概要
小説家になろうにて2013年6月1日から2017年3月25日まで連載された作品。全205話で既にweb版は完結している。
現在は、外伝『八男って、それはないでしょう!みそっかす』を不定期に更新中。
2014年2月20日に書籍化が決定。MFブックスから第1巻が2014年4月25日に刊行。
イラストは藤ちょこが担当。
発売約2週間後には早くも重版が決定。その後も続刊が出るたびに重版されている。
約1年後の2015年4月16日にはコミカライズが決定。ComicWalker、ニコニコ静画にて配信中。
作画は楠本弘樹が担当。
第1巻が2015年9月19日に刊行。こちらも発売約2週間後には早くも重版が決定。その後も続刊が出るたびに重版されている。
2016年4月26日、ドラマCD化が決定。『八男って、それはないでしょう!10.5』としてヨムゾンボックスから2017年2月24日発売。
2020年2月時点の既刊は書籍版が18巻。第19巻が2020年3月25日発売予定。コミカライズ版が7巻。因みに、海外でも翻訳され、刊行されている。
2019年11月には前日譚として『八男って、それはないでしょう!~はじまりの物語~』のタイトルで、スピンオフが連載開始。
本編コミカライズではダイジェスト化及びカットされた原作小説第1巻の子供時代を描く。
作画はばにら棒。第1巻が2020年3月23日発売予定。
シリーズは累計250万部を突破している。
主人公の若手商社マンだった一宮 信吾(いちみや しんご)が、ふと目を覚ますと異世界の八男であるヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター(通称:ヴェル)という子供に憑依していた。
俺TUEEEや現代知識チートがある訳ではなかったが、唯一の魔法の知識に恵まれたことで現状を突破し自由な冒険者になろうと考えるのだが、国家や貴族社会に振り回されると言う物語である。
物語
――ある日の朝、目を覚ますと……平凡な若手商社マンである一宮信吾(25)は、僻地に領地を持つ貧乏貴族の八男ヴェンデリン(5)という存在意義さえ怪しい子供に憑依していた。
信吾は、家門と領地継承もなく、内政無双の知識もないこの身と己に絶望するも、魔法の才能に恵まれたという一点を突破口に独立を目指す。
この物語は、そんな若造が魔法で金を稼ぎ自由に生きる、当面は幼少時代から冒険者学校に通う12歳になるまでは脱ボッチのお話である(エーリッヒ兄さんやアマーリエはヴェルの数少ない話相手である)。
それと、12歳という若さ(前世を含めて37歳)で古代骨竜からヘルムート王国を救った魔法使いでも中身が大人の凡人では結局人の営みで発生する柵(しがらみ)からは逃れられない……という話でもある。
注意
一時期は累計ランキングで二位にまで上り詰めた人気作ではあるが、小説家になろうの読者を中心に非常にアンチの多い作品でもある。
勢い重視?
基本的に貴族社会の柵と人間関係の悩み深さに作品の主眼を置いているが、そもそも作品全体的に余りにもご都合主義の要素が強く、ドイツ風の名前に中世ヨーロッパ系の世界観でありながら、主要言語は日本語、魔力や魔法の設定が途中で変わる、主人公の強さや転生について具体的な説明がされない、など、細かいところを言えばきりが無いほど設定の粗が目立つ。
まあ、そこでみせている作品ではないと言ってしまえばそれまでのことだが、「小説になろう」だからこそ王道から外して好き勝手な物語にできたともいえる。
web版ではヴェルのハーレムを無駄に拡大しすぎた反省か、書籍版16巻からどうやらweb版と違う物語に分岐し始める模様。
ビジネスライクなハーレム展開
また、当初こそは小説1~11巻辺りまでは貴族社会の柵に重点を置いて描写されているが、小説12巻以降は貴族勢力らがヴェルの権力と金が目当てで女性と嫁がせると言う、半強制的なくっつけ方の主人公のハーレム拡大の話が多くなっていく。後半でヴェルのハーレムが無駄に拡大したのは、間違いなく前国王陛下末弟のヘクター公爵に24人も妻がいたのが原因だろうと思われる。
