「今日ヤツが戻ってくる。 あの悲劇の舞台にな。」
本項ではThe World R:2に登場するカイトおよび三爪痕(トライエッジ)を説明する。
The World R:1のカイトについてはこちら
声:相田さやか
概要
キル(ゲーム中での殺し)されると現実の人間も意識不明になると噂されている伝説のプレイヤーキラー。
プレイヤーをキルした現場にグラフィックを抉り取った赤い三つの傷痕を残すことから「三爪痕(トライエッジ)」と呼ばれている。
事情を知らない一般プレイヤーの間では怪談話程度の認識だが、実際はCC社のシステム管理者達から危険対象としてマークされているほどの存在であり、突如エリアに現れては不特定のプレイヤーを手に掛けるという謎の行動を繰り返している。
「.hack//CELL」の主人公である碧やハセヲの想い人であった志乃も犠牲となっており、彼を見つけ出し復讐するためにハセヲはPKKとしてThe Worldを彷徨うこととなる。
容姿
姿は朱色のツギハギ服を纏ったゾンビのようで、禍々しい双剣「虚空ノ双牙」を持つ。常に目を見開き、呻き声を上げる以外は喋ることもない。神出鬼没であり、本来有り得ない方法でエリアに侵入してくるためにシステム管理者ですら追跡出来ず、行動原理およびプレイヤーが居るのかどうかすらも不明なままである。
能力
行使する能力も異常であり、普通のプレイヤーとシステム管理者では絶対に敵うことのない無敵の存在。
襲いかかってきたレベル133のハセヲの双剣と大剣による猛攻撃を片手のみで防いだ上、空間に干渉して触ることなく相手の武器を破壊。対象の精神さえも奪い去る改変能力『データドレイン』によりPCを即ロスト、初期化させて赤子の手をひねるが如く捻じ伏せた。
また、双剣士とは思えないほどの怪力と仕様外の能力を有しており、瞬間移動しながらの斬撃や蒼炎を用いた衝撃波による攻撃。そして防御、回避も不可能な相手を異空間へ飛ばし、分身による三つの赤い斬撃を放つ技を持つ。無論、状態異常のデバフは一切通用しない。
G.U.vol1終盤、アトリを追ってモーリー・バロウ城砦の裏側、コインロッカーだけが置かれた謎の異空間に到着したハセヲ達の前に突如として出現、戦闘となる。
憑神に覚醒したハセヲ達にはそれまでの様にはゆかず、身体にダメージを負うもデータドレインで周囲のフィールドデータを吸収し復元。さらに憑神のような巨大な異形、蒼炎の守護神と化す。
蒼炎の守護神
身体の間接を蒼炎で繋ぎ巨大なオブジェを背負ったカイトのような姿をしており、その体躯の大きさは背飾りを含めるとスケィスの約6倍(18m以上)。その巨体にも関わらず他の憑神をも上回る機動力で攻撃を仕掛け、ハセヲのスケィスと壮絶な戦いを繰り広げる。
データ的にも憑神に酷似した存在であるらしく、彼らと同様に尽きることのない体力を兼ね備え、巨大な蒼炎の火球が配置された独自の憑神空間を展開した。
『蒼炎の守護神』使用技
蒼炎球 | 蒼炎の散弾をバラ撒く通常攻撃。大型の炎弾を破裂させ多方面から放つパターンもある。 |
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蒼炎・虎輪刃 | 装着している三枚刃のブレードを展開させて放出し、執拗に追尾する回転斬撃を放つ。 移動による回避が不可能な上に2×3ヒット攻撃で、斬り返しも困難。 |
蒼炎舞・百花繚乱 | 急突進してスケィスを掴みあげ、そのまま一気に飛翔。配置されていた蒼炎火球めがけて急降下しながらスケィスを叩き付け、自身もろとも広大に広がる憑神空間をも埋め尽くすほどの爆炎に巻き込む。 演出的にはどう見ても助かりそうにない大技だが、スケィスはこれを5発まで耐える。 |
データドレイン | 説明不要の改変能力。ブレードを背のオブジェに合わせて展開し、腕輪の形状をした構造物を生成して発動する。 スケィスのプロテクトで守られているため即死することは無いが、回避不能のダメージ技として繰り出してくる。 |
(ちなみに炎舞、虎輪刃、百花繚乱など、守護神の使用する技の一部は前作の主人公が使用した双剣スキルの名称が付けられている。)
最終的にはスケィスにプロテクトを破壊され、データドレインを受けて敗北。守護神は消滅し、蒼炎のカイトも共に砕け散った。
....が、後に棺桶のような物の中でデータ修復されながらも、蒼天のバルムンクと蒼海のオルカを引き連れて再度ハセヲ達の前に姿を現すこととなる。
関連動画
蒼炎の守護神戦BGM ~すべてをこの手に~
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外部出演
プロジェクトクロスゾーン2(葬炎のカイトとして登場)
※この先は重要なネタバレが存在します |
