概要
両側に持ち手となるハンドルが取り付けられた紫色の球体の結晶(しかも意志を持っているのか、目玉の様に動き回る)という外観をしており、オプティマス・プライムが装着しているマトリクスと酷似している。マトリクスが装着者に叡智を授けるのに対して、ダークスパークは装着者の望むがままの力を与えるとされる。
その力は強大であり、劇中では襲って来た敵を静止させる、次元の壁を突き破って並行世界へ飛来するという描写がされた。後述する「Ask Vector Prime」においても、「What is certain is that it is a force most powerful.」と評されており、加えてダークスパークの放出によって、Uniend世界群(『トランスフォーマープライム』や『War for Cybertron』シリーズが属する世界)を覆っていた量子膜が破れ、その手の知識を持つ者達が情報を得られるようになったとされる。
劇中での扱い
ダークスパークが最初に発見されたのは『War for Cybertron』シリーズの世界に属する、古代のサイバトロン星においてであった。当時のトランスフォーマー(その中にはガルバトロンも含まれていた。)らは正体について研究を進めたが、その過程で危険性が発覚、クリスタルシティから来たガーディアン(プロテクトボットの合体戦士ではない)らにより専用の宝物庫に封印された。以降、ダークスパークは記憶から忘れ去られ、その存在については伝説上のものとしか思われなくなった。
しかし第2次サイバトロン戦争の最中、メガトロンはダークスパークが実在すると確信するに至り、精鋭の部下らをクリスタルシティへと派遣、回収を目論みた。途中、ダークエネルゴンの汚染により地表へと現れたインセクティコンを従えたり、彼等の襲撃に先んじてアイアンハイド、サイドスワイプらがダークスパークを持ち出してしまう不測の事態が発生したものの、最終的に回収に成功。続くオートボットの抵抗や待ち伏せもコンバッティコンや仲間に加わったインセクティコンのお陰でなんのその、拠点都市たるケイオンへと運び込んだ。ダークスパークを装着したメガトロンの目的はダークスパークを使って絶大な力を得、オートボットとの戦いに勝利する事にあり、そのためにコルクラー要塞内のショックウェーブのラボにてダークエネルゴンとダークスパークを連動させ、死者の軍団を操る実験に取り組んだ。だがそのコルクラー要塞にオプティマス・プライムとジャズが潜入、オプティマスはメガトロンとの勝負でマトリクスから発せられるエネルギーを使い、メガトロンが装着するダークスパークを宇宙空間へと放逐し、仇敵の目論見に終止符を打った。だがそうなっても、ダークスパークが一体どこに辿り着くのか不安を感じずにはいられなかった....。
その後、ダークスパークは実写世界の地球、それもアメリカ西海岸の都市に墜落。この世界のオプティマス、バンブルビー、ドリフトに先駆けて、傭兵団のリーダー、ロックダウンが回収した。彼の目的はオートボットとディセプティコンによる宇宙戦争の再開であり、ダークスパークで得られた力を使ってタイムマシンを起動させ、戦死したディセプティコン達を蘇らせる事にあった。だがオプティマスとの最終決戦の中で、ロックダウンにとっては因縁の相手であるドリフトに背後から剣で切られた事でダークスパークは結晶。最終的にダークスパークの結晶は起動したタイムマシンによって、再びどこかの世界へと飛ばされたのだった.....。
起源
この遺宝についての最大の謎と言っていいのが、その起源である。これについてはゲーム本編においても不明という扱いであり、劇中で研究を行っていた古代トランスフォーマー達の議論では
- ユニクロンのスパークそのもの
- オールスパークからマトリクスと共に放出された汚物
が候補として挙げられていた。
後の2015年、トランスフォーマーコレクターズクラブが運営するFacebookアカウント「Ask Vector Prime」で、ダークスパークの正体が何かを問う質問が寄せられたが、そこでの回答も「分からない」という旨のモノであり、代わりにゲーム本編でも提唱された「ユニクロンのスパーク説」を始めとして、次のものが候補として挙げられている。
- アンゴルモアエネルギーが凝縮されたマトリクス
- IDWコミックに登場したデッドユニバースの生命体、ディボイドの欠片
- バイオレンジャイガーの手で聖性を失い、武器として並行世界に放たれたマトリクス
- ビーストコンボイ率いるサイバトロンに勝利し、セイバートロン星の全てのスパークの吸収に成功したビーストメガトロンのスパーク
- 死神モーティラスの残滓
- 強大な力を持つコズミック・ビーイング、Elder Godsに仕えるEbon Knightsの手で生み出された遺宝
余談
- 「ユニクロン由来のマトリクス型の遺宝」は実際にオンライン配信のアニメシリーズ『Prime Wars Trilogy』にて、「マトリクスオブケイオス」として登場している。外観はハンドル付きの六芒星の結晶というもので、この中にユニクロンの自我が宿っている。本編開始以前にメガトロナスの指示を受けたオーバーロードがユニクロンの頭部の残骸から発見し、2作目『Titans Return』において埋め込まれたホットロディマスをロディマスクロンへと闇堕ちさせた。完結編『Power of the Primes』の終盤のメガトロナスとの戦いで憑依したボディをロディマスユニクロナスへとパワーアップさせたが、その後のオプティマルオプティマスとの戦いで合体を解除させられた。それでも新たなる宿主としてメガトロンへの憑依を試みるも、覚悟を決めた彼からの決死の抵抗に邪魔されて失敗、最後はそのメガトロン共々、レクイエムブラスターの一撃を浴びて消滅した。
- アンゴルモアエネルギーは『ビーストウォーズⅡ』で登場した惑星ガイアのエネルギーだが、『キスぷれ』においてユニクロン由来のエネルギーという設定が付け加えられている。
- モーティラスはIDWコミックに登場したプライマス率いるガイディング・ハンドの一柱であり、仲間を裏切って一大戦争を引き起こし、黄金時代の終焉を齎したとされている。だが『LOST LIGHT』によると、実際には濡れ衣だったらしく、これを踏まえると「Ask Vector Prime」で挙げられたモーティラスはIDWコミックの彼とは別人だったという事になる。また、並行世界の中には彼がプライムの一柱として名を連ねている世界もあるという。