2018年に大韓民国江原道平昌郡で2月9日から25日まで開催予定の第23回冬季五輪。
韓国では1988年のソウルオリンピック以来2度目のオリンピック開催となる。
概要
2011年7月6日のIOC総会で、フランスのアヌシー市、ドイツのミュンヘンと争い決定した。
なお、平昌は当初2014年の開催を目指していたがその時はソチに決選投票で破れている。
平昌はソウルの東にある地域で「市」ではなく「郡」であり、郡単位の開催は珍しい。
これに合わせKTXの新路線が作られる予定であった。
前回大会のソチオリンピックの閉会式でも平昌オリンピック組織委員会によるショーが行われ、会場を盛り上げた。また既に引退したメダリスト、キム・ヨナ等の有名人を広報大使に据えた。
問題点
平昌地区は積雪量が年々減少傾向にある地域であることが問題視されており、前回にあたるソチオリンピックに続き積雪確保対策に追われる見通しである。
積雪量が少ない割に風が強い現地の気候も厳しく、準備に当たっている外国人スタッフすら「目も開けられない」と評するほどの「カルパラム(韓国語で刃のような風という意味)」と呼ばれる寒い強風が吹き荒れている。
会期中のスキージャンプなどの開催が危ぶまれており、気温はマイナス10度を下回り、強風のため開会式1ヶ月前時点で-20度(体感気温は-30度)を記録。
韓国は経済危機から回復できていないためメイン会場であるリゾート地の経営母体にあたる公社が多額の負債を抱えるなど、経済的な問題や設備建設の問題も重くなっている。当初予定されていたKTXの路線新設はグダグダながらもどうにか実現したが、首都ソウルなどから遠い会場への観客の輸送や宿泊場所の確保なども未だ解決されていない。このように開会前から課題の多さが指摘されている。
また2014年に同国内で開催された仁川アジア大会の運営も非常にグダグダ極まるものであったことから韓国内メディアも手厳しい意見を述べるようになっている。例を挙げれば、大会中に聖火が消える、選手が台所に寝せられたなどである。
会場自体の工事も遅延が大きく、2015年春時点でスキージャンプのジャンプ台が国際スキー連盟(FIS)より安全上の重大な不備を指摘されており、アルペンスキー会場は絶滅危惧種の植物の生息域や民間人の住居と被ったために立ち退き交渉や反対運動への対応で予定から1年遅れで2016年のプレ大会直前に突貫工事を行う羽目になっている。また財政の悪化から業者への支払いが遅れ、記者会見に工事業者が乱入してリアルファイトが発生、スキーのプレ大会に参加した選手からもコースの状態の悪さに不満が噴出。
メインスタジアムに至っては開会まで1年半を切ってなお着工はおろか用地買収も完了していない惨状からどうにか突貫工事で形は整えた。
立地も元々スケトウダラの干場(ファンテ(黄太)という干物を作るため)であったくらい寒風が吹きすさぶ場所にもかかわらず、予算をケチり後の利用のめどがつかないことから「屋根なしの屋外吹きさらし」という構造で、プレイベントのコンサートでも低体温症搬送者が続出した。
座席スタンドも構造的に下からの寒風が吹きすさぶ状態であり、韓国のネット上でも「北海道にスキーに行った方がマシ」と酷評される有様でありリハーサルでは「干し鱈になってしまう」とぼやく参加者も出た。
現地応援を決めている各競技の熱心なファンも冬山登山並みの防寒装備を購入している。
しかもスタジアムの骨組み自体も筋交いがしっかりしておらず、最大3,8万人を収容した時の安全性も危惧されている。
フィギュアスケートに至ってはプレ大会の韓国での開催も危ぶまれたがこれもどうにか開催。
準備ができていたはずの会場でもトラブルは起こっており、2016年12月にはスピードスケート競技場である江陵アイスアリーナで27トンの電光掲示板が落下する事故が発生、手抜き工事の懸念が高まっている。
