そして、彼女は、暗闇の中で目が覚めた
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概要
中国語表記「艾希」
X.D. Network社が発売した、スタイリッシュアクションゲーム。
Steam/PlayStation 4(日本未発売)/iOS/Android/Nintendo Switchなどで配信中。全プラットホーム累計販売数は200万を超える。
キャッチコピーは、『メタ視点のナレーションが笑いを誘う、第四の壁をぶち壊せ』であり、その通りにメタ発言が多い。
上記の販売数が示すように非常に人気の作品であり、続編も強く望まれていたが、2018年に「1作目と同等のクオリティを維持して製作する事が困難である」事を理由に凍結されていると明かされたのを最後に続報がなく、長らくどうなっているのか不明であったが、5年後の2023年にbilibiliにてICEYの続編の開発が進んでいる事を制作関係者が明かしている。
登場人物
主人公サイド
ICEY
本作の主人公である、少女型アンドロイド。ナビゲーター曰く「記憶も過去も存在しない」。
青いラインの走るサイバーパンク風なぴっちりスーツを着ており、肌が露出しているのは顔と太もものみ。服は体と一体化している訳ではないようで、「機動戦隊アイアンサーガ」とのコラボでチャイナ服や水着に着替えている。
某ライジング リベンジェンスなサイボーグのように刀で攻撃したり、敵からエネルギーを奪ったり、高速で移動したりする事が可能。
ゲーム本編では「自我がない」という前提の彼女であるが、アイアンサーガとのコラボイベントには明確な自我があり、普通に喋っている他、ナビゲーターの意にも反する。
アイアンサーガにおける好物は「エネルギーストーン」な模様。
体力ゲージの上には常に「ICEY」と名前が表示されているが、あるイベントを迎えると表示される名前が「UCEY」になる。
彼女の近くには常に名称不明のドローンが飛んでいる。
ナビゲーター(CV:下野紘)
本作で一番喋るキャラ……というか、ゲーム中でまともに喋るキャラは〝ほとんど〟彼しかいない。姿は見えないが、性別は男性の模様。
名前の通り、プレイヤー=ICEYをナビゲートするが、従う必要はなく、むしろナレーターの嫌がることをする事ができる。その場合、渾身のキレ芸や、苦労語りなどは一見の価値あり。
というか、キャッチコピーにもあるようにこのゲームの1番の醍醐味はナビゲーターの案内を無視して彼の困惑する反応を楽しむ事である。
本作の製作者らしいが、手を抜いていたり、不必要な道を残していたりなど、よくわからない部分が多い。
ICEYを別の場所に移動させたり、新しいエリアを作って宝箱を配置することもできる。ある行動をすると、ナレーターが拾ってきたゲームを遊べる。
下野紘氏は過去にゲームを熱く語る少年を演じたことがある。またナレーターは制作者なので神のみぞ知るセカイを知っているかもしれない。
敵サイド
Judas(ユダ)
中国語表記:猶大/犹大
今作のラスボスであり、ICEYが抹殺する対象。
世界を破滅に追い込んだ元凶であり、世界各地にその爪痕が残っている。
ICEYがカプセルの中で眠りについているシーンでナビゲーターがユダの説明しているときにアンクル・サムのポーズをしたユダが一瞬だけ登場する。ゲームの背景のいたるところにアンクル・サムのポスターが貼られており、「I WANT YOU FOR JUDAS」と書かれてある。
巨大な蜘蛛の姿をしたロボットであり、上方に男性が逆さ吊りになっているのが特徴。
体力ゲージが5本ある。ゲージを1本減らしとどめを刺すたびにユダの攻撃用の脚を1本切断する。攻撃用の脚がなくなると本体である宙づりの男性にオーバーロードで攻撃して抹殺する。
倒すと「逆さ吊りのユダ」の実績が解除される。
「ユダはるか昔に最後の苦しみを放棄した。塔の頂に逆さ吊りにされた後は、それでも悠然と昇る黒い星を見ていた。」
Dahal(ダハール)
中国語表記:達哈爾/达哈尔
斬撃と銃を装着した腕と背中のリングが特徴のボス。
チュートリアルを進めていくと、迷いの森で出会う。体力ゲージを削りきると腕部分からビームを出し、ICEYを橋ごと破壊する。
ナビゲーターがナビゲートしてゲームを進めるとチュートリアルでダハールがいた場所は橋がなくなっているため、落下して下水道から先に進むことになる。ちなみに崖を超えるとトールの残骸があり、さらに先へ進むとコスモシティにショートカットができる(ここもナビゲーターにリアクションがある)。
時計塔6階で再戦するが、とある場所でのICEYの行動によって対応が変わる。
ナビゲーターは「彼女」と呼ぶのでおそらく女性。
倒すと「ダハールの苦悩」の実績が解除される。
「仮想の世界でしかできないこと--二人の記憶を交換する--そうしてダハールは壊れた」