それでも交際相手のエリーゼと生活するうちに相思相愛のメインヒロインになったり、アマーリエといった信用するほど本当に好きになる真のヒロインもいるし、ルイーゼやイーナといった親友から妾になった仲間系ヒロインもいるし、ヴェルのハーレムヒロイン達の仲が悪化しない程度には婚約女性を選べている。しかし、少なくてもヴェルの家族やヴェルの家臣の結婚相手の名前がヴェルのハーレムとダブるケースも多々あった。
他
また、ヴェル自身についても、魔法の師匠であるアルフレッドから教わった聖光による「骨竜」討伐後、ヘルムート王国に有能な人物と目をつけられてからは基本的には貴族社会の状況に振り回され流されるばかりで、特に強い信念をもって決断を行なっているわけではない。
それが後に自身の地位や名声を鼻にかけている様な言動に見えたりと、見る人によっては傲慢な人物に見える(ハーレムヒロインが沢山いる癖に親友のエルや隣国王子のニュルンベルクに嫉妬する小物なのも原因)。
他にも作風全体にご都合主義の展開や、主要キャラや設定に対する間違いが多く、後半には政治要素も加わり、特に打切り同然に終わったweb版の評価はよろしくない。(例えるなら少年ジャンプの中堅看板位の内容だったが、後半がつまらなくなり打ち切られたようなクオリティ)
総評すれば、悪い意味でのなろう系作品のテンプレートとでも言うべき作品であり、読む人を選ぶ作品とも言える。
※要は感想欄で個人の好みの問題な部分から理解できなかった部分に対して、作品が悪いって文句たらたら垂れてる人が多いので覗く時は注意してね。
登場人物
※:前者はドラマCDの、後者はアニメ版のキャストを記述。
冒険者団体ドラゴンバスターズ
骨竜地竜と竜を次々と倒し続けた結果付けられたヴェルの冒険者パーティ名。冒険者活動して国家予算級の大金を掴まされた時にヘルムート王国の国王とブライヒレーダー辺境伯とルックナー財務卿ら3人によってヴェルはバウマイスター家筆頭に祭り上げられ田舎貴族の無能達を排除させるように仕向けられた(ついでに国賊も排除完了)。その結果ヴェルは完全に貴族社会に引きずり込まれウマイスター領南西部を開発する事になり簡単に国外逃亡できなくなった。
戦える嫁ヒロインの数が増えると一軍と二軍のようなパーティ構成になった。
ヴェルの嫁達は「器合わせ」に加えて「性交」によって魔力増強が可能だが、その事実を知られると女魔術師がヴェルに殺到してくる為、「器合わせ」で魔力が上がった事にした。
メインメンバー(一軍)
ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター(CV:寺島拓篤 / 榎木淳弥 / 幼少期:石上静香)
通称ヴェル。
生前の名は、一宮信吾で25歳。普通のサラリーマン(実家の影響で食品関係)だったが、ある日目が覚めると、田舎貧乏騎士爵家当主アルトゥルの八男(当時5歳)に転生していた。
一人称は俺(ヴェル本来の人格だと僕だった)。ヴェル(信吾入り)の性格は書籍版や漫画版ではweb版の性格より穏やかに改善されている。(性格の良さは漫画版>書籍版>傲慢なweb版)
このままでは人生が詰んでしまうと感じ、15歳の成人まで待たずに最短で独立すべく、12歳で冒険者予備校に入学。同じ境遇のエルヴィンとは親友。
剣の才能は皆無だったが、弓と魔法の才能が有り、当初は独学で学び、身体強化の魔法で運動音痴の欠点も補い狩りも効率的に行っていた。魔の森で出会ったアルフレッド・レインフォード(生前はブライヒレーダー家お抱えの魔法使いであり語り死人となってしまった)に師事した事で魔法の才能が加速、規格外の魔法使いの冒険者として成長していく。
12歳にして古代骨竜の討伐を果たしてエルムート王国の英雄になった事で一夜で実家より上位の爵位を得、独立を果たす。(ヴェルは第六位準男爵位、実家は第七位騎士爵)
