曖昧さ回避
一般名詞としては→磯波へ。
モチーフとなった実艦は→磯波(駆逐艦)へ。
図鑑データ
「あ、あの…磯波と申します。よろしくお願いいたします。」
概要なんですね…うぅ…が、頑張ります!
『艦隊これくしょん』稼働当初から登場していた駆逐艦娘の一人。
いわゆる「コモン艦」であり、遭遇難度は非常に低い。反面、性能は「特長がないのが特徴」といったところで、プレイヤーの好みでない限り育てる必要性の低い艦娘である。
それだけならば、正直言って駆逐艦娘の多くに当てはまる特徴なのであるが、磯波の場合、これから述べる諸条件が重なった結果「艦娘の中で最も影が薄い」と言われるまでになってしまっている。
余談だが、実艦は当初「第43号駆逐艦」と呼ばれていた。また、竣工が特型駆逐艦で最も早い(1番艦・吹雪より41日早く生まれている)。
容姿…あ、あの…恥ずかしいです……
吹雪型標準の青いセーラー服に、背中に煙突型の艤装。右手には肩紐付きの連装砲を持ち、両ふくらはぎには三連装魚雷発射管を備え付けると、至ってオーソドックスな出で立ちをしている。つまり、外観上の差別化が困難なのだ。
矛盾するようだが、この制服選定、地味にかなりの曲者だったりする。
史実の吹雪型は、1~4番艦が「雪」、5~8番艦が「雲」、9~12番艦が「波」……といった具合に、4隻ごとに命名法則を変えながら、グループ毎に共通性を持たせた艦名を付けていったという特徴があった。
艦これでは、その点を強調するため、概ね4人ごとにキャラクターデザインを変化させており、事実5番艦・叢雲は上4人の姉とは全く異なる風貌をしている。
この法則に則れば、9番艦磯波は下3人の妹と1つのグループを形成できたはずなのだが、そうはならなかった。
吹雪型のもう一つの特徴として、増備途中で数度の設計変更が行われたという史実があり、11番艦以降は俗に「綾波型」と呼ばれるマイナーチェンジ艦となっている。その反映を優先する形で、11番艦・綾波および12番艦・敷波の両名は黒ベースの別制服で登場してしまっており、行動も2人だけで取る事が多いと、彼女の属する「波」グループでは統一感が度外視されている(※)からである。
加えて、磯波の相方となるべき10番艦・浦波の登場は大幅に遅れた2016年9月。史実では2度も衝突事故を起こした事もある深い関係だったのだが、不在とあってはネタにもできず、さりとて格好の同じ「雪」グループとはむしろ叢雲の方が関係の深い始末(※)と、言わば史実とゲーム設定の悪い所取りをする形で浮いた存在になってしまっているのである。
※:一応、磯波と綾波・敷波の絵師は同じしばふ氏であり、一定の連続性は感じられるように配慮されている。また、叢雲は僚艦が一切おらず、他に積極的に関わっていかないと完全にぼっちになってしまうという事情を抱えているとフォローしておく。
顔付きは八の字眉とタレ目で困ったように見える事がやや特徴的。
髪型は黒のセミロングを2本の三つ編みにまとめているのだが、ここにも不運があった。グラフィックの構図の関係で、1本と誤認するプレイヤーが続出しているのである。
特に長姉の吹雪とはシルエットが酷似してしまっており、横並びにすると双子と見紛うほどである。
このためか、2015年東京ゲームショウのホームページに掲載された艦これのバナーにおいて、島風・翔鶴といった並み居るメジャー艦娘を抑えてセンターに磯波が立つという珍事が発生している。
当該バナーの作成経緯が不明であるため断定はできないものの、過去の慣例から言えば、こうした場には主人公かつ吹雪型ネームシップである吹雪が立つ事が一般的であり、事実別のバナーではそのようになっていて磯波の姿は無い事から、本気で取り違えられた可能性が高い。
その吹雪さえ主人公(笑)扱いするネタが存在していた事実を考えると、彼女以下の存在感である磯波がいかに空気であるかという事がお分かりいただけるだろう。
ようやく話題になったかと思えば、「名前の似たレア艦を磯波と取り違えて誤解体してしまった」という八つ当たりじみた報告だったり。当然磯波に非は無い。
挙句の果てに、個性付けしようと「吹雪型のエロ担当」などというわけのわからない二つ名で呼ぶ勢力さえ現れている。どこまでも不憫。
その為吹雪型標準のサイズと思われる胸部装甲も、pixivに於けるイラストでは大きめに描く絵師も存在する。
さらに姉妹艦に次々と限定グラや改二が実装される中、何故か彼女にはお呼びがかからず、ますます不憫さに磨きがかかっていた。
