客車列車
きゃくしゃれっしゃ
一般的に多数の車両を運用する場合、この形式( 動力集中方式 )のほうが有利であるとされる。
また、電車等に比べ車両の維持費が抑えられ、臨時列車等による運用が割と容易であること、乗車空間に動力装置を持たないため、音が静かであるという点があげられる。
さらに、電化区間および非電化区間においても機関車の入れ替えだけで運用可能である。
ただし、デメリットも存在し、ワンマン運転ができない、運転時間の短縮が難しい、運転用以外に機回し用の機関車が複数必要となるなどがあげられる。また、取扱が特殊である。
海外においては長距離列車はこの形式で運行されることが多い。これは機関車を所有する会社が多いこと、各国をまたぐため電化形式が異なる場合が存在し、それに対応した車両を使うよりも機関車の交換のほうが有利だという点である。また、電車や気動車よりも機関車の整備のほうが技術的に楽、ということもあるといわれる。
日本においては国鉄から車両運行を引き継いだJRでもかつては主として寝台列車にて運航していたが、道路および空港の整備による需要減および車両の老朽化により徐々に廃止され2016年にはまなすが廃止されてから2017年現在JRでは定期運行は終了している。
なお、JR東海では定期運行の実績自体が存在せず、2010年以降は臨時運行も含め、自社の客車列車の通過を禁止している(そのため大井川鐵道への12系客車の移送は船舶で行われた)。
私鉄や第三セクターにおいてはもともと関西電力に引き継がれる電力会社の貨物運搬のためのナローゲージである黒部峡谷鉄道、のちに中部電力が引き継ぐ電力会社の貨物運搬のため敷設されたナローゲージを基本とする井川線、蒸気機関車等の動態保存のため臨時列車扱いでほぼ定期運航される大井川鐵道の運行などを除けば存在しない。
また、不定期運航では季節運航の津軽鉄道のストーブ列車などが存在する。
不定期の運行である場合、観光用や宗教団体の貸し切り等による臨時列車がいくつか存在するものの、客車や蒸気機関車の老朽化などによる不足などの原因により、これらも減少傾向となっている。
ここでは現役の愛称・通称付きのものを紹介する。