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概要編集

逆転検事』第2話『逆転エアライン』に登場する大手の航空会社。『逆転』シリーズのお馴染みの架空の国々(『西鳳民国』『ボルジニア共和国』等)と日本を往来する多くの人で連日賑わっている。現在『国際警察』『日本警察庁』そして御剣怜侍が検事として所属する『地方検察局』からは「国際的な密輸組織の一員に潜伏先・活動拠点として利用されている」という疑惑の目を向けられており、捜査の対象となっている。『逆転エアライン』では「上記の各機関から捜査目的で派遣された面々による活動」が描かれた。


関係者編集

川崎剛勇編集

創業者。『ゴーユーエアライン』の社名は川崎の名前に由来する。薄毛頭、眼鏡、長い口髭と顎髭が特徴的なスーツ姿の男性。機内にはクラーク博士ことウィリアム・スミス・クラークを思わせる佇まいの『川崎の銅像』が「40歳時と80歳時の2種類」設置されているが、何故か2種類共、外見に一切変化が見られない。『ゴーユーエアライン』の関連施設では、置き物を筆頭に「川崎をモチーフにした数種類のグッズ」も販売されている。名前と銅像のみの登場なので、明確な人物像は不明だが、本編の時点では「川崎剛勇、ここに眠る」と記された文献も見られる事から「既に故人」とされる。名前からして「豪遊好きの豪快な男性」と思われる。


機長編集

本社で運用される、航空機の機長の1人を務める男性。本名不明。本編に登場するのは下記のCA「木之路いちる白音若菜の直属の上司に当たる機長」のみである。彼本人が作中で姿を見せる事は無く、関係者の台詞から断片的な実態が語られるに留まる。銅像を通じて容姿が判明しているが、人物像が謎に包まれている創業者・川崎とは逆に、容姿に関する描写は皆無の反面、人物像に関連する情報は幾つかあり、代表的なものでは「若菜とは愛人関係にある為、彼女に過度の優遇措置を施している説」が挙げられる。若菜の勤務面における怠惰の数々を全面的に黙認しており、これが前述の説の根拠の1つとして扱われている。少なくとも社内屈指の語学力を誇る彼女を重宝し、お気に入りの部下として扱っているのは確かである。


センシティブな作品

木之路いちる(画像左)編集

上記の機長の直属の部下に当たるCA。黒髪をシニヨンにして纏めている、高身長のスレンダー美人。「謹厳実直」を絵に描いた様な性格の女性で、接客態度こそ真面目で礼儀正しいものの、敬語の使い方がぎこちなかったり、お辞儀の角度も最敬礼の45度より深かったりと、些か丁寧過ぎる一面も見せる。いつでも何事に対しても真剣に取り組み、懸命な努力を欠かさない長所の持ち主だが、不器用な面を併せ持ち、努力や熱意、周囲の人々への気遣いが空回りする事も珍しくない。規則を一から十まで守る事を心懸ける勤勉な女性だが、同僚の若菜にはその生真面目ぶりに付け込まれ、仕事は当然としてCAルームの片付け等の雑用まで押し付けられる事も多い。若菜の不始末を見かねて、いちるが自発的にフォローに回る時すらある。この様な苦労を若菜がいちるに背負わせているのに加えて「元から2人の人間性が正反対である事が原因」で同僚との仲は余り良くない。


最近では上司に命じられて『ゴーユーエアライン』のオリジナルグッズのデザインを担当するも、彼女の独特の画力とセンスによって「サイケデリックな絵柄と色合いのスーツケース」に仕上がってしまった。12万円と異常に高額で目に痛いデザインが災いして、スーツケースは大不評で大量の在庫を抱えてしまっている。当然ながらスーツケースの売れ残りは会社全体は勿論、いちる本人にとっても目下の最大の悩みとなっている。作中では「この航空会社に潜んでいるとされる密輸組織の捜査」で現地を訪れていた検事・御剣にも、何とかしてスーツケースを売り付けようと試行錯誤する彼女の姿が見られる。


白音若菜(画像中央)編集

いちるのビジネスパートナーのCAで、彼女とは何から何まで正反対の女性。茶髪のスーパーロングヘアを無造作に下ろした、巨乳美脚を兼ね備えるグラマーな低身長美女。人目を気にしないマイペースな性格と怠惰な精神の持ち主で、勤務態度も生活態度も実にだらしない。規則を必ず守る働き者のいちるとは真逆に、規則破りの常習犯の怠け者で、頻繁に欠伸や居眠りをしている。制服の着用もいい加減で、目のやり場に困る程に胸と太腿が露出している。規則正しく制服を着用している相方いちると比較すると、如何に若菜が淫らな格好になっているか、よく解る。総括的かつ好意的に見て、ファーストクラスのCAらしく「海外セレブ系の色香を醸し出している」と言えなくもないが。


堅物なので少しばかり近寄り難いいちるとは対照的に、常にぐうたらな性分を隠そうともしない、緩い雰囲気を漂わせている分「若菜の方が取っ付き易い」と感じる人々も一定数いる。一見無能にも見えるが、実は語学が堪能という大きな強味を持ち、主に「海外からの旅行客の対応、外国語の書類の作成や整理」を任されている。『ボルジニア共和国』の留学経験者で「作中に登場する機内グループでは、ボルジニア語が読める唯一のメンバー」でもある。「語学に長ける自分にしか出来ない仕事」には熱心に取り組む反面「他人にも出来るそれ以外の仕事」はサボりがちの傾向にある。



