人物
本作の主人公。ヒーローときどきヒロイン。
サーヴェル辺境伯(爵位は侯爵)の令嬢。
1度目の人生ではクレイトス王太子の婚約者だった。隊を率いて戦場を駆け抜け、「軍神令嬢」と称された。
物語冒頭、王太子の秘密を知ってしまい黒い槍に貫かれ処刑されたところで時間が巻き戻り16歳→10歳に逆行する。原作最新刊時点では12歳。
死の未来を回避するために咄嗟に隣国の皇帝にして前世最大の敵である竜帝ハディス・テオス・ラーヴェに求婚、その後のすったもんだにより求婚した皇帝を生涯をかけて更生ーーー幸せにすることを誓う。
性格は天真爛漫で猪突猛進。非常に強い魔力と1回目の人生で戦場を駆け回った経験(あとは実家であるサーヴェル家の特殊な方針)によりすさまじく強い。可愛らしいものが好きな女の子らしい一面もあるが戦場と聞くと合理主義者に変貌する根っからの軍人気質。
「魔力は筋力」「強いが正義」のサーヴェル家家訓の影響で脳筋だが、こと戦闘においては頭の回転は早く、おそろしく勘も回るため戦場での能力はもはやバトル漫画のキャラかって程にピカイチ。
しかも公式も悪ノリしてか、アニメ第7話の予告ではジルのとんでもない強さや大暴れっぷりが話題になっている中で、ハディスから「もしかして、バトル漫画の主人公の方が向いてるんじゃあ…」と引き気味に言われたり、ラーヴェからは「ハハハハハ。嬢ちゃんなら超高速パンチを、シュババババーッて打てそうだよな~」と言われては本人も「打てますよ!」と肯定しては早口で説明?をする始末。しかもハディスが次回(第7話)のサブタイトルを告げた直後、ラーヴェの「これが戦闘民族」で締めている…という始末である。
しかしながらおいしい食べ物に弱い。とても弱い。なんならハディスと結婚を決めたのはケーキである。(もちろんそれだけではないが)
性格がとってもイケメンなので本作ではしばしば?ヒロインであるジルとヒーローであるハディスの立ち位置が逆転する。
2回目の人生では前世の経験を生かし、ハディスを幸せにすること、また嫁いだラーヴェ帝国と故国クレイトス王国(神話から続く仮想敵国)の戦争回避のために奔走している。
強さの秘密 *ネタバレ注意
たびたび発揮されるジルの圧倒的な強さにはおおまかに以下二つの理由がある。
①サーヴェル家の特殊な方針
ジルの生家サーヴェル家はクレイトス王国の国境一帯を領として持つ、いわゆる「辺境伯」である。クレイトス王家に古くから仕えるれっきとした大貴族であるが、それ以上の通り名は「戦闘民族」。この一族の者は皆、魔力が非常に多く、圧倒的な強さを持つ。ラーヴェ帝国では複数の公爵家が連携して行う国境防衛だが、クレイトスの国境防衛はサーヴェル家のたった一家のみ。正真正銘の「化け物一族」であり、本家のサーヴェル一族だけでなく領民全体が馬鹿強い。王国内でも扱いは「竜討伐の英雄」「国境の守り人」「ラキアの悪魔」というものになっている。なお政治力を筋力に全振りしているために、歴史の割に豊かではない。
そもそもサーヴェル家はもともとラキア山脈周辺を拠点にしていた蛮族であり、女神クレイトスが大地の加護によってまずしいラキア山脈に食べ物がとれるようにしてくれた礼として女神軍に加わったという経緯がある。
その性質は脈々と受け継がれており家訓は「強いが正義」。訓練された人間でなければ最悪窒息死するほど過酷なラキア山脈中腹に本拠を構え日々肉体を鍛え上げている。
訓練内容は「戦場の方がマシ」と評されるほど過酷で非人道的。5歳児が行う訓練でさえ普通の人間は死ぬ。8歳になると傭兵をしながらクレイトス王国を一周する武者修行がある。
クレイトス王国において、強大な魔力の使い道といえばまず魔術であるが、この一族の者は主に肉体強化として魔力を扱う。(筋力を強化したり攻撃の威力をあげたり空を飛んだりと用途はさまざまであるが)
サーヴェル家にとって魔力は筋力。竜ごとき、殴って落とせて一人前だ。本家の人間ならば10歳ほどで単独で竜を撃墜できる。当主にいたっては単独で竜騎士団を壊滅できる実力を持つ。なお竜は最下位の緑竜でさえ複数人がかりで死を覚悟するほど強い。サーヴェル家の異常性がよくわかる。
②軍神令嬢時代の経験
ジルは花嫁修業が向いていなかったため、士官学校に入り軍人として常に戦場の最前線を駆け抜けてきた。ジルを隊長とする王太子直属遊撃部隊「サーヴェル隊」は、副官にして軍師ロレンス・マートンや主戦力であるカミラ・ジークを始めとした王国でも屈指の先鋭部隊であり、サーヴェル式・地獄の訓練を乗り越え数々の修羅場を経験し、ありとあらゆる策を講じて竜帝からも逃げ延びてきた実力者の集まりである。特に、ジルは初恋の人のために青春全部投げ捨てて戦ってきたため戦場での経験は豊富であり頭も勘も回る。「軍神令嬢」という二つ名のとおり、まさしく軍神の如き活躍をしていた。その時の経験がやり直し後のジルの礎になっている。
関連タグ
鬼軍曹:本編でそう呼ばれたと本人が語っている
戦闘民族:色んな意味でまさにこれ。
孫悟空(ミニ):同時期にテレビアニメ新シリーズがスタートした、世界的人気を誇るバトル&アドベンチャー作品のお馴染みの主人公。こちらも(過去作でもだが)気が付いたら子供に戻ってしまっているが、それでもこれまでの数々の修行と戦いの経験からか敵集団を蹴散らしたり、仲間に助言をしたり、(普段は黒髪だが変身すると)金髪といった点が共通したりしている。また、ジルが本編でが大暴れする様が度々『ドラゴンボール』とネット民などに引き合いに出されている為、猶更である。ちなみに悟空も後の時系列の作品及びエピソードにて、ある神(それも破壊神)を相手に戦っている。