概要
1960年(昭和35年)3月22日に国鉄(日本国有鉄道)の駅として開業した。この駅の開業によって、1945年から日本最南端だった山川駅にかわって(北緯31度11分の位置で)「日本最南端の駅」となった。
沖縄県が国土に復帰したこともあり、21世紀の現在は「2本のレールを用いた普通鉄道の日本最南端の駅」「JR最南端の駅」という位置づけとなっている。
また、2つ手前の山川駅(1945年から1960年までの日本最南端の駅)から列車の本数が大幅に減少するため、旅行で乗降する際は時刻表をチェックしよう。
列車本数の極端な少なさから当駅を秘境駅と看做す人もいるが、近年は駅そのものが観光スポットとして注目されており、車でのアクセスの容易さや駅前に大きな商店があるなど、ガチの「秘境」というイメージはほとんど無い(後述)
駅周辺
駅のすぐそばに漬物の製造・販売を行う「中園久太郎商店」の店舗兼工場があるが、それ以外に駅周辺には目立った施設は無く、いちめんの畑が広がっている。
ちなみにこの商店は観光案内所や休憩所も兼ねており、メインの漬物の他に土産物や地元の特産品なども販売しているほか、到達証明書や絵ハガキといった当駅関連のグッズも発売している。
駅は開けた土地にあり、付近に建物が少ないが故に見晴らしは抜群。さらに駅のホームからは「薩摩富士」こと開聞岳が一望でき、とりわけ夏場は畑の緑や駅周辺に植えられたひまわりの黄色と背後にそびえる開聞岳とのコントラストが美しい。
眺望の良さが口コミやネット経由で広まった結果、近年は駅そのものが眺望を楽しむための観光スポットとなっており、駅前は広い駐車場が整備され、観光シーズンには多くの観光客が訪れる。
「『JR最南端の駅』というネームバリュー」「抜群の眺望」「車でアクセスしやすく、大きな駐車場もある」「駅の至近に買い物や休憩ができる施設がある」などの点から、バスツアーの(トイレ休憩やお土産購入タイムも兼ねた)立ち寄り場所として設定されることも多く、列車よりも車でこの駅に訪れる人の方が多いのはなんとも皮肉な話である。
とはいえJR側もこの駅を通る一部の列車の停車時間を長くして乗客が一時下車しての写真撮影ができるサービスを行っており、ただ手をこまねいているというわけではない。
前述の通り、列車本数の極端な少なさから秘境駅扱いされることもある当駅だが、今や立派な観光スポットでもあるため、「『周囲に何もない、無人の秘境駅』のイメージを抱いて現地に行ったら観光客でものすごく賑わっていた」なんてことも時期やタイミング次第で十分ありうる。
地方の駅が活気づくのは良いことなのだが、ムードを重視する人は気をつけよう。
隣の駅
関連項目
赤嶺駅:日本最南端の駅(北緯26度11分)
稚内駅:日本最北端の駅(北緯45度24分)
東根室駅:日本最東端の駅(東経145度36分)
那覇空港駅:日本最西端の駅(東経127度39分)