マスコットキャラクター編集

ゴーユーくん(画像右)編集

『ゴーユーエアライン』のマスコットキャラクター。茶色いスローロリスがモデルで、パイロットと同じ紺色の帽子を被っているのが特徴。上記のイラストでは若菜の隣でポーズを取っている。創業者・川崎と並んで『ゴーユーエアライン』の関連施設では、モチーフとされた多種多様な関連グッズが好評発売中である。キュートで小柄な動物キャラなだけに、川崎をモチーフとしたグッズよりも、ゴーユーくんをモチーフとしたグッズの方が売れ行きが良い模様。ゴーユーくんは架空の存在なので、本人の身に何かが起きる訳ではないのだが、何故か作中では「幾つかの関連グッズ」が酷い目に遭わされている。若菜は目玉商品の1つである『ゴーユーくんの縫いぐるみ』を常に持ち歩いているが、彼女の目的は「苛立ちを覚えた時のストレス解消」であり、その時が来る度に頭や両手を引っ張る等して八つ当たりする。『国際警察』の捜査官アクビー・ヒックスが殺害された事件の際には、真犯人が転落死した被害者の死因を「鈍器での撲殺」と偽装するべく、偽物の凶器として『ゴーユーくんの貯金箱』が利用される一幕もあった。


極め付けはゴーユーくんグッズの新商品『ゴーユーエアライン・オリジナルスーツケース』の扱いである。これは前述の通りいちるがデザインを担当したのだが、彼女の独特な画力とセンスが災いして「サイケデリックな絵柄と色合いを持ち併せる商品」と化した。全体が黄色い背景の左上には、プレゼントの様に巻かれたピンクのリボンが描かれ、複数の黄緑色のゴーユーくんの顔が浮かんでおり、下部には社名『GOYOU』が黄緑色の文字で書かれているという、何とも毒々しい見た目の代物となっている。おまけに12万円と無駄に高価格なのも相まって、ゴーユーくんグッズの中では例外的に売り上げが低迷している。不幸な事にこのスーツケースまでもが「アクビー殺害事件での真犯人による偽装工作」に悪用されてしまい、売れ残りのスーツケースの1台にアクビーの遺体が一時的に収容される羽目になった。


事件解決後、世間からの評価が一転したスーツケースは「有名な事件のキーアイテム」と高評価される様になり、ネットを通じて芸術家や好事家の目にも留まり『ゴーユーエアライン』を代表する大ヒット商品へと変貌した。いちるは「事件を解決してくれたお礼」として、御剣に1台のスーツケースを贈ったが、このスーツケースは第3話『さらわれる逆転』にて「誘拐犯に譲渡する身代金の収納用具」にされるという、またしても酷い扱いを受けてしまった。


関連タグ編集

逆転検事


木之路いちる

白音若菜


※この先ネタバレあり※









航空会社に潜む者達編集

密輸犯の幹部と司法機関の面々(『逆転検事』第2話『逆転エアライン』)編集

数年前から『国際警察』とその加盟国一同は、国際的な密輸組織の捜査に当たっていた。世界各国の司法機関の長年に渡る努力が実を結び、ついに密輸組織の幹部の1人の潜伏先の特定にまで成功した。そこは『ゴーユー・エアライン』という日本屈指の大手航空会社であった。密輸組織の幹部は本社に送り込まれたスパイで、正社員に成り済まして組織の犯行に協力する罪を重ねていた。この情報をいち早く掴んだ『国際警察』からは捜査官・狼士龍とアクビー・ヒックス、日本の『地方検事局』からは検事・御剣怜侍が派遣されて現地調査を行った。この中ではアクビーが真っ先に「犯人が所属する航空機の貨物倉庫の一室には、密輸品や関連品が保管されている事実」に気付いて、密輸の証拠品を押収するべく貨物倉庫へと向かおうとする。そこでアクビーが機内の案内を依頼した相手が、本社のCAである白音若菜だった。


しかし若菜の正体こそが「密輸組織の幹部」だった事が、文字通りアクビーの命取りとなってしまう。語学に長ける彼女は数年前、組織から『ゴーユーエアライン』に送り込まれたスパイにして、CAの立場を利用して密輸品に関する書類の改竄や偽造を担っていた。完全な裏方の仕事を専門とする立場であっただけに、これまで1度たりとも追跡者とは遭遇した経験を持たない若菜は「国際捜査官アクビーの登場」に激しく動揺する。取り敢えず反抗しては疑われると憂慮し、暫くはアクビーの依頼を聞き入れた振りをするのが得策と決めた若菜は、彼の要求に従って貨物倉庫へと案内する。倉庫の出入口には倉庫全体を眺められる、大きな階段が設置されていた。出入口の階段の最上部に立ったアクビーは手持ちの携帯で「倉庫の各所の撮影」を開始し、証拠品を差し押さえる準備を進め出した。この光景を彼の間近から見ていた若菜は「私の逮捕へのカウントダウンが始まった」と震え上がり、恐怖感と焦燥感が限界に達した彼女は保身目的で、撮影に夢中のアクビーを階段から突き落として殺害してしまう。突発的かつ衝動的な殺人だったものの、若菜は事後処理では「冷静な知能犯の本領」を発揮して狡猾に立ち回る。

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