概要
古代中国における、動物を以下の5つに分類する考え方である。五虫の「虫」は動物を指す。
- 鱗虫 … 鱗を持つもの。主に亀以外の爬虫類や魚類。長は「応龍」。単に「鱗」とも。
- 羽虫 … 羽を持つもの。鳥類。長は「鳳凰」。単に「羽」とも。
- 裸虫 … 裸のもの。主にヒト。長は「聖人」。単に「裸」とも。
- 毛虫 … もふもふしたもの。いわゆるケモノ。長は「麒麟」。単に「毛」とも。
- 甲虫(介虫) … 甲羅をしょってるもの。亀や甲殻類、貝、昆虫とされる。長は「霊亀」。単に「甲(介)」とも。
ここの「虫」は「動物」を意味している。
『孔子家語』に見られるという。
裸虫以外の長は総称して「四霊」等と呼ばれるものであり、四神と類似している。
ただ、四神は五神に拡張されることがあるが、聖人のポジションに来るものは麒麟か黄龍となり、この辺には類似性は見られない(そもそも麒麟は上記では毛虫の長とされているし、黄龍は鱗虫の長の応龍と同一視される場合もある)。
五行においては以下のように結び付けられるとされる。
ただ出典は不明であり、土以外は長に対応する四神の五行と一致しているが、麒麟や黄龍は五神においては土にあたるので要注意である。
五虫 | 五行 |
---|---|
鱗虫 | 木 |
羽虫 | 火 |
裸虫 | 土 |
毛虫 | 金 |
甲虫 | 水 |