概要
時間保護局が保有する巨大ロボの一つで、「発進ロボ」「タイムゲートの番人」の異名を持つ。黄色と黒を基調としたカラーリングや、後述する役割など、本作に登場する他の巨大ロボとは一線を画した存在でもある。
タイムジェットやタイムシャドウなどの超時空間マシンを、特定の時代に射出する「緊急システム」の要の一つでもあり、システム発動の際にはまずボディに装着されている「タイムゲート」を分離させ、プロバイダーベースの前方へと設置。
さらにプロバイダス自身も、バイザーを閉じ右腕を伸長させると共に、上半身を複数回に亘って回転させ、その状態から格納スペースより地上へ姿を現したマシンを、右腕を振るいゲートめがけて打ち出すという形で射出するのである。射出されたマシンは、タイムゲートを通過して時間流へと突入、クロノ粒子に変換された後一旦過去へと遡り、そこから特定の時代を経由しつつ(※)目的の時代まで移動する。
以上の説明からも察せられるように、プロバイダスはあくまでも「基地においてマシンを射出するという目的でのみ存在するロボ」であり、武装らしい武装は特に持ち合わせていない。さらにマシンを送り出す側である都合上、自らタイムゲートをくぐって別の時代へ向かうことができない、即ち巨大戦に参加することが基本的に不可能であるという、戦隊ロボの長い歴史の中でも極めて稀有な存在でもある。
そんなプロバイダスであるが、実は作中で一度だけ参加できないはずの巨大戦に登場したことがある。その際には他のマシンを射出する時と同様に、自らの尻を自らの腕で引っ叩くような形でタイムゲートへと突っ込むという、正に力技もいいところな方法で時間移動を可能としている。
・・・もっとも、これもあくまでシオンが見た夢の中での出来事でしかなかった訳であるが。
また、時間移動についてはプロバイダスの手を借りずとも行える場合もあり、実際に作中でもブイレックスとGゾードが時間移動実験の際、自走による加速で時間流へと突入しているほか、タイムジェットγも格納庫での駐機状態からそのまま緊急システムを発動し、21世紀へと向かったことがある。
そうしたこともあってか、物語終盤にて諸々の事情から緊急システムの発動がなされなくなった時点で、プロバイダスも作中における役割をほぼほぼ終える格好となったと言える。
(※ その際、タイムジェットは恐竜時代→古代エジプト→戦国時代、タイムシャドウは紀元前エジプト→19世紀のルーマニア→1969年の月面を、それぞれ既定のルートとして経由している)
備考
企画段階においては、元々タイムロボ自体に時空移動の機能が集約されており、この機能を独立させる形で考案されたのがプロバイダスであった。
当初はプロバイダスそのものが基地の役割も兼ねていたようで、ボディに格納されていたタイムジェットをカタパルトで射出するという点を念頭に置きつつ、「母艦形態へと変形し、甲板状の下半身に搭載されたジェットを艦橋として機能する上半身で打ち出す」や、「右半身に格納されていたジェットを左足で蹴り出す」といった案、さらには「カタパルト上に出てきたジェットを、複数の中型ロボがボブスレーのように押し出す」という変わり種のアイディアまでも提示されている。
時空移動のプロセスとして、「マシンがゲートをくぐって時間流へと突入する」というアイディアが導入されてからは、「ゲートも独立したロボとする」「基地としての機能も独立させる」といった案が浮上し、そこから「射出用のロボからゲートを切り離して発進体制に移行する」という、実際のプロバイダスへと近いものへと発展していったと見られる。
「DXプロバイダーベース」の付属品として立体化されたプロバイダスは、胴体内部に内蔵されたゼンマイを巻いて回転力を蓄え、それによってマシンを勢いよく打ち出すというギミックが盛り込まれている。マシンを打ち出す予備動作として上半身が回転するという描写は、平たく言えばこのギミックを忠実に再現したものでもある。