概要
『ザ・シンプソンズ』のクリエイターであるマット・グレイニングとデイヴィッド・X・コーエンによる、『より大人向けのアニメーション作品』。
1999年3月から2003年8月までフォックス放送で放映され、4シーズン72話で一旦終了。
その後ケーブルテレビ専門局コメディ・セントラルが新規に長編エピソードを発注、4本の長編をそれぞれ4話ずつに分けた計16話が2008年3月から2009年8月までシーズン5として放映される。
この成功を受けフォックス放送が発注の再開を決定し、2010年6月からシーズン6が開始、2013年9月の完結まで全7シーズン総計140話が放映された。
なお、"Futurama"とは1939年のニューヨーク万国博覧会で展示された未来都市のジオラマで、"Future" + "Panorama" の造語。
あらすじ
主人公のフィリップ・J・フライは冴えない青年、頭もそれほど良くなく、運動神経もなく、恋愛運もない上に職はピザ配達人として暮らしていた。
だが、1999年12月31日、年越しの直前に掛かってきた悪戯電話により、フライはとある研究所に足を運ぶ。そこで彼はこの配達が年越しを惨めなものにするために掛かってきた悪戯だと気づき、せめてピロピロでもして気分を紛らわそうと、椅子に座り年越しを待つ。
そしてついにやってきた2000年、世界中の人々が歓喜する中、フライは一人虚しくピロピロを吹く。
しかし、その衝撃で椅子がバランスを崩し、背後にある謎のカプセルにフライは閉じ込められてしまった。直後、フライが困惑している間にカプセルは1000年という不穏な数字を設定し、フライを凍結させてしまった。そう、この研究所はコールドスリープの研究所だったのである。
そして月日が流れ1000年後、2999年、12月31日。フライは目を覚ましたのだった・・
登場人物
フィリップ・J・フライ(Philip J. Fry)
CV:Billy West
前述の冴えない青年で主人公、25歳。将来の夢は宇宙飛行士。(イラストの背景の男)父親は極右、母親はビッチという家庭に生まれた、兄が一人おり、小さい頃からよく喧嘩していた。祖母はロズウェル辺りに住んでおり、祖父の名はフィリップ・J・フライ、即ち自分である(?!)
あらすじで書かれている通り、元ピザ配達人、だったのだがかくかくしかじかで2999年に至る。
未来についたものの、さほど落胆している様子はなく、むしろ悲惨な自身の人生をやり直せると歓喜していた。しかし、「未来では予め決められた職業につかないといけない」というルールを押し付けられ、更にその職業がまた配達人だった事から、逃亡する。
その道中、後述のリーラ、ロボットのベンダーに会い、意気投合、彼の遠い遠い遠い遠い(教授曰く×30)親戚のファーンズワース教授が経営する「プラネット・エクスプレス社」という運送会社で働く事に。
性格は気楽で能天気なトラブルメーカー、劇中で起こるトラブルは彼によって起こされていることもしばしば。未来では現代と変わらず怠惰で自堕落な生活を送っており、隙あらばテレビを見、コーラを飲み、ビールを飲んだりしている。後述のベンダーとは大の親友であり悪友、ベンダーの行う悪事にウキウキで乗る場合もあれば、常識人として咎めることもある。リーラに惚れているものの、彼女からは全く見向きもされてない。こんなダメ人間であるが、仲間意識は一際強く、基本的には優しい人柄である、やると言ったらやる性格でもあり、逆境の時に限り頭も回る。
トゥランガ・リーラ(Turanga Leela)
CV:Katey Sagal
冒頭イラストの真ん中の女性、一つ目のミュータント。
2975年7月29日生まれの25歳、宇宙でただ一人の一つ目である事から、幼い頃から気味悪がられ、虐められていた。その経験があったのか、どんな逆境にもめげる事はない、タフで強靭な肉体と精神力を手に入れており、基本的にはプラネットエクスプレス社の紅一点かつ戦闘要員。
フライと出会う前は冷凍睡眠から覚めた人物に職業を与える職に就いていた(強制)が、フライに説得された事で辞めることを決意、以降はプラネットエクスプレス社の貨物宇宙船船長としてリーダーシップを発揮していく事になる。自身の容貌のせいか、フライと同じく恋愛運がない、あったとしても出会うのはクズばかりで全く恵まれていない悲しいキャラである。また、動物を極度に、と言うより病的に愛してる。
ベンダー・ベンディング・ロドリゲス(Bender Bending Rodriguez)
