解説
君主とは専制国家を絶対的な王権をもって統治する、いわば高貴な血統を正当なものとして独裁的な権力によって国政を総攬するものをいう。
その中でも名君とは、数多い君主の中でも特に人徳に優れたといわれる王族が、その優れた統治能力によって民心を安定させることによって国に平和と安寧をもたらすものをいう。また、名君の中でもさらに優れた人物は、他国にも名声が知れわたり、周辺国との外交によって平和と安寧をもたらすことが可能である。
また、専制国家の中には法を制定することによって、君主に欠陥があったとしても支配が揺らがないように準備することがある。事実、重要な法を定めず、独裁者となった君主の個人的な暴政によって滅亡した例として安土桃山時代の豊臣秀吉がよく知られている。(有名な法律としては鎌倉幕府の「御成敗式目」、室町幕府の「建武式目」、江戸幕府の「武家諸法度」、「禁中並公家諸法度」などが特に有名である)
歴史上の名君
道鏡、平将門、足利尊氏、明智光秀、吉良上野介と言った悪人扱いされる人々も、活躍した現地では名君扱いである。
- イギリス:イングランド王エドワード1世、エリザベス1世、ヴィクトリア女王など。エドワード1世の祖父ジョン欠地王は内政面では名君だったことが評価される。
- イスラム:アッバース朝のアル・ラシード、アイユーブ朝のサラディン、マムルーク朝のバイバルス、オスマントルコのメフメト2世など。ホラズムのムハンマドのように他勢力に敗れたため暗君扱いされた名君候補も多い。