概要
永瀬さらさによる日本のライトノベル。イラストは藤未都也が担当。2019年11月から小説家になろうにて連載開始。書籍版は角川ビーンズ文庫(KADOKAWA)にて2020年3月から刊行されている。
コミカライズは『月刊コンプエース』(KADOKAWA)にて、2020年9月号から連載。
作画:柚アンコ。なお、同誌で同じく永瀬さらさ氏の作品をコミカライズしていた。
あらすじ
婚約者の王太子から処刑を言い渡された令嬢・ジル。その死の間際に、婚約が決まった当時10歳のパーティーまで時が巻き戻る!破滅ルートを回避するべくとっさに後ろにいた人に求婚するが、相手は最大の敵、隣国の闇落ち(予定)皇帝・ハディスだった――。「あなたを必ず更生――いえ、しあわせにいたします」
主な登場人物
声の項はアニメ/ボイスドラマの担当声優。
原作1巻時点
ジル・サーヴェル(Jill Cervel)
やり直し前は強力な魔力を武器に戦場を駆け「軍神令嬢」と呼ばれていたサーヴェル辺境伯の令嬢。
王太子のとある秘密を知ってしまい、口封じに殺されかかるが気がつくと6年前まで時間が巻き戻っており、未来を変えるために咄嗟にハディスに求婚する。
身体年齢こそ10歳に戻ったが鍛えた魔力とそれによって強化された攻撃はたいていの成人男性をも圧倒し、なんなら竜を殴って落とし船(ワンピースのメリー号くらいのサイズ)まで投げる。そのせいか頭は悪くないが勢いと元気と攻撃力に頼って動きがちな傾向。
食べ物にとても弱い。
ハディス・テオス・ラーヴェ(Hadis Teos Rave)
ラーヴェ帝国皇帝。300年ぶりに現れた「竜帝」、竜神ラーヴェの生まれ変わりで器。
やり直し前は憎悪に塗れクレイトスのみならず自国の民すら虐殺する血塗られた狂気の皇帝だったのだが、6年前である現在のところは本の知識を真に受けて恋に恋するぴゅあな19歳。
ジルからの求婚を受けてそのままラーヴェ帝国に連れて帰ろうとする、10歳という年齢を「理想的」と宣うなど、問題行動が多め、ではあるが……?
毒殺対策で始めた自炊を趣味としており、その腕前は絶品。パンやケーキからポトフにシチュー、ローストビーフまでなんでも作れる。
竜神の生まれ変わりであるため魔力が非常に強く、また剣の腕もたつ。代わりに強すぎる魔力に身体が耐えられず病弱で、薬を飲まずに日に当たると目眩を起こして倒れる、緊張やショックで心臓が止まる(物理)なども。
竜神ラーヴェ
声 - 井澤詩織
1300年前にプラティ大陸に降臨した理(ことわり)と天空の神。ラーヴェ帝国主神。現在では神格を落とし、魔力の強い人間にしか見えない、聞こえない存在となっている。(人間以外には見える)
また姿自体もだいぶん変わっているようで、最初は白銀の鱗に金の目を持つ神竜形態と美しい人間形態の2つを併せ持つ神であったが、現在は竜というよりは太めの蛇に翼と足が生えたような姿。肩乗りサイズ。
ハディスが戦う時には彼の武器「天剣」に変じる。
女神クレイトス
声‐後藤沙緒里
1300年前にプラティ大陸に降臨した愛と大地の女神。クレイトス王国主神。本来の姿は花冠を被った可憐で愛らしい乙女なのだが神格を落とし黒槍(女神の聖槍)の姿から戻れなくなった。竜帝に並々ならぬ執着を見せる。
ジェラルド・デア・クレイトス
声 - 土岐隼一
クレイトス王国王太子。やり直し前はジルの婚約者だったが、彼女に冤罪をかけ処刑しようとした。
やり直し後も婚約を申し込もうとしたところをジルに逃げられ、なぜかわざわざラーヴェ帝国まで追いかけてくる。
カミラ
声 - 日野まり
本名はカミロ(性別は男)ジークとは幼馴染。常識人保護者枠①
弓使い。ジルにとっては頼りになるお姉さんポジジョン。
ジーク
声 - 橘龍丸
カミラとは幼馴染。常識人保護者枠②
ジルを適度に子供扱いしつつカミラとともに問題行動の多いハディスを諫めている。大剣使い。
2人ともやり直し前(1回目)はジルの部下だった。ベイルブルグの無理心中の際にクレイトスに入国し、後にジルにスカウトされたらしい。
やり直し直後はラーヴェ帝国の水上都市ベイルブルクで北方師団の一員をしていたが、色々あって今回もジルの部下(竜妃の騎士)となることに。
スフィア・デ・ベイル
声 -貫井柚佳
ベイル侯爵令嬢。愛のない前妻の娘であるため父親に疎まれていた。竜に好かれやすい体質で、性格は極めて善良。のほほんとしているが淑女としては強い。
ソテー
ジルのペットのひよこ。断じて料理名ではない。調理法でもない。
