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84ゴジラの編集履歴

2018-08-19 17:00:50 バージョン

84ゴジラ

ごじら

「84ゴジラ」は、1984年に公開された平成ゴジラシリーズ1作。

正式なタイトルゴジラだが、便宜上記事名の他に「ゴジラ'84」などとも呼ばれる。


概要

ゴジラ(1984) 【ニコニコ動画用イラスト】

これまでのゴジラシリーズをリブートし、新たに製作されたシリーズの1作目(そのため、この作品では過去のゴジラ出現は'54年だけということになっている)。


公開されたのは1984年(昭和59年)だが、1995年の「ゴジラVSデストロイア」まで続く「平成ゴジラ」とは世界観がつながっているため、便宜上平成ゴジラの第1作目として扱われている。ただし、登場人物や一部の設定(ゴジラの帰巣本能)などこの作品だけで独立している要素も多い。製作スタッフも後のVSシリーズとはかなり異なっている。このため、より厳密に言えば「VSシリーズのプロローグ的作品」と言った方が適切であろう。


本作に登場するゴジラは原点回帰を目指して「怖いゴジラ」として登場。また、高層化の著しい新宿のビル群に合わせて体長も50メートルから80メートルへと巨大化(だがこの時既に、200メートルもの高層ビルが建っていたため、ゴジラはむしろ、まだ小さく見えてしまう。)し、顔もや咆哮も凶悪な初代をイメージしたものになり、更に猛獣のようなうなり声を追加している(クライマックスにおける火山に転落するシーンにて、昭和シリーズで使われた甲高い鳴き声が一度だけだが使用されている)。


上記の「怖いゴジラ」への回帰も手伝い、本作は初代ゴジラのような、災害パニック映画的な側面が強い(東宝は、この作品より前に『日本沈没』や『地震列島』といった災害パニック映画を製作しており、それらの作品の影響もあったと考えられる)。このことから、平成ゴジラシリーズでは唯一、敵怪獣との戦いが描かれない作品となった。また、政府の政治動向や人々の混乱、冷戦という当時の時代背景も反映されたリアルな描写が多いのも、以降のVSシリーズには見られない本作ならではの特徴である。


余談ながら、現在ウルトラシリーズ新世代シリーズ)をはじめとした特撮作品の監督として活躍する田口清隆氏は、幼少期にこの映画を観たことがきっかけで特撮作品に興味を持ったという。

このように、後年の日本の特撮スタッフにも大なり小なり影響を与えた作品であり、そうした意味でも非常に重要な作品であったと言えるだろう。


ちなみに、当初のプロットにおいてはミニラが成長したゴジラが主役を務める予定もあったらしい。


ストーリー

伊豆諸島の大黒島が大噴火を起こし、その3か月後、近海を航行していた漁船:第五八幡丸が遭難した。数日後にヨットに乗った新聞記者・牧吾朗は第五八幡丸を見つけるが、そこには乗組員を全滅させた巨大フナムシが潜んでいた。フナムシを退治した牧は生存者・奥村宏を助け出すが、彼はフナムシよりも目撃した巨大生物に恐怖していた。

病院に担ぎ込まれた奥村と恩師・林田信博士の確認によって、巨大生物が30年前に倒されたゴジラの同類であることが判明。これを受け三田村清輝総理をはじめ日本政府は、この事実を公表すれば世間に混乱が広がると考え報道管制を決断した。スクープをものにできなかった牧は林田博士への取材で奥村の妹・尚子と出会った。

そんな頃、太平洋上でソ連原潜が謎の攻撃で撃沈され、ソ連はこれを米軍の攻撃と断じ、米ソ関係は緊張状態になった。ところが自衛隊の調査でこれがゴジラによるものと判明し、米ソ衝突回避のために政府はやむなくゴジラ情報を解禁することに。

それからほどなくしてゴジラは濃霧に紛れて静岡に上陸し、井浜原子力発電所を襲撃する。日本政府はゴジラ対策の準備を進め、林田博士も帰巣本能を利用してゴジラを伊豆大島三原山火口へ超音波誘導しようとする。一方米ソは日本に対ゴジラ核兵器使用を迫り、三田村総理は頑なに要求を拒んでいた。

そしてゴジラは東京に接近し、ついに上陸。自衛隊を蹴散らして新宿に達したゴジラにスーパーXが出撃。ゴジラをカドウム弾で眠らせることに成功する。ところが、ソ連の核ミサイルが誤作動で東京に向け発射されてしまう。なんとかミサイルはアメリカの迎撃ミサイルで打ち落とせたが、今度は電磁パルス現象が起こってしまい、ゴジラが覚醒。カドミウム弾を撃ち尽くしたスーパーXはやむを得ず通常兵器でゴジラに応戦するも、通常兵器ではゴジラに太刀打ちできるはずもなく、遂には撃墜されてしまう。

万事休すかと思われたが、ここで遂に林田博士の超音波誘導装置が作動。作戦は功を奏し、ゴジラは伊豆大島へ移動、火山の誘爆によって火口内へと沈められていった(死亡したわけではなく、次作にて三原山噴火に伴い復活する)。


登場する怪獣

ゴジラ ショッキラス


メカニック

スーパーX ハイパワーレーザービーム車


スタッフ

監督 - 橋本幸冶(本編) / 中野昭慶(特撮)

脚本 - 永原秀一

製作 - 田中友幸

音楽 - 小六禮次郎

撮影 - 原一民(本編) / 山本武、大根田利光(特撮)

編集 - 黒岩義民

配給 - 東宝

公開 - 1984年12月15日

上映時間 - 103分

製作国 - 日本

言語 - 日本語


キャスト

三田村清輝首相:小林桂樹

牧吾郎:田中健

奥村尚子:沢口靖子

奥村宏:宅麻伸

神崎大蔵大臣:小沢栄太郎

武上官房長官:内藤武敏

磯村自治大臣:金子信雄

笠岡通産大臣:加藤武

江守外務大臣:鈴木瑞穂

毛利防衛庁長官:織本順吉

加倉井統幕議長:御木本伸介

辺見昇内調室長:村井国夫

秋山スーパーX空幕幹部:橋本功

伍堂編集局長:佐藤慶

喜多川デスク:江本孟紀

新幹線乗客:かまやつひろし

ニュースキャスター:森本毅郎

原発職員:石坂浩二

浮浪者:武田鉄矢(特別出演)

林田信:夏木陽介


ハリウッド版

初代ゴジラのアメリカ再編集版『怪獣王ゴジラ』同様、今作も『ゴジラ1985』のタイトルでアメリカで再編集版が制作された。日本では『新ゴジラ』のタイトルでビデオが発売された。

『怪獣王ゴジラ』の続編となっており、レイモンド・バー演じるアメリカ人新聞記者のスティーブが引き続き主人公として登場。30年前にゴジラと遭遇したいきさつからアメリカ国防総省に招かれ、ゴジラの東京襲来を再び目撃する場面が追加。また誤作動した核ミサイル制御装置を止めようとして殉職したソ連軍人が傷つきながらも発射ボタンを押すという原点と違う行動をとっているのが特徴。


予告編

特報


予告編


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