エウメネス
えうめねす
Εὐμένης
生没年:紀元前362年-紀元前316年
出身はケルソネソス半島(今日のトルコ領ゲリボル半島)の都市国家カルディアで、書物などにはしばしば「カルディアのエウメネス」と表記される。
その出自は不明だが、プルタルコスはその著書『対比列伝』の中で大王の父フィリッポス2世と親しい人物の子ではないかと推測している。また、「故郷を追われた者」とも書かれているが、その理由にも触れられていない。
いかなる理由でか故郷カルディアを離れた後にアレクサンドロス大王の父フィリッポス2世に見いだされ、マケドニア王国に書記官として仕えることとなる。
フィリッポス2世が急死し、アレクサンドロスが後を継いだ後も書記官として遠征に従軍するも、騎馬隊を指揮するなど文武両道に秀でていたことが窺える。しかし、外国人であったことと文官であったことで軍の中ではかなり不人気であったとも言われる。
大王の死後、カッパドキアとパフラゴニアの太守に任命されると、大王の後継者を決める内乱「ディアドコイ戦争」に唯一の外国人として参戦することとなる。
紀元前316年「ガビエネの戦い」で、味方の怠慢と裏切りにより敗れ、捕われる。
エウメネスの身柄を引き取ったアンティゴノス将軍は彼を味方に引き入れようとしていたが、エウメネスに反感を持つアンティゴノスの部下によって暗殺された。
エウメネスの部下であり、歴史家でもあるヒエロニュモスはアンティゴノスをディアドコイ戦争の最強者、エウメネスを最強者アンティゴノスに対する唯一の対抗者と評した。
また、歴史家コルネリウス・ネポスによれば、大王の子の擁護者エウメネスが健在のうちは(エウメネスを恐れて)戦争中誰も王を自称しなかったが、エウメネスがいなくなった途端に本性を表した、という。
出自と半生が不明であるエウメネスにスポットを当てて、波乱の古代オリエントを描く。
有力なギリシャ人一家ヒエロニュモス家の子供として育つが、実は遊牧民族スキタイ人の子供であったという架空の設定を持つ。ちなみに上記の歴史家ヒエロニュモスは本作では父と同名の息子で幼年期をエウメネスと共に過ごした義兄というオリジナルの設定になっている。
家の財産を巡る陰謀で、身分が明らかとなり奴隷となるも奇跡的に自由の身となる。その後貧しい農村に身を寄せ、ギリシャ人との抗争から村を救うが村から出ていく羽目になり、流浪の末に当時の大学者アリストテレスと出会いペルシア帝国から追われていると知り、助けたのが縁でマケドニア王国に仕官する。そこで後に忠誠を尽くすことになるアレクサンドロス王子と出会う…。
博識な本の虫で、一度読んだものなら暗記音読はお手の物。
さらに運動能力にも長けており、剣の腕は大の大人が束になってかかっても太刀打ちできない程。
手先も器用でおもちゃから兵器を作るのも得意。
権力に迎合することを好まず、王や有力者相手でも常にマイペース。
基本穏やかでさっぱりとした皮肉屋だが、どこか冷血で残酷な面を持つのはスキタイの血のせいだろうか。
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心の破片
「パウサニアスとアレクサンドロス」シリーズの第11作です。「孤独の饗宴」の続きです。 紀元前四世紀のマケドニアが舞台で、アレクサンドロス大王の父・フィリッポス王の愛人であった美少年、パウサニアスを主人公とした話を創作してます。この第11作ではパウサニアスは十六歳になったばかり、フィリッポス王の愛人になってもうすぐで一年経つくらいの頃を書いてます。 古代ギリシア・マケドニアに関してまだまだ勉強不足で、おかしな記述もあると思いますが、あくまで素人の創作物ということで、どうか大目に見てくださいm(_ _)m (後でこっそり手直しするかもしれません😅ていうか、歴史創作としてだけでなく、小説としてもアヤシイ文章を書いてしまってるかもです💦) *「一刻」は今でいうどれ位の時間なのかは、拙作では30分としています。 こんな拙いモノを読んでくださる方にはホントに感謝・感謝です!! 跪拝礼❗m(_ _)m 【前回までのあらすじ】 古代ギリシア・マケドニア。戦災孤児の美少年・パウサニアスは初めの養家の主から虐待される辛い日々を送っていた。その後養家が替わるが自らの軽率な行為によりそこにも居られなくなり、夜の街を彷徨ううちに荒くれ者たちの生贄に堕ちてしまう。生きていく為にその荒くれ者の一人フォイニクスに養ってもらう事となり同棲生活を送っていたが、ある日パウサニアスはマケドニア王フィリッポスと引きあわされ、その美しさによってフィリッポスに求愛される。フォイニクスの元を去り、フィリッポスの近習兼愛人(エロメノス)となるパウサニアス。王の長男・アレクサンドロス王子はパウサニアスの存在に対して嫌悪感を持っていたが、パウサニアスの王に対する影響力は増していった。30,433文字pixiv小説作品 - アレクサンドロス・ミエザ時代
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