CV:John DiMaggio
2996年にメキシコで生まれたロボット、元々は鉄製の材料を曲げる(bend)仕事をしていた事からベンダーと名付けられた。ロボットであるが感情豊かで、涙も流すし酒も飲む(ただ、これはロボット達の燃料がアルコールであるため)ある日、自分が電話ボックスだと思い曲げていた材料が実は自殺ボックス(なんでそんなものあるんだ)だった事に落胆し、自身も自殺ボックスで自殺を図ろうとした所をフライに止められ、親友となる、以降はプラネットエクスプレス社のコックとして働く。
さて、ここからは彼の性格について語る、単刀直入に言おう、どうしようもないクズである。
他人に対して感情移入が一切できない上、自己顕示欲に他の欲という欲が異常に強いという、あのwikipediaをしてエゴの塊と表現するほどのサイコパスである。また、窃盗癖があるというおまけ付き。酷すぎる
また、自分の欲を満たすためなら何者でも利用し、後始末は一切しない、つまり最強最悪のトラブルメーカーである(実に劇中の半分以上のトラブルがこいつによって引き起こされている)。
ただ、逆にこの恐ろしいまでの強欲によって敵の洗脳を一時的に解除するまでのことをしでかしている。
ロボットしての性能は概ね旧型で良いとは言えない、だが、ロボットであることをアドバンテージにプラネットエクスプレスの社員を助けることも多い。また、サイコパスとは言ったもののフライに対する友情は本物で、最終話でフライが結婚すると聞いた時には人知れず涙を流していた(彼曰く「俺のおチビちゃんがこんなに大きくなって・・・」)。
ヒューバート・J・ファーンズワース教授(Professor Hubert J. Farnsworth)
CV:Billy West
"Good news everyone!"(いいニュースだぞみんな!)
2841年生まれのスラム街出身、マッドサイエンティスト、現在はプラネットエクスプレス社の設立者で教授、様々な発明品を作っており、社内のメンバーからは単純に教授(Professor)と呼ばれる。
主人公、フライの甥の甥の甥の甥の甥の......(×30回)...の甥の甥であり、彼の雇い主である。
大抵のエピソードでは、彼が冒頭のセリフと共に自分の発明品を社員達に披露しそれを見たベンダーやフライが悪用しようとしてトラブルが起こったり、冒頭のセリフと共に(自殺同然の)配達を頼んでトラブルが・・・・と言った流れである。ちなみにgood newsと言ってはいるが、本当にいいニュースだったことはほとんどない。
エイミー・ウォング(Amy Wong)
CV:Lauren Tom
22歳の中国系の女性、火星大学を卒業したインターン生、両親は火星の半分を所有している大富豪で、カジノやゴルフ場を経営している、つまり彼女はお嬢様なので働かなくてもいいのだが、両親に反発して仕事をしている。特に仕事をしている描写はないが、実は教授と血液型が同じなので、輸血担当として雇われているらしい。
ハーミーズ・コンラッド(Hermes Conrad)
CV:Phil LaMarr
プラネットエクスプレス社の経理、事務担当であり実質的な経営者。41歳。
ジャマイカ系の顔立ちと訛りで喋る、性格は完璧主義者で何事にも事務的、特に書類やファイリングについてはうるさい。また、小太りな外見ながらオリンピックのリンボー走(ハードル走のリンボー版)で金メダルを取った事がある。
ドクター・ジョン・ゾイドバーグ(Dr. John A. Zoidberg)
CV:Billy West
年齢不詳のヒューマノイド型異星人、デカポット10型惑星という星から来たらしい、(ちなみに未来では異星人が日常的にいるのは当たり前である)顔がタコ、手足がロブスター、動きはカニという異質な種族。インディッシュ訛りの英語で話す。金持ちになれる医者に憧れ、地球にやってきたという経歴を持ち、現在はプラネットエクスプレス社の専門医師である・・・・・が、実は医師免許を持っておらず、彼が同社の医師になれたのは教授が彼の親友だったため、もちろん適切な手術などできるはずもなく、初登場から早々フライに対して「まず3つ目の口を開けて下さい」などと言ってしまう始末(「一つしかないんですけど」)。また、食い意地が凄まじく、食べれるものも食べれないものもなんでも食べてしまう、特に魚類は衝動を抑えきれない。前述のヤブ医者な側面や食い意地、醜い外見などが重なって周りに疎んじられるという悲しいキャラクターである。