そして2017年9月12日、ようやく彼女にも限定グラ「観艦式mode」が実装された。
その出で立ちは、紺色の膝丈スカートと「iso5800」(「ISO」:カラー写真フィルムの感光度の規格)なる文字がプリントされた地味な白いTシャツを着て、カメラを持ちショルダーバッグを斜め掛けしただけの姿。
やっぱり不憫……かと思いきや、そうではなかった。手にしたそのカメラは、青葉ですら驚きそうなプロ向けのフラッグシップ機なのである。
(ゲーム中のイラストでは、日本光学機をベースに精機光学機の要素を合成した物と思われる)
従来の彼女のイメージを斜め上で突き抜けたカメラ女子ガチ勢っぷりが一部の提督の間で話題となり、新たに「ISO波」なる称号を得ることになった。
また、妹の浦波にも「観艦式mode」が実装、さらに直後に発売された娘type誌2017年11月号では、長女の吹雪とともに3人で表紙を飾るなど、これまでの扱いの酷さを考慮れば正に「大抜擢」と言っても過言ではないだろう。
しばらく性格を説明してもいいでしょうか…ぁ、いえっ、なんでもないです…
大人しく気弱で引っ込み思案と、自己主張も極端に弱い。
何についても遠慮がちで物事をはっきりと言わず、会話もどもる事が多い。
また線も細いようで、戦闘時には発言の大半が悲鳴になる。
公式4コマでは、潜水艦に撃沈された史実から潜水艦トラウマ組の1人として描かれている。
その深刻さはまるゆを見ただけで悲鳴を上げて逃げ出すほど。トラウマ組の筆頭格と言える存在である。史実で彼女を撃沈した米潜「トートグ」は磯波含め26隻の日本船籍船を撃沈しているアメリカ海軍随一の武勲艦なので仕方のない面はあるが。
とは言え、就寝中に3番艦・初雪が寝起きドッキリを仕掛けに来ただけで気絶した事もあるので、やはりかなり線が細いキャラとして描かれているようである。
なお、公式4コマ中では叢雲と同居しており、艦隊も「雪」グループの4人と混成で組む事としていると、一定の出番が確保できるように配慮されてはいる。
追加ボイスでは4番艦・深雪と相互に言及し合う様子が見られる。磯波は上記の事情から、深雪は実艦が極端に短命だった事情から、それぞれ他艦との関係が希薄になりがちな艦娘であり、こうした繋がりが公式に描かれた事は素直に嬉しい。
なお、史実では一時的に吹雪および6番艦「東雲(未実装)」と「第二十駆逐隊」を組成した事があったほか、太平洋戦争中に2番艦・白雪や3番艦・初雪と行動を共にしていた時期もあったので、「雪」グループと全くの無縁というわけでもなかったりする。
余談だが、彼女の発言の中に有給休暇の存在を示唆するものがあり、世界観の考察に一役買っていたりもする。ただし、本人は自ら取り下げるセルフブラック鎮守府状態であるが…
努力すれば、やれるんですね!うれしいです。
到底戦闘に向いた性格とは言えない彼女は、史実での戦績もこれと言って無く、その方面からも話題に上りにくい。艦これでは、改二の基準等にそうしたエピソードを参照する事が多いため、自然と立場の改善も絶望視されている。
もっとも、彼女自身は「頑張る」という言葉を多用する努力家であり、決して卑屈なわけではない。出撃時には気弱ながら小さな勇気を奮い立たせて戦場に向かうし、MVPを獲得すると自分の努力が戦果に繋がったことを実感して、控え目に喜んでいる。
そもそも、実艦の「磯波」は主に海上護衛や哨戒活動に従事していた艦艇であり、元々前線で殴り合うタイプではなかったのである。潜水艦をはじめ様々なものを恐れるのも、戦線と共に海上輸送を崩壊させてきた旧軍の歴史に照らせば当たり前の話であり、彼女を責めるべきではない。
むしろ、日中戦争から太平洋戦争半ばまでの諸作戦に参加し、多くの乗員を生還させてきた事実から、実力は高いとも言える。後方支援をバカにしてはならない。
こうした事から、数合わせのつもりで磯波を育てたプレイヤーがそのままファンになるといったケースはそれなりにあり、彼らの地道な布教活動によって少しずつではあるが人気が高まりつつある。
華は無く、主役を張る機会も少ないかもしれないが、自分の役割はしっかりとこなす名脇役。それが彼女らしさという事なのだろう。
あ、新しい関連イラストが来たようです。
提督?関連タグがあるみたいです。
第十九駆逐隊:浦波(艦隊これくしょん)、綾波(艦隊これくしょん)・敷波(綾波型)
ふぶいそ:ネームシップである吹雪とのコンビ・カップリングタグ。