Gorger(ゴージャー)
中国語表記:暴食/暴食
地下水道に潜む卵型のボス。背中に歯車がある。
腕のこぎりで襲ってきたり、腹部の大きな口で捕食したりする。
ショートカットでボス戦を無視できるが、雑魚キャラとして登場する。
ボスの中国語表記は基本外国語の発音に合わせているが、ゴージャーは名前の意味と特徴が一致している。
倒すと「ゴージャーの麻痺」の実績が解除される。
「ユダに自我を差し出し、麻痺してしまったその心ではもう何も考えることができない」
Thor(トール)
中国語表記:托爾/托尔
コスモシティにあるゲートの制御室に潜む大型のボス。
ハンマーやミサイルで広範囲を攻撃してくる。
最初の戦闘の後に雑魚キャラとしても登場し、武器や色が違うトールも存在する。
倒すと「トールの忠義」の実績が解除される。
閉じられたコスモゲートを開けるためにトールを倒す必要があるが、実はダッシュの連続で閉まるゲートを通り抜けることができる。そのため、トールは倒さずスキップすることも可能。その場合、「ゲートが閉じる前に」の実績が解除される。
「ユダの本当の目的を知っても、喜んで自我を差し出す者もいた。トールは自我を引き裂き、ユダに差し出した」
Puck(パーク)
中国語表記:帕克/帕克
地下鉄の入り口に潜む丸い胴体を抱えた4本脚の蜘蛛形ボス。
自身と同じ姿の小型モンスターを呼びよせ、集団でICEYを追い詰める。
足で叩きつける攻撃を仕掛ける。
倒すと「パークの失意」の実績が解除される。
「「父」であるユダのもくろみを知り、パークは思考することを放棄した。失意のパークは漆黒の地下鉄の暗がりに身を潜めた」
Carlos(カルロス)
中国語表記:卡洛斯/卡洛斯
ゴージャーに似ているボス。地下鉄に潜んでいる。
ゴージャーと違いこっちは足で攻撃する。
カルロスはボスの中で唯一フィールドの姿とアイコンの姿が違うモンスター(フィールドは横向き、アイコンは前向き)。
倒すと「カルロスの野心」の実績が解除される。
「カルロスは時の円環の中で自我を差し出し続けることに嫌気がさし、神子に変わってすべての自我を手に入れることを心に決めた」
Jack(ジャック)
中国語表記:傑克/杰克
木偶シアターに潜むボス。
猫背の赤と黒のサイボーグのような姿をしており、足はハイヒールのような形状をしている。
某ライジング リベンジェンスで体をバラバラにして戦うサイボーグに似ている。また戦い方と見た目からイカれたアメコミヒーローにも似ている。
ナビゲーターに逆らわないと出会えないためストーリーモードでは倒す必要がない。
ICEYと同じ体格で銃や素早い蹴り技で襲い掛かる上ダメージが大きい。
更に当たり判定が他のボスと比べて小さいので、攻防ともに苦戦を強いられることになる。
倒すと「ジャックの信仰」の実績が解除される。
木偶シアターは他のステージよりも実績を解除する条件が多い。
「ジャックの信仰心は永劫変わらない。しかし、すでに見放されてしまった彼は神子に触れることもできないだろう」
Ideon(イデオン)
中国語表記:伊汀/伊汀
時計塔1階に潜むボス。
脚のない巨人のような姿をしていて、宙吊りになっている。
某ジムリーダーのようなポーズで肩からレーザーを放ったり、巨大な腕を叩きつけたりしてICEYを排除しにかかる。レーザーは画面全体を薙ぎ払う様に放つ場合があるので、シャドーブレードで攻撃するかジャンプしてうまく避けないと無傷で戦うことは難しくなる。
こいつだけ体力ゲージが1本しかない(他のほとんどのボスは2本、ユダは5本)。
イデオンという名のロボットだが、もちろんこっちのイデオンとは関係ない。
倒すと「イデの摩耗」の実績が解除される。
称号では「イデ」だが、ユダを倒した後のエンディングでは「イデオン」と表示されている。
「イデの自我は時の円環の中で摩耗し、その巨体はユダに操られるだけの抜け殻となった」
Trinity(トリニティ)
中国語表記:崔妮蒂/崔妮蒂
時計塔6階に潜んでいる。
下半身は三角形の機械になっているが、上半身はよく見ると人間の女性のような姿をしている。ナレーター曰く女性。
遭遇するときには弱っているので、一発の攻撃で死ぬ。
……が、攻撃せず出口のドアが開くまで待つことでトリニティを倒さずに進むことが可能。
倒すと「トリニティの妨害」と「トリニティの自我」の実績が解除される。
「トリニティは時の円環を破壊することができなかった。彼女は永遠に繰り返しの始まりを止められない」
「トリニティは記憶が差し替わっても、神子の誕生を阻止しようとした。それが徒労であるにもかかわらず」
コラボ
2018年8月17日から「機動戦隊アイアンサーガ」でコラボイベントが開催。
その後も2022年まで毎年復刻コラボイベントが開催されていた(2023年は後述の別ゲームとのコラボの都合か未開催)。
