にパノラマ展望室が追加され、往路は沿線の流れる景色を、復路はSLの迫力ある走行シーンをそれぞれ堪能することができる。なお、パノラマ展望室はグリーン指定券を所有している乗客のみ入ることができる。この一連の改造により型式もスロフ12 102となり、車体色も固有の物に塗装変更され、2014年からはこのスロフ12で採用された塗装が3代目カラーとして全車に施工された。

因みにこのグリーン車改造が発表された際、スロフ12 102のイメージ図では台車が12系の台車では無く、近年の鉄道車両でよく見られるボルスタレス台車を履いていた。


関連タグ編集

JR東日本 SL銀河 SLやまぐち号 SL人吉

12系 客車 C57 SL 蒸気機関車

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