藤原南家の藤原富士麻呂の長男で、母は紀名虎の娘。
官位は、従四位上・右兵衛督となる。
書道は、空海と共に名を挙げられるほどの能書家であり、「多くの人に請われるままに写経をしたが、世俗の身であったせいで地獄に送られた」などという逸話が『今昔物語』や『宇治拾遺集』に残されてるほどである。
和歌は『古今和歌集』、『後撰和歌集』などの勅撰集に選ばれている。
歌人としては宇多天皇の宮廷歌壇で活躍し、在原業平と関りがあったようである。
家集に『敏行集』がある。
代表歌
- 住の江の 岸による浪 よるさへや 夢のかよひぢ 人目よくらむ(『古今和歌集』『小倉百人一首』18)
- 秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる(『古今和歌集』秋歌上169)