曖昧さ回避
- 平安時代前期の僧侶。ここで記述する。
- しゅごキャラ!の登場人物。→相馬空海
- 烈火の炎の登場人物。→空海(烈火の炎)
- キングダムハーツのカップリング。→ソラカイ
- 「食うかい?」とかけたダジャレ。pixivでは『魔法少女まどか☆マギカ』の佐倉杏子の台詞で急増した。
空海
弘法大師(こうぼうだいし)の号でも知られる真言宗の開祖。
讃岐(香川県)の生まれ、俗名は佐伯 眞魚(さえき の まお(まな))。都の大学で学んだ後に出家。
この頃は、政治と宗教が密接に成り過ぎて、僧侶による朝廷内で汚職や権限の乱用が発生するなど、仏教の権限が失墜を始めていた頃であり、状況を憂いていた彼は天台宗開祖最澄(伝教大師)と共に、唐(中国)へ渡り、日本に真言密教をもたらした。和歌山の高野山金剛峯寺や京都の東寺を開き、真言宗を大成して布教に努めた。
嵯峨天皇・橘逸勢と並び、三筆の一人に数えられる能書家であり、「弘法も筆の誤り」、「弘法筆を選ばず」などの諺の元にもなっている。実際にはちゃんと筆を選んでいたらしい。
また、空海が訪れたという伝承が各地に存在し、とくに四国に数多く残っている。超人的伝説も多い。
風呂敷や讃岐うどんを発明した、いろは歌の考案者である、日本に衆道を伝えた等々、真偽不明の伝説からあからさまに嘘の話まで流布している。
一人の人間が為すにはあまりにも多すぎるため、元祖がわからないものをとりあえず空海が考案したとしていることも多い。
十住心論
空海の代表的な著述書の一つで、正確には『秘密曼陀羅十住心論』と言われ、830年頃に淳和天皇の勅に応え、真言密教の体系を述べた書物で、『三論宗』『法相宗』『華厳宗』『律宗』『天台宗』『真言宗』の六宗から出された、各宗の教義解説書である『天長六本宗書』の一つに数えられている。
人間の精神と思想の発展段階を十段階で表しており、最下層の『異生羝羊住心(いしょうていようじゅうしん)』は「煩悩にまみれた心」という意味で、『獣(恐らく畜生)』を指している。
余談だが、その上の『愚童持斎住心(ぐどうじさいじゅうしん)』は孔子の『儒教』における思想の境地を指し、更に一つ上の『嬰童無畏住心(ようどうむいじゅうしん)』は、老子と荘子の『老荘思想』の境地のことである。
1 | 異生羝羊住心 | 人間以前、倫理道徳以前の状態 |
---|---|---|
2 | 愚童持斎住心 | 倫理に目覚めた段階の心の状態 |
3 | 嬰童無畏住心 | 世間の苦しみを知らず安らかな状態 |
4 | 唯蘊無我住心 | 宗教的認識の第一段階の心 |
5 | 抜業因種住心 | 法則を知り、迷いの元、業の原因、種子を抜く境地 |
6 | 他縁大乗住心 | 大乗仏教の最初の段階 |
7 | 覚心不生住心 | 空寂の自由の境地 |
8 | 一通無為住心 | 法華・天台の境地 |
9 | 極無自性住心 | 華厳宗の心の段階 |
10 | 秘密荘厳住心 | 真言秘密の境地 |