彼自身は自由な冒険者としての人生を歩みたかったが、有能な魔法使い貴族を周囲が放っておく事はなく貴族社会に囲い込まれたが、囲い込んだ貴族が善意よりの貴族だったのが不幸中の幸いだった(悪意よりの貴族だった場合彼は冒険者仲間と共に国外逃亡を決行したと思われる)。
貴族社会に疎い為、王家を含む多くの上級貴族に隙を突かれ言質を取られ翻弄されていた。その為エリーゼやエル達といった貴族仲間や嫁達がヴェルを全力でフォローする。暗殺対策に関しては護衛のエルやエドガーの送り込んだ護衛兼妾のヴィルマによって解決し、愛人テレーゼが加わった後はヴェルの付かれた隙をフォローできるようになった。
ヒロインは正妻エリーゼを中心に、妾(冒険者仲間が大半)、愛人(不祥事で妾に出来ない対策)と様々だが、連載が続いた弊害でweb版では小説12巻内容辺りからハーレムゲットマスターのように嫁タイプがだぶる妾を景品のようにゲットするようになり傲慢な人格になっていった。自身のハーレムがあるのに意外と嫉妬深くエルやニュルンベルクやリア充になっていた信吾(ヴェル入り)に嫉妬する事があった(嫁への本気の愛情があるのがエリーゼとアマーリエ位しかいない反動)。
魔法使いの力を持ったとはいえ元25歳の凡人であり、遠距離タイプの魔法使いで接近戦や暗殺を得意とする敵とは相性最悪の為、自分自身と嫁や仲間を最優先で守る為にテレーゼ達や信吾(ヴェル入り)達を見捨てる可能性がある事を予め警告し現実的な考えが出来る一面を持っている(幸いにもどちらも見捨てずにすんだ)。
食品関係の会社に勤めていた知識と魔法の併用により自力で醤油や味噌や酢などを作り魔法袋などに入れて保管していた。その影響で貴族周辺にはミズホ文化好き(日本文化に近い異世界の国の一つ)と思われていた。ミズホ国の醤油や味噌の方が彼自身の作る調味料より美味しかったので購入するようになった。
web版では何故突然異世界転生したのか不明のまま異世界で貴族社会に翻弄させられながらバウマイスター家を繁栄させ生涯を終えた。
後にアニメ化決定記念でヴェル(信吾入り)と一宮信吾(ヴェル)がお互いに体が入れ替わった状態で地球で出会う話が追加された為、異世界転生ではなく異世界憑依(君の名は。などの入れ替わりもの系)である事が確定した。
エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイム(CV:早見沙織 / 西明日香)
聖教会本部枢機卿・エクムント・フォン・ホーエンハイムの孫娘。本編のメインヒロイン。
枢機卿に言質を取られまずはヴェルの婚約者として付き合う事になった。政略結婚とはいえお互いに好印象だった為、12歳のヴェルと3年かけて少しずつ仲良くなって相思相愛になっていった。15歳でヴェルと結婚した。
結婚後はヴェルに本気の愛情を受けているアマーリエへの嫉妬でのストレスで魔導四輪(自動車)を暴走させる一面もある。
エルヴィン・フォン・アルニム(CV:森久保祥太郎 / 下野紘)
通称エル。
ヴェルとは同じような境遇で、実家は500名ほどの村を有する騎士爵家で五男。
剣術と弓に秀で、剣士として身を立てようと冒険者予備校に入学。
その後、準男爵を得たヴェルの従士となり、実家から独立した。
ヴェルの冒険者パーティの縁で家臣に加わるが、中盤時点で性交によって魔力増強したヴェルの嫁達より結果的に一番弱くなってしまうという地味な不遇を受けた。
数少ない男性仲間なので妊娠などで戦線離脱する事はない。
イーナ・ズザネ・ヒレンブラント(CV:松井恵理子 / 小松未可子)
実家は代々槍術の道場を経営し、領主・ブライヒレーダー辺境伯から兵士達の槍の師範を任命されている陪臣。そのため、王国から任命された者とその家族だけが正式な貴族であり、貴族の名を持つが正式な貴族ではない。
陪臣の三女は同じ陪臣にしか嫁げないこともあり、やはり己で身を立てる為、冒険者予備校に入学。複数の狼に囲まれている所を助けられたのがヴェル達と知り合ったきっかけ。
