「だけどな無一郎 どれだけ善良に生きていたって神様も仏様も結局 守ってはくださらないから
俺がお前を守らなければと思ったんだ」
CV:河西健吾(無一郎と兼役)
概要
原作第118話の回想で初登場した。
ちなみに鬼殺隊には入隊してないので一般人である。
人物像
容姿
双子だけあって無一郎と瓜二つな容貌をしており、中性的な顔立ち、小柄な体躯、腰に届くほどの長髪(髪色は黒から毛先にかけて青のグラデーション)にロップイヤーのような妙な髪型とすべてにおいてそっくり。
この髪型がツーサイドアップなのか、そういう癖なのかは不明。
性格
無一郎も「兄は言葉のきつい人だった」と独白しているように、正論ながら何かと厳しい物言いが目立つ。というか「無一郎の無は無能の"無"」「無意味の"無"」と、お前は無価値だと言わんばかりの暴言すら口にしており、「僕は兄に嫌われてる。兄は冷たい人だ」と思っていた模様。
実際「兄との暮らしは息が詰まるようだった」とすら評している。
だが決して冷血・酷薄な人間というわけではなく、本人もひどい物言いが多い事は気にしていた様子(「いつも俺には余裕がなかった。人に優しくできるのも結局選ばれた人間だけなんだよな」という言葉が全てを物語っている)。本心は家族や弟を思いやり、人の為に身を削りがちな彼らを守りたいと思うからこそであり、要するに不器用なのだろう。
なお記憶喪失だった無一郎の「概ね正しくも残酷」と評される言動は彼に似ていたらしく、兄弟の死を無意識に忘れたがった無一郎が有一郎と自分を同一視したがった為とも取れる。
キメツ学園
19巻にてキメツ学園の設定が弟の無一郎共々明かされた。
中等部2年の銀杏組(有一郎)と里芋組(無一郎)。将棋部所属(プロ棋士間近としてTVにも出演済み)。女性人気が飛ぶ鳥を落とす勢い。2人共自分達の運動神経が良い事には気付いていない様子。
有一郎は頭の回転が速く何でもそつなくこなせるが、驚くと固まるタイプなので突発的に何か起こった時に反応するのは、一見おっとりしている無一郎の方だったりする。
中等部2年銀杏組、時透ツインズの兄。双子の弟は2年里芋組の時透無一郎。
口調はきついが心優しい少年。だがそれが仇となり、ピザ屋で兄弟ゲンカに発展したこともある。
ビックリ系に弱く、ホラー映画で悲鳴を聴くと硬直する。化け物が出てきた時には白目を向いて叫んだり泡を吹いて気を失う。
将棋部に在籍。兄弟揃ってプロ顔負けとの噂。その縁もあり産屋敷家の娘達に将棋を教えている。その様子を想像した愈史郎は「鏡合わせみたいな絵面」と称した。
文化祭では王子とこじきの王子役を演じた。
余談
単行本14巻のおまけにて、幼い有一郎がべそをかく無一郎と手を繋いでいる様子を、洗濯中の母が笑みを浮かべて見守っている様子が描かれている。
関連イラスト
関連タグ
不死川実弥:同じく人一倍家族思い故に不器用だった兄。きつい口調とは対照的に、本来の笑顔がとても優しい。
関連・類似キャラクター
過去
十歳の頃、体調が悪いのを黙って働き通した母が風邪をこじらせて肺炎で死亡し、父もまた嵐の中を薬草を探しに出て崖から転落死した。
有一郎は母に何度も休むよう言い、嵐に構わず出ていこうとする父を止めたが、そんな息子の心配を余所に両親は死んでしまった。どれだけ善良に生きても神も仏も助けてくれない。なら自分が弟を守るしかないと、鬼殺隊に二人を勧誘しに来たあまねのことを「なにか企んでるに決まっている」と追い返した。有一郎を鬼殺隊に誘う無一郎にも、「人を助けるなんてのは選ばれた人間にしかできない」「俺達にできることは犬死にと無駄死に」と厳しい言葉で反対する。
しかし、ある夏の夜に戸を開放して寝ていた兄弟を鬼が襲い、有一郎は左腕を切り落とされ重傷を負ってしまう。
兄を傷つけられた事に加え、鬼の「いてもいなくても変わらねえつまらねえ命」という侮辱に怒りを爆発させた無一郎は大きな石で頭を潰し、杭や鎌などでメッタ刺しにして地面に拘束、朝日で灰にした。瀕死の体で兄の元へ戻り、必死で手を伸ばす。
既に命もろとも意識も失おうという有一郎は今際の際に「無一郎の無は無限の無」「お前は自分ではない誰かのために無限の力を出せる選ばれた人間なんだ」と言い残し、弟の目の前で果てた。
無一郎は兄を冷酷な人で自分を嫌っていると思い込んでいたが、「どうか弟だけは助けてください 弟は俺と違う心の優しい子です 人の役に立ちたいというのを俺が邪魔した」と優しくしてやれないことを申し訳なく思いながらも、それでも家族を守りたかったのだ。
無限城編での活躍(原作未読者ネタバレ注意)
上弦の壱との死闘を終え、三途の川を渡ってきた無一郎を必死に引き止める。
「こっちに来るな 戻れ!!」
「お前が死ぬことなんてなかった」
「こんな所で死んでどうするんだ?無駄死にだ」
「こんなんじゃ何の為にお前が生まれたのかわからないじゃないか」
必死に説得を続けるも、無一郎は受け入れてくれることを泣いて懇願する。
「僕は 幸せになる為に生まれてきたんだ」
「無駄死になんて言わないで」
「兄さんだけはそんなふうに言わないでよ」
「わかってるよ だけど俺は」
「無一郎に死なないで欲しかったんだ……」
「無一郎だけは……」
そんな無一郎の想いを受け止め、彼を優しく抱きしめた。
最終回では双子の兄弟に生まれ変わったようで双子の赤ん坊が登場。