天使としての概要
神に謁見することを許されるいわばエリート天使集団、通称「七大天使」の一人であり、レミエルとも呼ばれる。その名は「神の高揚」を意味する。
ユダヤ教の伝承とキリスト教の伝承とでは少し立ち位置が違う天使で、ユダヤ・イスラム・キリスト教の伝承では最後の審判によって復活した善なる魂を見守り神の助手として審判に参加する仕事を持つ天使である。しかし、キリスト教だけの観点だけから見ると違う解釈がなされており、彼は雷と幻視を司る天使である。
この幻視というのは、神のお告げを人間の夢に天使が入り込み、その神のお告げを夢の中で告げるというものである。
また、ジョン・ミルトンの「失楽園」ではどういうわけか、凶暴な堕天使として描かれている。
使徒としての概要
新世紀エヴァンゲリオンの第5・6話に登場した、第5使徒。
見た目は青い正八面体をしており「ホー…ホー…」と女性の声の様な音を一定間隔で発しながら浮遊移動する。
本体下部から掘削シールド(巨大ドリル・ブレード)を伸ばし、NERV本部・ジオフロントへ進入しようとした。
他の使徒と同様に強固なA.T.フィールドで通常兵器を無効化するうえ、周囲に接近した物体を察知し、高威力の加粒子砲で迎撃するという能力を持つ。
この空中要塞のような性質によってEVA初号機を出撃した瞬間に撃退。「エヴァンゲリオンが白兵戦を挑み、A.T.フィールドを中和しつつコアの破壊を試みる」という従来の戦術を完封してしまう。
やむなく作戦部長の葛城ミサトは、戦略自衛隊が開発していた陽電子砲と日本全国の電力を徴用し、初号機に改造陽電子砲(ポジトロンスナイパーライフル)を携行させ、超長距離からラミエルを狙撃する作戦、通称『ヤシマ作戦』を実行した。
作戦を察知したラミエルは初号機の第一射を加粒子砲で妨害したものの、追撃は零号機の構えた耐熱光波防御盾によって阻まれてしまう。その直後に初号機が再度発射したポジトロンスナイパーライフルがコアを直撃したことで致命傷を負い、撃破された。
ラミエル出現からヤシマ作戦決行に至る展開は序盤の山場でもあり、本作を代表する名シーンのひとつとして知られている。
攻撃方法
加粒子砲
初戦ではEVA初号機を出撃直後に中破させ、その圧倒的な威力と狙撃精度を見せつけた。
最大出力では、山を半分吹き飛ばすほどの威力がある。
ボーリング・マシン
身体下部から、直径17.5Mの巨大ドリル・ブレードを伸ばし、穴を掘る。
これによってジオフロントの装甲板を突破し、NERV本部への直接侵攻を試みた。
その他
モデルは「帰ってきたウルトラマン」に登場する怪獣・プリズ魔。ラミエルの登場時の効果音は、プリズ魔と同じものである。
「星のカービィ64」では、ステージボスのピクスのデザインが同様の正八面体である他、ラミエルに酷似した雑魚敵「ラミ」が登場している。コピー能力は、ラミエルが「雷」を司る天使の為か、スパークである。
オンラインゲーム「コズミックブレイク」に登場する大型の敵に似た形状の「フラクタリス」というのがいるが、こちらはビームの雨を降らしたり、雷を落したり、極太の即死レーザーで薙ぎ払ったり、終いにはプレイヤーから「ラピュタの雷」と呼ばれている下方向への超広範囲即死攻撃までするなど形もさることながらラミエルを意識した敵である。
客演など
「スーパーロボット大戦」シリーズにも何度か登場している。
基本的にヤシマ作戦再現用のイベントキャラであり、防御力や加粒子砲の射程・威力が非常に高く設定されているので自力で倒すことは難しい。スーパーロボット大戦MXのように「イベントを起こさなければ絶対に倒せない」作品もある。
また、ゲーム終盤もしくは続編で再登場した際には、イベント無しで普通に戦う事を強いられる。F完結編のエヴァバッドエンドルートやαドリームキャスト版追加ルートではイベント時そのままステータス(特に後者は加粒子砲の攻撃力が9999)で登場するため、再生使徒の中でも特に危険な存在となる。
ただし、「第3次スーパーロボット大戦α」や「スーパーロボット大戦V」では「再生怪人など恐るるに足らずだ」と評されており、実際あまり強くない。
「ファンタシースターオンライン2」では新劇場版仕様のラミエルである第6の使徒(名称は「第6使徒」)がコラボボスとして登場。
地球のアニメ作品である「エヴァンゲリオン」に興味を持ち始めたアークス達が具現化させてしまった幻創種としてアークスシップに出現。本物同様にATフィールドを展開し、加粒子砲も放つことが可能。さらに原作通りボーリングマシンでジオフロント…ではなくアークスシップの動力部分を目指していた。
緊急クエスト「第6使徒殲滅作戦」で戦う事が可能で、アークスシップ内の市街地エリアにてAISヴェガで迎え撃つ。ラミエルが加粒子砲で3台の援護砲台や初号機を破壊する為、その前にAISヴェガでATフィールドを破壊しコアを叩かなければならない。ある程度ダメージを受けると星型形態に変化し加粒子砲発射態勢に移る。発射阻止に成功すると、原作通りシンジの初号機によるポジトロンスナイパーライフルでトドメを刺す演出が流れ(ラミエルの加粒子砲はAISヴェガに搭乗したレイとアスカのカウンターバリアで防ぎシンジを守っている)、クエストクリア。逆にシンジの初号機がラミエルの加粒子砲で撃破されるとクエスト失敗となるので注意。
後日実装された難易度ウルトラハードでは、星型形態の加粒子砲を阻止すると、ラミエルがAISに模した姿へと変形し、初号機・援護砲台3台に向けて加粒子砲を放とうとする場面が追加。
恐らく、使徒の学習能力(※)も再現されていると考えられ、AIS形態での加粒子砲発射態勢がAISのフォトンブラスター発射態勢に酷似している。この時は流石のシンジも驚いていた。
※学習能力を持った使徒はサキエル(第4の使徒)やイロウルが存在し、前者は国連軍のN2地雷で閃光を覚え、後者は弱点のオゾンを吸収し増殖しネルフを苦戦させた。
なお、この緊急クエストのBGMは原作の戦闘曲である「DECISIVE BATTLE」(作曲:鷺巣詩郎)を使用している。
関連タグ
ブルーウォーター:おそらくこれの形が基になっている。