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実は志乃を手に掛けた真の三爪痕ではない。犯行現場に居たのは彼を排除するために追跡してきたからである。
その正体は、AIDAに対抗するため『R:1』時代のカイトを模した自律AIプログラム。自我を失いシステム的な存在となったAura(アウラ)が無意識に生み出した守護者であり、彼によるプレイヤーキルはすべてAIDA感染者の排除を目的としたものであった。(碧のキルもそれが目的であったようで、間接的ではあるものの彼女の意識が現実へ戻る手助けとなっている)
このような不気味な姿となった理由は、AIDAの侵攻が予想以上に激しかった為に急ピッチで創られ、その結果としてプログラムが不完全なまま起動する事になってしまったため。その影響として言葉もロクに話せず、作中で喋る時は「アァァァ……」という呻き声や「ハアアアア!!」といった叫び声しか発する事が出来ない。この性質が、上述のハセヲ達との敵対や情報操作による偽りの三爪痕の名を着せられるといった誤解を招いてしまう。
だが語る言葉を持たないカイトは誤解を解くこともないまま淡々と自分の任務を遂行し続け、碑文使いとして覚醒したハセヲたち並びに感染者達を「The Worldに発生したイレギュラーな存在」と見なして幾度となく激戦を繰り広げた。
自律AIという性質上、.hackシリーズでもトップクラスの不死身であり何度体をバラされようが、頭を吹き飛ばされようが、データドレインにより完全消滅しようが暫く時間が経てば元の姿に修復され、排除対象の襲撃と抹殺を完遂するまで繰り返す。
おそらく「The World」が存在し続ける限り、彼もまた復活し続けるのだろう。
「再誕」発動後、反存在クビア駆除の目的を同じくした同志としてハセヲら碑文使いと最終的に和解。アイナを憑代に降臨したAuraの計らいによりハセヲに虚空ノ双牙を託し、Auraの元へ還っていった。
(ちなみにこの虚空ノ双牙、高い攻撃力に加えて確率で相手のHPを強制的に半減させる能力を持つというG.U.中で文句無しに最強の双剣である。)
本編終了後に届くアウラからのメールを読むと、オルカやバルムンク共々パーティーメンバーとして仲間になる。しかし装備を変更できない仕様であるため良くも悪くもアビリティに手を加えられず、加えてデバフが有効、モーションもほぼ通常の双剣士のものになっており、実質弱体化してしまっている。なおオルカやバルムンク同様、プレイヤーがログインし続けているかどうかは不明。
.hack//Linkにも登場。名前が『葬炎の騎士』となっている。
ウィルスによって洗脳されてしまったアウラが放った刺客として立ちはだかるが、トキオとカイト本人の手により倒される。本編終了後は、洗脳が解けたアウラの指示で仲間になる。
(この際に本編で唯一、無印の物理系スキルを使用する。なぜ無幻操武のモーションで虎輪刃系スキルの名がついているのかは不明だが。)
プロジェクトクロスゾーン2では、敵専用キャラとして登場。こちらは名前が『葬炎のカイト』となっている。
異世界に迷い込んだハセヲとカイトの前に現れ、敵対する事となる。
原作におけるデバフ無効に加え、受けたダメージを確実にそのまま返すHPカウンターという強力なスキルを有しているため、特別な対処をしなければ強烈なカウンターダメージ+反撃必殺により味方ユニットワンキル確定という原作同様の異常じみたステータスに仕上がっている。
ワンキル覚悟で攻撃して味方に蘇生して貰うか、わざと手を抜いて地道に攻撃していく等の戦法で対処しよう。
なお、この二作を含めたG.U.以降の作品では、蒼炎のカイトが”真の力を解放した姿”である『蒼炎の守護神』と化すことは、なぜか無い。
何らかの要因で制限を受けている可能性もあるが、少なくともPXZ2では「The World」の外部でもハセヲのスケィスが召喚可能であった点から考え辛いため、単に本気を出していないだけなのかもしれない。もし本気を出されたとしても、対処できる人物が限られているため非常に困るが。
上述の通り上手く喋ることは出来ないが、とあるエンディングではスタッフロールの後に「データドレイン……」と呟いている(しかもThe worldのNPCであるヴァイタルビスタは、実は彼の通訳ができるという酷いオチつき。)他、後の時代の話である.hack//Linkではクロス連撃にてトキオをドレイン攻撃に巻き込んだ際「ゴ…メン…」と発言していることから全く話せない訳では無いらしい。
言語プログラムの異常が影響しており、グリーティングカードを送ったりしてやり取りをする際、必ず文章が文字化けを起こして何を伝えたいのか分かりにくくなっている。が、メールの内容を解読していくと、好物がハンバーガーだったり趣味がデータドレインなど、見た目に反して可愛らしい(?)一面が垣間見られる。
もっとも、前者に関してはどうやって食べるのか不明だが。