さらに韓国内の政情も朴槿恵大統領の疑獄による失職や文在寅大統領の放言で混乱しており、隣国北朝鮮の核実験やミサイル発射で火種が尽きない状態となっている。
余談ながら、会場周辺には反日活動のシンボルともいえる慰安婦像の設置も確認されている。
そして現地に選手や各国メディアが入り始めた2月初旬、今度はノロウイルス感染症が発生、選手村の暖房故障などのトラブルも発生。
さらにプレスセンター前に謎の怪しい形をしたオブジェが建てられ、東京スポーツ記者が質問したところ「モルゲッソヨ(知らないです)」と答えたという記事(参照)から5ちゃんねるでは「モルゲッソヨ」AAが大量に作られる祭りとあった。
寒さで体調を崩すことを懸念し、開会式出席を取りやめる選手も続出した。
ノウハウが無い
人命に関わる競技であるリュージュ、スケルトン、ボブスレーのコースを設計するにあたって、必要な競技経験者であるが韓国にはボブスレーを除くリュージュ、スケルトンの競技経験者を育てなかった。つまり競技に関するノウハウが無い。
特にリュージュに関しては過去に死者も出ている絶対に設計ミスが許されない競技である。
またスキージャンプに関しては2010年代に入ってようやく競技人口が2ケタに達したレベルで、ジャンプ競技は、試合開始前にテストジャンパーが何回もジャンプを行い、斜面の整地及びスタート地点の調整を行い選手の安全を確保するのだが、この作業は試合の格が上がれば上がるほど難易度が増す。かつて長野オリンピックでは、テストジャンパーとして国体上位入賞レベルの選手が25人がかりで行ったが、平昌オリンピックでは競技人口総出でもテストジャンパーの頭数がそろうかの危惧がされている。
アイスホッケーを中心として欧米の選手を幾人か韓国に帰化させたりと苦肉の策が講じられているものの、前回の五輪での目玉選手だったキム・ヨナらの後継育成も間に合っていない。
何故積雪量が減ったか
開催地の平昌は2000年代から2013年にかけての1年間の積雪量が平均で26.9cmで、日本国内で言えば群馬県、栃木県、山梨県等と同じである。原因としては、パウダースノーは簡単に風で吹き散らされてしまうものであるという理由と、それまでは自然豊かな土地だったため木々などで風が遮られ雪が積もりやすい環境だったところを、リゾート開発によって森や林が切り開かれたため雪が積もりにくい環境になってしまったことが挙げられる。
大会本番中
上記のような問題点は大会本番中にも大きく尾をひき、開会式当日は若干気温が上がったものの競技期間中は総じて強風と悪天候で屋外競技は特に影響を受け、プログラムの一部延期や予選中止などが頻発。
スノーボード競技の女子スロープスタイルでは予選中止で決勝一発勝負を強いられることとなり、練習でも多数の転倒者を出し、中でもオーストラリア女子代表のテス・コーディは靭帯断裂という重傷で数ヶ月の療養を余儀なくされる羽目になった。
本番も多くの転倒者、不調者をだしソチ以上の番狂わせが多発することとなり、出場選手からは悪条件の中で試合を強行したことに対する怒りのコメントが続出した。
モーグルも予選中止という事態こそ起こらなかったものの、コースの難易度を前に有力選手が次々と転倒し、スノーボードと同様の大きな番狂わせが生じ、スキージャンプでも天候の回復待ちで選手が寒風の中長時間の待機を余儀なくされた。
文在寅大統領の肝いりで強引に直前に結成されたアイスホッケー南北合同チームも惨敗(0勝3敗でグループBの4位に終わり、5位から8位の順位決定戦に回る)、韓国内でも不満が噴出することとなった。
競技会場以外の大会施設も強風により一時避難指示が出たり、仮設テントになっている部分が吹っ飛ばされかけたりのトラブルが相次いでおり一般客の負傷者も出ている。
日本人メダリスト一覧
銀メダル
銅メダル
関連項目
リオデジャネイロオリンピック…準備遅延が著しかった五輪繋がり。
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