概要
TV特撮作品の『帰ってきたウルトラマン』の第35話「残酷!光怪獣プリズマ」に登場する「怪獣」。
それまでに登場した、生物的かつ戦う意思がはっきりしている「怪獣」と違い、無機質な外見で、何を考えているか分からないなど、異質な存在となっている。
上記に加え、後述の通りウルトラマンを大苦戦させるなど、見た者に強烈な印象を残した。
平成になっても、ウルトラマンの映画版にも合体怪獣の一部として登場し、また、ウルトラマンとセットでフィギュア化もされている。
以下、作品の内容の詳しい説明をしているので、まだ見ていない方は閲覧注意。
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特徴
体長:35m。
体重:1万8千トン。
硬い「体」(物質にまで圧縮された光の塊)を持ち、中央の丸く盛り上がった部分から「プリズ魔光線」(結晶化光線)を放つ。
光線を浴びた物体や人間は、結晶体に変化させられ、吸収されるか最終的に消滅してしまう。つまり、助からない。劇中では部分的に結晶化しながら生還した外国人が病衣を残して消滅している。
エネルギー源は、強い光。
弱点は、極度の低温。
出現は、夜間のみ。
この怪獣に襲われ、MATに救出された被害者は「白い悪魔」と呼称。
ウルトラマンとの戦い
初戦
- 硬い体がウルトラマンのチョップやキックを全く寄せ付けない。
- ジャンプしての攻撃もことごとくプリズ魔光線ではね返した。
- 逆に弱ったウルトラマンを、ビームで吸い寄せ、中央部分で高熱を出しウルトラマンの体を焼く。
- ウルトラマンにプリズ魔光線を浴びせ、異空間に閉じ込めようとする、
などなど、ウルトラマンの攻撃を寄せ付けなかった…。
が。夜明けの到来と共に消滅した…。
第二戦
MATの「フリーザー作戦」で、野球場に誘き寄せられ冷却弾を投下されたが、完全に倒すまでには至らなかった。
郷はウルトラマンに変身し、プリズ魔の体内へと入り込み、結晶化されながらも、中からスペシウム光線を浴びせ、ガラスのコップを冷やした後お湯を注ぐと割れるように、プリズ魔の体に急激な熱膨張を起こさせ、粉々に破壊した。
最終的にはウルトラマンが勝利したが、変身が解けた郷の口から「俺にとって…ぎりぎりの賭けだった」と言わしめるほどの大苦戦となった。
撮影秘話
意外なスタッフ
登場する第35話の脚本は、作中で坂田健を演じた岸田森がペンネーム「朱川審」で書いている。
岸田は他の円谷作品の『ファイヤーマン』でもシナリオを書いている。
岸田はジェームズ・グレアム・バラードのSF小説「結晶世界」にヒントを得たという。
ライバル?
ウルトラマンの攻撃を全く受け付けないなど強敵だったためか出演者自身印象に強く残ったようで、ウルトラマンのスーツアクターの菊池英一の著作『ウルトラマンダンディー』でも、郷秀樹役の団次郎(現在は団時朗)との対談ページで、話題に上っている。
ウルトラマン感電
ウルトラマンとプリズ魔との戦闘シーンの撮影はプールで行われたが、水に浸かった照明の電源コードが絶縁不良で、スーツアクターの菊池英一が感電してしまった。
この時、踊りを踊っているようにしか見えず、監督から怒られてしまったという。
プリズ魔の中の人?
怪獣側のスーツアクターだった菊池英一の後輩である遠矢信孝は、プリズ魔を裏から押すだけで、いつもと同じギャラをもらえたため申し訳なかったと感じたという。
ウルトラマンの結晶化
プリズ魔の体内に入り込むも結晶化されそうになるウルトラマンの体を表現するには、雲母を大量に貼り付けた。
余談
- 漫画キン肉マンに、やはり光を武器とする超人プリズマンが登場しているが、デザイン的には三角・四角形基調かつ一応人型であり、五角・六角形基調かつ生物感の無いプリズ魔とは見た目の印象がかなり異なる。また、プリズマンが人間には直接被害を及ぼさないのに対し、プリズ魔は人間喰いまくりというのも大きな相違点。
- 2015年時点では擬人化計画の対象に入っていない。いくらプリズマとは言えどこう↓はならない…はずなのだが、向こうの世界には「光の国の住人でようやく倒せるレベル」の水晶っぽい怪物が存在しているとかで…。
- 新世紀エヴァンゲリオンに登場する使徒にラミエルという使徒がいる。
見た目は正八面体の水晶のような形をしており、結構プリズ魔と似ている。
それもそのはず、ラミエルはプリズ魔をモデルにした使徒であり、効果音もプリズ魔と同じである。
ウルトラマンでも強敵だったプリズ魔をモデルにしただけあり、ラミエルも初号機を撃破寸前まで追い詰めた強力な使徒として登場している
- 『ウルトラマンオーブ 完全超全集』収録のウルトラマンオーブクロニクルのエピソード5「ルサールカより愛をこめて」に登場。ルサールカに出現し、ナターシャの住んでいた村を襲うが超コッヴとの戦いで記憶を失っていたガイが変身したオーブと交戦、そしてそうする内に記憶を取り戻したオーブを吸い込むも内部から粉砕された。だがガイは体力を激しく消耗する。そしてその様子を物陰から見ていたジャグラーはプリズ魔のカードを入手し、それを含む3枚の光属性の怪獣カードを恐るべき事に使用した。
- 『ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』の脚本では、次元トンネルでの戦闘シーンにてプロットの「エネルギー生命体」から発展してプリズ魔の登場が予定されていたが、最終的にニセウルトラ兄弟(SRチーム)に変更された。