訳あってラーヴェの血をついばんでしまったことがあり、そのせいかとてもニワトリとは思えない知能とパワーを持つ軍鶏(ぐんけい)に成長した。
ハディスぐま(くま陛下)
市販のくまのぬいぐるみをハディスがマントと王冠をつけた。竜神の血によって魔術を縫い付けるという魔改造をしたため、超ヤバい機能が付与された。ソテーとともに原作2巻にて大活躍する。
原作2巻
エリンツィア・テオス・ラーヴェ
声 -名塚佳織
ラーヴェ帝国第一皇女、ハディスの異母姉。三公が一角、ノイトラール公爵家の姫を母に持つ。ラーヴェ帝国一精強なノイトラール竜騎士団の団長も務める。性格は明るく快活。優しすぎると称されることもある。
リステアード・テオス・ラーヴェ
声 -古川慎
ラーヴェ帝国第二皇子、二か月先に生まれたのでハディスの異母兄。三公が一角、レールザッツ公爵家の姫を母に持つ。私設の竜騎士団(ワルキューレ竜騎士団)を率いている。性格は尊大だが実直で誠実、常識も良識もある人格者。
フェイリス・デア・クレイトス
声 -真野あゆみ
クレイトス第一王女でジェラルドの実妹。わずか8歳だが、そうと感じさせない落ち着きのある人物。ジルの前世での冤罪の罪状は彼女の毒殺未遂だった。亜麻色に蒼天の瞳を持つ美少女。やり直し前のジルとの関係性は良好だったが……
ロレンス・マートン
やり直し前、軍神令嬢と謳われていたジルの副官だった人物。頭の回転がとても早いので知略謀略戦略担当。カミラやジークとも同僚であった。爽やかで人当たりが良さそうであるが腹の底は決して悟らせないため、狸軍師と言われていた。性格は悪いが善人で紳士(ジル談)
2回目の人生ではラーヴェ帝国で再会した。
世界観 *ネタバレ注意
神が実在する世界。1300年前に「羽を広げた蝶のよう」と例えられ、神の背を意味するプラティ大陸に竜神ラーヴェと女神クレイトスが降臨。すでに人びとが文化を築いていた後だったので、ラーヴェ帝国・クレイトス王国建国の際には平定戦争が行われた。その建国に反対した人々の集団が今でも残っている。(方舟教団アルカ)
当初、両神は夫婦神になるはずであったが、「理で導くか・愛で守るか」と考え方が対立、決裂して両国建国に至る。最初に女神と竜神が袂を分かった激震地が現国境であるラキア山脈。
以後、竜神の末裔ラーヴェ皇族、女神の末裔クレイトス王族がそれぞれ国を治めている。たびたび両国は対立、戦争を繰り返しており、特に竜帝がいた時代では必ず戦争が起きている。
その因縁は現在まで続いており、両国の関係は神話の時代から1000年以上続く仮想敵国となっている。本編時間軸では休戦状態。
また、それぞれの国で民話という形で神話が残っている。ラーヴェ帝国に伝わっているものとクレイトス王国に伝わっているものでは内容に相違がみられる。(例:ラーヴェ帝国の大飢饉の際の話として、ラーヴェ側は「女神が大地を呪った」クレイトス側は「竜神が人間に罰を与えるために女神の祝福を拒んだ」になっている)
『ならばお前は理なき愛を生きていけ』
『ならばお前は愛なき理を生きていけ』
(原作小説5巻より引用)
アニメ
2023年4月28日、アニメ化されることが発表された。2024年10月から放送。
スタッフ
原作 - 永瀬さらさ
監督 - 鈴木健太郎
シリーズ構成 - イシノアツオ
キャラクターデザイン - 小松沙奈
アニメーション制作 - J.C.STAFF
製作 - 「やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中」製作委員会
外部リンク
関連タグ
やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中 ジル・サーヴェル ハディス・テオス・ラーヴェ
ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する:女性である主人公が死んだと思ったら時間が逆行して戻ってやり直す、今度の人生では前の時間軸では残虐な敵国の王族の男と婚約・婚姻関係になる事から始まる、主人公はかなりの実力者の騎士でもあった…など、実に似ている。
ティアムーン帝国物語:こちらも同じく、謎の死に戻り系やり直しサクセスストーリーであるが、割りとギャグ多め。主人公が前世で成人してから処刑されて死を迎えたはずが、気が付いたら子供時代に時間が戻り、破滅の運命を変えるべくあの手この手で奮闘する…といった似た点あり。
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました:同作者による作品。作者がおなじみため、展開が似ている。