一見、クール系美少女だが素は純情。ヴェルとの冒険者パーティの縁でルイーゼに巻き込まれる形でヴェルの家臣かつヴェルの妾ヒロインとなった。ヴェルの愛情は親友の延長の親愛。
ヴェルとの初夜で魔力が増強した後はローデリヒに勝てるようになった。
ルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルベーク(CV:今井麻美 / 三村ゆうな)
「魔力」を「闘気」に変える拳法“魔闘流”の使い手で、幼く見えるがとてつもない力を発揮する。その為接近戦に強い魔法武道家に近い。
気配遮断スキルも使える。
冒険者を目指す理由もヴェルと知り合ったきっかけもイーナと同じ。
見た目とは裏腹に積極的で、ヴェルとの冒険者パーティとの縁を有効活用し「ヴェルの妾」としてヴェルの最初のヒロインとしてガンガンアピールした結果、家臣かつヴェルの妾ヒロインとなった。ヴェルの愛情は親友の延長の親愛。
実はエリーゼより先にヴェルのヒロインになっているが、エリーゼの後ろにはヘルムート王国陛下のお墨付きと教会の権力があり、仮にヴェルと親愛以上の相思相愛であってもそれらに立ち向かうのは無謀と理解した上での貴族の柵によるトラブルを避けてのヴェルの妾狙いであり計画通り成立させた。身分の関係上エリーゼが本妻となる事は仕方ないと考えていた。
ヴィルマ・エトル・フォン・アスガハン(CV:M・A・O)
エドガー軍務卿(CV:平林剛)の姪(後にヴェルの妾候補になる際に養女となった)。
エドガー軍務卿がブライヒレーダー辺境伯とルックナー財務卿が共謀しヴェルを利用してバウマイスター領南西部を開発させようとする動きを感知した結果、ヴィルマをヴェルの護衛役かつ既成事実を作って妾とする為にエドガーの養女として送る事にした。養女なのでヴェルの妾で十分であり、ヴェルの嫁が全員冒険者である事と正妻を送り込んだホーエンハイム枢機卿やアームストロング伯爵家への配慮を考えた上での人選だった。
気配遮断が可能な特殊な体質で見た目とは裏腹に凄まじい怪力を誇る。
ヴェルを狙う暗殺者を発見し守る能力に非常に長けている為、後から追加された他のハーレムヒロインと最後まで役割が被らずにすんでいる(むしろルイーゼの上位変換)。
なお貴族への口止め交渉もできるが、愛人テレーゼの方が交渉能力は上である。
サブメンバー(二軍)
一軍の嫁達が全員妊娠した時に手を組んだヴェル17歳当時時点でのヴェルの魔法使いの弟子達で有能な三人娘。ヴェルはアルフレッドのような師弟関係を持った健全な弟子を育成したいと思って、優秀な魔術師のトップから3位を特に気に入って可愛がったが、3人とも女性だった事で娘3人は魔法使いの弟子以上にヴェルの妾になる事を望んでしまいヴェルの健全な魔法使いの師弟計画が叶う事はなかった。
眼鏡屋の娘のアグネス(バウマイスター家長女のクラウスのモブ取り巻きとは別人)、花屋の娘シンディ、レストラン経営の娘ベッティの三人がヴェルの魔術師の弟子となるが、ヴェルと冒険者パーティを常に組んでいた弊害で他の貴族男性が竜殺しのヴェルに遠慮して近づかなくなり、3人娘の家族達もヴェルの妾になるものと期待された。
ヴェルが3人の弟子達に自分の妻や子供達を会わせた事がきっかけで異常な魔力の変化を弟子の一人に感知され「ヴェルの性交で魔力増強した」事がばれた。
ローデリヒにヴェルは席を外されヴェルの妻達による女魔術師がヴェルに殺到しないようにする口止め取引(愛人テレーゼとヴィルマによる秘密共有脅迫取引が始まった)によりヴェル周りの外堀が完全に埋められた状態になり数年後にヴェルは責任をとって有能な魔法使いの弟子である3人を妾にした。
その為ヴェルの3人娘との愛情は師弟関係の延長の親愛である。
魔法の師匠達
既に他界しているアルフレッドを除く、ブランタークやクリムトといった二人の魔法の師匠達が定期的にヴェル達のパーティと組む事で男女比率を安定させる。しかし、その弊害としてヴェルが師弟子の信頼関係を結んだ男魔術師の弟子を育成し、仲間に加える夢が叶う事はなかった。
