ウルトラマンF

うるとらまんえふ

ウルトラマンFとは、小林泰三の小説。及び本編に登場するウルトラマン。

地球を愛し戦う"彼女"の伝説

地球を守るため彼女はウルトラマンになる

概要

早川書房の雑誌『SFマガジン』にて2015年12月号から2016年6月号まで連載されていた小説。作者は小林泰三。

初代ウルトラマンが地球を去った後の世界を舞台に、その後も出現する怪獣やウルトラマンの技術を狙う某国の陰謀、別宇宙からやってくる侵略者達と戦う科学特捜隊の活躍を描く。

世界観はウルトラマン終了後からウルトラセブン開始までの間の物語だが、スペースビーストやウルティノイドの登場、メテオール技術、異なる世界から地球を狙う敵達等平成ウルトラマンの要素や小ネタが仕込まれている。

2016年7月7日に単行本が発売されたが大幅な加筆が行われ、連載時よりも1話分ほど長い。

主要人物

早田進

かつてウルトラマンと融合していた科特隊隊員。自らの身に起こった事態を確かめるため、自ら科特隊上層部の人体実験に参加する。

井出光弘

事実上の主人公。

ウルトラマンが地球を去った後、メテオールを利用しウルトラアーマーを開発した。

富士明子

もう一人の主人公。早田の人体実験に一人だけ反対していた。

しかし実験中にとあるアクシデントによって再び巨大フジ隊員になる。

嵐大助

科特隊隊員。ザ・ワンから分離した烏をマルス133で撃ち落とす等活躍する。

村松敏夫

科特隊隊長。上層部と国連の間で板挟みになる。

インペイシャント

天才を自称する某国の科学者。自身の研究のためならどんな犠牲も厭わない冷酷な性格。

躁躁

アジア某国の天才少年。国から予算と怪獣細胞を貰い、クローン怪獣を制作している。

鬱鬱

躁躁と研究している天才少女。泣きながら他者を馬鹿にしたかのような言い回しをする。

元帥

躁躁と鬱鬱を拾い、利用する某国の要人。

ウルトラマン

かつてこの地球を守っていた光の巨人。現在は光の国に帰還している。

その力を手に入れようと世界中が躍起になっており、科特隊は秘密を探るためハヤタを研究している。

本編の最後でハヤタに変身し、科特隊の前に現れる。

また顔がAタイプ~Cタイプの三つに変わった事に関してイデ隊員はAタイプは格闘戦、Bタイプは特殊能力、Cタイプは強力光線と状況に応じて変化させているという論文を発表したが、インペイシャントは人間だって日によって顔つきが変わるだろうと否定している。

登場怪獣

古代怪獣ゴモラ

躁躁が作ったクローンの小さな個体が登場。超振動波を操る。

エリ巻恐竜ジラース
古代怪獣ゴメス

オリジナルのジラースとゴメスの死体の骨格を人工細胞と金属材料で作った人工皮膚を被せたサイボーグ。

誘拐怪人ケムール人

躁躁が作ったクローン。彼に頭の触角を奪われる。

四次元怪獣ブルトン

躁躁が作ったクローン。超次元微小経路を開く。

ビースト・ザ・ワン

超次元微小経路を通ってやってきたスペースビースト。

棲星怪獣ジャミラ

とある事情により元帥が変身した姿。

邪悪なる暗黒破壊神ダークザギ

超次元微小経路を通って別の宇宙に送られた躁躁の願いに応じ、大阪に出現した闇の巨人。

赤き死の巨人ダークファウスト / 黒い悪魔ダークメフィスト

ダークザギに付随する闇の巨人。躁躁と鬱鬱がザギと取引した結果変身したウルティノイド。

変身怪人ゼットン星人

本編の黒幕。とある人物に化けている。

完全生命体イフ

ゼットン星人が連れて来た怪獣。

宇宙恐竜ハイパーゼットン

ゼットン星人の生体兵器。コクーンの状態で送り込まれ、イフを取り込みギガントとなり科特隊の無重力弾を受けイマーゴへと変身した。

異次元人巨大ヤプール / 究極超獣Uキラーザウルス

単行本化にあたって登場。

用語

ウルトラアーマー

イデ隊員にもほとんど解析ができない異星人の技術「メテオール」とルパーツ星人からの技術提供によって作り上げた対怪獣用パワードスーツ。

頭部にアイスラッガーを思わせる角、両腕に銃器、太腿部分にジェット噴射が取り付けられ、最大の武器としてスパーク8を装備している。

メフィラスボット

メフィラス星人によってフジ隊員の体に埋め込まれていたナノロボット。

アキコの遺伝子に一つずつ纏わりつくように稼働しており、その数は約8京個あると言われている。

超次元微小経路

四次元怪獣ブルトンが時空を歪ませることで発生させた別の宇宙への入り口。

ここを通って別の宇宙から様々な侵略者達が襲来する事となる。

巨人兵士

某国の技術によって人工的な巨人化に成功した生体兵器。詳しくは巨人(ウルトラQ)参照。