スペック
機体名 | ワイツタイガー |
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番号 | RZ-073 |
所属 | ZOITEC |
分類 | トラ型 |
全長 | 18.7m |
全高 | 11.8m |
重量 | 94t |
最高速度 | 340km/h |
乗員人数 | 1名 |
武装 |
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概要
古代虎の核の一つ「白の核」を元に、東方大陸の企業ZOITEC社が開発した虎型大型ゾイド。
蒼の核を持つ格闘戦仕様のレイズタイガー、紅の核を持つ砲撃戦重視のブラストルタイガーに対し機動力と電撃系統の武装に特化した機体で、文字通りの電撃戦が得意。大型化した爪によって大型ゾイドの装甲を易々と引き裂く事ができ、Zi-ARMS社のデカルトドラゴンをも圧倒した。
また、飛行型ブロックスゾイドであるサビンガと合体している為、飛行も可能としている。
しかしながら制御装置が未完成で、長時間戦闘を継続するとコアから発せられるエネルギーに機体が耐え切れず内部から融解し、システムフリーズに繋がる為、通常時はワイツウルフとサビンガに分離し、緊急時に合体してワイツタイガーになる。
余談だが、製造メーカーであるZOITEC社は100年以上も前の大戦時からヘリック共和国との繋がりを持つ企業であり、共和国系列のゾイドとしては初の虎型ゾイドとなる。
また、古代種のサーベルタイガーが原型となったセイバータイガーとは違い、現代の虎をモデルとしている為か犬歯は短くなっている。
ワイツウルフ
あまりにも高い出力を持った制御不能な怪物であるワイツタイガーを制御可能にする為に分離された片割れの内「白の核」を搭載するメイン機と言えるオオカミ型ゾイド。
本来、ゾイドコアは野生体を模した姿のボディでなければ自分の体として認識せずに機能不全、もしくは能力低下を起こすが、それを逆利用したものである。
過去にも陸戦ゾイドに羽を生やした機体(カージナル、マッドフライ、ギルザウラー)、ゴジュラスの上半身を生やしたウルトラザウルス(ケンタウロス)、首を2本に増やしたコマンドウルフ(ケルベロス。オルトロスじゃないのかと言ってはいけない)と言った改造ゾイドが存在しているので、必ずしも野生体と「完全一致」しなくても動かなくはない。
サビンガと分割された事でワイツタイガーよりもパワーは落ちているが、この形態でも十分すぎるほどのパワーを持ち、キット付属のDVDではエレクトロンハイパーキャノンの斉射で大型ゾイドのアイアンコングを容易く葬っている。エレクトンハイパーキャノンは、このサイズと重量ながら破格の威力を実現。電圧を荷せた実弾砲、つまり荷電ライフルである。ショックキャノンはライガーゼロと同型。
キットはモーター駆動式で、スイッチを入れると口を開閉させながら背部のエレクトロンハイパーキャノンを交互に前後させ歩行。
首のジョイントはモーター歩行時の口開閉ギミックの為のものと、連動ギミックをカットして可動範囲を重視したボールジョイント型の2種が用意されている。
また、ワイツウルフを始めとした『3匹の虎編』のポップアップキットは従来のシリーズよりもブロックスとの互換性を突き詰めており、頭部や尻尾、各種武装が取り外し可能なほか、これらのパーツのジョイントがブロックスと同じ5ミリ系ジョイントで統一されている為、手軽にカスタマイズを楽しむ事ができる。
サビンガ
分離されたワイツタイガーの片割れの内、サブ機と言えるモモンガ/ムササビ型ブロックスゾイド(頭部の換装によりモモンガ又はムササビ型に変更可能)。
サビンガのパーツがワイツウルフと合体する事によって、「白の核」のパワーが開放される。
ただし、火器の類は一切装備されておらず、用途も主に偵察などがメインなので戦闘に用いるにはいささか不安の残る機体である。
また、パラブレードのパッケージ裏面では2機のサビンガが確認されており、ワンオフ機ではなく量産機である事が伺える。
なお、人工ゾイドであるブロックスは陸海空の三種類のコア(と万能大型可変コアTB8)しか存在せず、前述の「野生体を模さないと云々」といった問題は存在しない。
バトルストーリーでの活躍
ZOITEC社が保有する古代虎型ゾイドのノウハウを欲していた軍事企業Zi-ARMS社は、ZOITEC社長を誘拐するべくデスレイザーを向かわせる。
迎撃に出たワイツウルフはデスレイザーとパラブレードの合体形態デカルトドラゴンに苦戦を強いられるも、自らもサビンガと合体する事でその圧倒的な力を開放させた。
