どこにも行けないこの町で、いろいろできないわたしは夢みる。
曖昧さ回避
- ノベルゲーム製作チーム「超水道」によって開発されたノベルゲーム。後にroom6によってパブリッシングされた。本項で解説する。
- 1に影響を受けて作成された、バンド「Homecomings」の楽曲。
概要
「ghostpia」とは、超水道によって開発されたビジュアルノベルゲームである。「読む映画」のような新しい形を目指して「デンシ・グラフィック・ノベル」と名付けている。
2014年にiOS版(無料)が配信開始され、1~4話が定期的に追加された。
後にブラッシュアップされた1~4話と5話を含めたNintendo switch/steam版「ghostpia シーズンワン」が2023年に発売された。
steamでは2025年1月に「圧倒的に好評」の評価を受けている。
2025年3月にNintendo switchパッケージ版が発売予定。
音楽は高野大夢氏、歌声はMeno氏が担当。
また「ghostpia シーズンワン」では、「アンリアルライフ」制作者のhako生活氏、「in:dark」制作者のおづみかん氏が制作に参加している。
以降は「ghostpia シーズンワン」を基準に解説する。
ゲームシステム
QTEや分岐のない一本道のノベルゲームである。
早送りと巻き戻しの機能があり、まるでビデオデッキのように画面の展開をスキップできる。
ボイスはないが、どうぶつの森の「どうぶつ語」のような音声が各キャラに用意されている。
ストーリー
ここは幽霊が暮らす町。
主人公の小夜子は疎外感を感じており、街の外に出て、あるかも分からない故郷へ帰ることを夢見ていた。
数少ない友人とその方法を模索している中、新しい幽霊が来たことを知らされる。
幽霊の町
本作の舞台、万年雪に覆われた1024人の幽霊が暮らす町。住民達は昼に寝て、夜に活動する。しかし厳密には幽霊ではなく、夜に活動して不死身の存在である自分達を便宜上そう呼んでいるだけであり、実際自分達がどういう存在でここがどんな町なのか分かっていない。
この町の特異現象として、自分が忘れたり、意識下から外れたものは消滅しゴミ捨て場に転移する。住民達も同じであり、現実世界では死ぬような外傷を負った場合、その場から消滅して傷も治った状態でゴミ捨て場に転移する。
そのせいか、けっこう治安は悪く、銃火器も普通に流通している。
また時間や月日の流れが曖昧である。
登場キャラクター
・小夜子
町で唯一の異邦人。過去になんらかの騒動を起こしたらしく、多くの住民から避けられている。自分の感情や思考をうまく伝えることができず、言動の選択を間違えたと後悔したり、今後の友人関係を不安に思うことが多い。また記憶があいまいで、前の出来事を忘れていることや、逆に大学やアルバイトなど経験していないはずのことを思い出すことがある。周囲からは「ニンジャ」と呼ばれており、本人は否定しているがその名に偽りなく、本気の時はアクション映画ばりの躍動感を魅せる。
ヨル
幽霊の町に来た新しい幽霊。表情豊かで明るい性格だが人の話を聞かない節があり、フリーダムな言動が多い。最初は教会に囚われていたが、連れ出されて以降は小夜子とルームシェアをしている。
パシフィカ
画像左から3番目。大人のような落ち着きがありながら少女のようでもある女性。悲観的な小夜子を励ますなど優しい人物であるが必要な時は冷たく言い放つ。「事務所」を経営しており、他の住民から尊敬されたり恨みを持たれたりするが、小夜子は具体的にどのような仕事をしているか知らない。
アーニャ
小夜子の友達。町の修理屋の見習いとして働いている。ぶっきらぼうで女っ気が少ないが男扱いされることは嫌う。その性格は小夜子と気が合いやすく、小夜子は呼び捨てで呼んでいる。
神父
幽霊の町の大きな教会の神父。教会は町全体の治安維持や政治のようなことをしており、神父は町長のような立ち位置である。多くの住民は信者として神父を慕っているが、小夜子らは神父の態度を嫌っている。
クラーラ
神父に心酔し、教会に出入りしている少女。純粋で天真爛漫な言動で周囲から愛されているが、ひねくれ者の小夜子らからは嫌われており、毎度嫌がらせを受けて不幸な目に遭う。しかしクラーラは人を疑うことを知らず、交流を続けようとしている。
じじい
ある時から小夜子をつけ狙うようになった老人の男性。身なりからホームレスだと思われる。完全に不審者であるが、幽霊の町の秘密を知っているような発言をしている。
ロゥ・レン
3話で登場。小夜子と同じアパートに住む、メッシュが入った髪とハスキーな声の女性。町のコスプレショップに勤めているが、あまり客が来ず、店長もあまり店に顔を出さないためよくサボっているらしい。
回収屋たち
3話で登場。ゴミ捨て場から使えそうな物を回収する、防護服に身を包んだ男性3人組。
マーガレット
3話で登場。杖をついた老婆で、ヨルをペットシッターとして雇った。ヨルが小夜子と立ち話したり、ペットの名前を間違えるだけで激しく怒り、杖で殴ることもある。
しかもそのペットも、はっきり言って異常な存在であり…
レーニャ
4話で登場。小夜子が住むマンションの最上階の大きな部屋に住んでいる少女。「お菓子屋さん」で財をなしている。足が不自由であるが、近未来的な車椅子で生活している。小夜子に興味を持ち、アタックを仕掛けてくるようになる。
ミェト
4話で登場。レーニャの部下の寡黙で大柄の女性。目隠れ。レーニャの世話や運転係をしている。レーニャからかなり辛辣な扱いを受けているが、ミェトの忠誠心はとても高い。
アレクセイ
5話で登場。幽霊の町脱出計画の助っ人として呼ばれたアーニャの知り合い。アーニャが「アタシが999人集まっても無理」と称するほどの天才的なソフトエンジニアだが、「おまいら」「〇〇な件」などの今では古いくらいの話し方をするの典型的なオタク人物である。その上卑屈な性格で初対面時の小夜子らの印象はとても悪い。自身が行っている研究を手伝うことを条件に幽霊の町脱出計画に協力する。
関連イラスト
別名・表記ゆれ
関連タグ
カートゥーン…アドベンチャータイムなど、様々なカートゥーンアニメの影響を受けていると語っている。
パシフィカ・ノースウェスト…登場キャラクターのひとり、パシフィカの名前の由来
関連リンク
本作のアートデザイナーのひとり山本すずめ氏のpixivアカウント
公式サイト