アジアの一部で、ユーラシア大陸の東南部のインドシナ半島と、その周辺の島国をまとめて指す。東アジア、オセアニア、南アジアに隣接する。
概要
東アジアの日本・韓国・中国や、アメリカ合衆国・カナダの西海岸と、中東・インド・ヨーロッパを結ぶ海運の要衝となっている。
気候は蒸し暑く雨が多く、雨期と乾期が入れ替わるモンスーン気候の地域が多い。農業は多彩な農作物が生産され、特に稲作が盛んで、特にメコン川やチャオプラヤー川の流域は三毛作も可能である。このことから東南アジア大陸部には古くから文明が栄えた。お茶は東南アジアが原産とされる(厳密には中国の雲南省が原産と言われる)。
文化
歴史的に中華文明・インド文明・西洋文明の影響を受け、日本文明の影響も交錯する文化的に多様な地域。仏教・イスラム教・ヒンズー教、そしてキリスト教が主な宗教だが、優占する宗教・宗派が地域によって違う。有史以前からさまざまな民族が何度も南下し、先住の民族と共存することで民族的にも多様になっている。
日本以上に暑い夏をいかにうまく乗り越えるかの工夫が、衣食住のすべてに表れている。
日本と東南アジア
安土桃山時代から江戸時代初期にかけ、東南アジアに移住して漁業や貿易を営む日本人が多数おり、日本人街も形成されていた。倭寇の勢力は東南アジアにまで及んだとされる。鎖国により本国との連絡を断たれた日本人社会は現地に完全に同化し、19世紀にはその形跡もほとんどなくなっていた。
琉球王国(現在の沖縄県)では、中継貿易でこの地域(特にマラッカ王国)と強くつながっていた。
大東亜戦争(太平洋戦争)中は日本軍が欧米諸国の植民地軍を追放し後釜に座る形で占領下に置き、多くの日本人兵士が東南アジアで戦死した。しかし日本が統治していた国々では、現地住民達が日本軍によって母国を独立国家とするために、教育面や衛生面の整備や軍事訓練などを施されており、終戦後に再び植民地とするため侵略してきた欧米列強を追い払った。
この経緯から、東南アジア諸国には親日国が多く、現代でも日本の主要な貿易先となっている。また、気軽な海外旅行先としても人気であり、親しまれている。