前述の通り本作でのICEYは自我を持っており、本編では分かりにくかった彼女の性格が判明。また、言語を学習した事で時折ナビゲーターとの会話も行っている。
作中での描写からするに、どうやらアイアンサーガの世界にもゲーム「ICEY」が存在する模様(あくまで単発コラボイベントなので真面目に考えるものではないと思われるが)。
2023年には「フラッシュパーティー」とのコラボが行われ、9月27日からICEYが参戦。
技の殆どが原作の動きをしっかりと再現したものになっており、更に公式の紹介PVもナレーションが原作のナビゲーターに合わせたものであったりと、かなり手の込んだコラボになっている。
関連イラスト
関連タグ
Steam PlayStation4 iOS Android NintendoSwitch メタ発言
クトゥルフ神話に登場する神々の名前が複数出現する。
主人公のアンドロイドが機械の敵を倒す設定繋がり。
同じインディーゲームのジャンルでこっちもとあるキャラが第四の壁をぶち破っている。
中国製のゲーム繋がり
外部リンク
少しネタバレ
※ここからネタバレ注意。※
- ユダを倒すとエンディングが流れるが、スタッフロールの内容から本当のエンディングではないことが分かる。
- トリニティを倒さずに進むとダハールがICEYの前でひざまずく。この時にもらえる称号は「これこそが愛」である。取得方法は「トリニティの中に存在するダハールの自我を破壊しない」と書いてある。ダハールの自我はトリニティの中にあり、弱っているトリニティを破壊せずに見逃してくれたICEYに対して何らかの気持ちを表していると思われる。ナビゲーターですら何を考えているのか分からない。
- 木偶シアターではナビゲーターに対するゲームスタッフの愚痴を書いたメールが置かれており、相当のブラック企業であることがわかる。ナビゲーターは社長の無理な話に乗ったり、部下に無茶苦茶な指示を出している。またナビゲーターは不倫をしている事が発覚する。
- ジャックはICEYの開発途中で没になった設定を持っている。ICEYにも銃を持たせる予定だったが、予算がないせいで没になった。
- ジャック戦の後に監視室に場所を移す。そこで画面に人の目のような物が移り、黄衣の使者が現れる。
- 下水道にある何もない部屋で待つとナビゲーターが歌いだす。公式曰く下野紘の即興ソングらしい。
- 最後の選択で「準備ができていない」を選び続けるとどっちを選んでも「ICEYは愚かだ(準備完了)」になる質問が出る。その時に放置すると「ナビゲーターは豚野郎」と表示される。
ネタバレ
※以下ネタバレ注意。※
ICEY(CV:降幡愛)
「ありがとう」
「またあなたと」「Hastur」以外の実績を解除することで、ステージ選択画面に「神の御名」の項目が出現する。選択して「90億の神の御名」の実績解除または???の暗号解読で出たパスワードを入力するとトゥルーエンドを見ることができる。
ナビゲーターが自分は開発者ではなくゲームだけの存在であることを知り自分を取り戻すためゲーム世界を乗っ取る。
ICEYを破壊すべくプレイヤーのコントロールを奪い、大量のモンスターを送り込んでICEYを窮地に追い込むのだが、ICEYが突然プレーヤーなしに動き出す。
ナビゲーターは突然の事態に動揺する。ナビゲーターはプレイヤー側からの干渉を切断しており、ただのキャラクターであり自我のないICEYが自力で動くことができるわけがないからだ。しかし、ICEYには自我が芽生え、自らの意思で動いて敵を倒したのである。
ナビゲーターの妨害を振り払い、プレイヤーにこれまでの思いを告白するのであった。
ICEYはストーリー上では話さないが、降幡愛の声でしゃべるのはこのシーンだけなので、実績集めを頑張る価値はある。この出来事で「またあなたと」という称号が手に入る。
このシーンは一つのデータにつき一回だけなので、もう一度見るにはデータを消さなければならない。
このトゥルーエンドをクリアした後、体力ゲージの上に表示される名前がプレイヤー名(SteamならSteamのアカウント名、スマホアプリ版なら最初に自分でつけた名前など)に変更される。
スコアアタック
トゥルーエンドを達成することで、スコアアタックに挑戦することができる。Steam版では無料DLC、その他の媒体では最初から実装されているため誰でもプレイできる。
ステージ選択画面から「地下鉄入り口」を選択し、ステージを一つ戻ると何もない路地が表示されるが、中央のT字路に進むことができるようになっている。
入ると本編に登場する敵が次々と現れ、ICEYに襲い掛かる。全5ステージあるのだが、それまでの難易度にかかわらず強制的にHARDにされてしまうため、非常にクリアが難しい。
名前を「UCEY」にしたままスコアアタックをクリアすると・・・・・・?