しかしデカルトドラゴンを捻じ伏せる事には成功するものの、白の核から発せられる膨大なエネルギーに機体が耐えられなくなり、内部から融解し戦闘不能となってしまう。
結果としてZOITECの社長はデスレイザーによって連れ去られてしまった。
社長救出作戦には「蒼の核」を持つ第2の古代虎型ゾイド・レイズタイガーが選ばれ、ワイツタイガーも修復が不完全な状態でZi-ARMSのメガデスザウラーとの決戦に駆けつけている。
バリエーション
イミテイト以外は機体説明などに古代虎に関する記述が一切ないため、オリジナルとの関係は不明。
ワイツタイガーイミテイト
古代虎の核を用いない代わりに通常の虎型ゾイドの核を流用した試験機で、黄色やオレンジ等の暖色系のカラーリングでまとめられているが、外見や装備はほぼ同じ。
ワイツウルフとサビンガとの合体システムをテストする為に製作された機体で「猛虎」の異名を持ち、「白虎」ワイツタイガーの影武者として活躍する。
キットは2004年にイベント限定品として発売されたタイプで、サビンガとのセット品となっている。カラーリングが通常版と異なる以外は仕様に変更点ない。
ソードウルフ
アニメ『機獣創世記ゾイドジェネシス』に登場するオオカミ型ゾイド。
頭部の装甲パーツと、ダブルハックソードという接近戦用武装パーツを追加した赤いワイツウルフで、後にバイオクラシャーと呼ばれる巨大なソード型武装パーツを装備する事でソードウルフクラッシャーに強化された。
キットにはワイツタイガー用のランナーが残されているので、ワイツウルフとして組んだりサビンガと合体させてワイツタイガーに組み替える事も可能。(要塗装)
アニメでの活躍
元キダ藩藩主であり、熟練のゾイド乗りでもあるラ・カンが駆るオオカミ型ゾイドとして登場し、非常に素早い動きで序盤はバイオラプターを次々と撃破しては熟練者搭乗のゾイドとして印象付けていたが、中盤で対峙するバイオトリケラには何度も苦戦を強いられ、ストーリーの流れとは言えルージ一行のやられ役(狼なのにかませ犬)にされてしまった。
しかし、バイオクラッシャーを装備してからは剣から放たれる衝撃波で接近戦以外でもバイオゾイドを撃破する事が可能になり、最終決戦では(一瞬だが)名誉挽回の大活躍を果たす。
エナジーライガーよろしく機体側面に砲撃装備を搭載しており、アニメ作中ではエネルギーバルカン的な描写がされていた(使用回数は一度のみ)。なお、当作品では砲撃装備の本来の仕様からの大幅な変更や完全な未使用または一度のみの使用、設定にはない謎武器の存在が目立つ。
レッズウルフ
電撃ホビーマガジンにて連載されていたライトノベル『ゾイドジェネレイションズ』に登場するオオカミ型ゾイド。
本編の特撮写真用のプロップモデルとしてワイツウルフを改造したキットが存在し、キャノピーはクリアイエロー・装甲は朱色に変更されている。
足はタイガー用のパーツを使用し、脚部は力強さを出す為に太めに改造され、最大の特徴である抜刀システム及びカヅチを左肩に搭載している。
劇中での活躍
ナカト国遊撃隊の隊長、ジンが操縦するオオカミ型ゾイド。
ワイツウルフの1体だが、そのサイズは平均して一回り大きく、群れで行動するオオカミ型としては珍しく単独行動を好む(アーバインのコマンドウルフを彷彿とさせてはいる)。
文字通り「一匹狼」で強制されるのを嫌うが、ジンにねじ伏せられてからは彼の愛機となり、サイズ通りの力強さと強靭さとその重量に似合わぬ俊敏さ、そしてメタルZi製の武器「カヅチ」を駆使してバイオゾイドを次々と撃破していく。
ちなみに本来の装甲は白だが、ジンによって朱色に変更され、彼の父親の愛機であったコマンドウルフの名前を付けられている。
レッズタイガー
レッズウルフのパワーアップ形態と呼べる虎型ゾイド。
特撮写真用プロップモデルはレッズウルフに朱色の塗装を施し、ワイツタイガー用のパーツを付けた朱色のカヅチ搭載のワイツタイガーだが、爪を銀に塗装したり背中のウイングスラッシャーの付け方を微妙に変えているなどの変更点がある。
後にポップアップキットが限定販売されており、カヅチも付属し抜刀も可能になっている。
劇中での活躍
ジンの愛機であるレッズウルフのパワーアップ形態として登場。
外見上はワイツタイガーとほぼ同等だが、サビンガとの合体ではなくレッズウルフが単体で変身する物であり、ゾイド乗りとゾイドが高いレベルで同調しないと変身できない。
両者、特にゾイドのコアに多大な負担をかける為に重要な局面でない限りこの形態が使われる事はないが、レッズウルフと比較するとその能力は大幅にアップしており、その戦闘能力は絶大となる。
なお、小型のエレクトロンドライバーと思わしき武装も追加されている。