アルフレッド・レインフォード(CV:浪川大輔)
元ブライヒレーダー辺境伯お抱え筆頭魔法使いでヴェルの師匠。
本編時間軸の7年前の時点(ヴェルの子供時代)で既に故人。
元は孤児だったが、魔法の才があったため、冒険者として活躍。その実力を買われてブライヒレーダー辺境伯に召し抱えられたが、強力な魔法使いであっても接近戦では非力で、魔の森への進軍で魔物の大群相手に多勢に無勢の状態で命を落とし、語り死人になった。
後にアルフレッドの遺産である屋敷とゴーレムはヴェルに引き継がれた。
ブランターク・リングスタット(CV:屋良有作)
ブライヒレーダー辺境伯お抱え筆頭魔法使い。元冒険者でアルフレッドの師匠。
ヴェルとはアルフレッドの件で知り合い、王都での保護者的立場に。
王家の思惑で貴族社会に振り回されるヴェルの悪運に付きあわされ、上下から突き上げられる中間管理職として苦労する。
魔法使いの潜在能力はヴェルやクリムトより低いが、経験と知識でフォローした。
クリムト・クリストフ・フォン・アームストロング(CV:山根雅史)
アルフレッドの友人。エリーゼの伯父でもある。
ムキムキマッチョで如何にもな戦士系と思いきや、王国最強の武闘派王宮筆頭魔導士。
この異世界では接近戦に強い魔法使いは珍しい部類に入るが、武道家専門知識がなくても問題なく「魔導起動甲冑」の力を発揮できる。
「身体強化」魔法の上位である「魔導起動甲冑」魔法の使い手で「身体強化」魔法や「飛翔」魔法の維持に必要な魔力循環訓練にも最適な魔法。
アルフレッドに「魔導起動甲冑」を教えてあげられずに悔やんだ事をヴェルに話す事でヴェルにクリムトの訓練を受ける事を決意させた。ヴェルとルイーゼの王都での師匠的立場。
古代遺跡のドラゴンゴーレム誤情報の件でヴェルが仲間と共に死にかけた時は王家に文句(web版では恨み言、書籍版では嫌味、漫画版では無自覚)を言った時はヴェルをなだめつつ王家をフォローした。
後にアンデット対策に聖魔法も習得した。
バウマイスター家
エーリッヒ(CV:松岡洋平)
バウマイスター家アルトゥルの五男。兄弟の中でも博識で弓の能力も長けている。八男のヴェルと仲が良かった(憑依前憑依後含む)が、長男が結婚した事がきっかけで三男パウル四男ヘルムートと共に家を出る事になった。ヴェルの最初の理解者であり、相談相手であり続けた。
ちなみにエーリッヒがもてても嫉妬深い性格のヴェル(信吾入り)は全く嫉妬しない所か、流石と素直に褒めており、ヴェルのエーリッヒへの兄への尊敬度と信用度の高さが尋常ではない事がわかる。
アマーリエ(CV:ゆかな)
長男クルトの妻として嫁いできた女性。エーリッヒがいなくなってぼっちになったヴェルが会話する唯一の人物となり、ヴェルの二人目の理解者となった。
漫画ではダイジェスト化した事で出番がカットされた事でイラストの登場が大幅に遅れており、『八男って、それはないでしょう!~はじまりの物語~』でフォローされる事になった。
悪霊化した長男クルトが虐殺不祥事を起こし破滅した後は虐殺に巻き込まれ死亡した貴族の肉親達による復讐から取り残された子供2人を守る為、アルトゥルとの取引でヴェルの『あてがい女』(結婚前の貴族男子に子作りの方法を教える役目)となったが、その事がきっかけでヴェルは少年時代に話し相手になってくれたアマーリエを恋人かつ姉や母親のように甘えて本気で愛してしまい結果的にアマーリエの打算通りに2人の子供達の未来を守り救う事ができた。
表向きヴェルの愛人になった後は「ヴェル君」と呼ばせるだけでなく、貴族社会の悩みやメインヒロインの正妻エリーゼにすら言えない相談事もするようになった。ヴェルと性交しても魔力が上がらず、魔法の才能には目覚めなかった。
貴族となったヴェルが精神安定を保つ役割を果たす真のヒロインともいう。
ローデリヒ(CV:高塚智人)
「槍術大車輪」の使い手で登場当時はイーナより強かった。商法や法律に詳しく内政に関して有能であり、ヴェルの貴重な男性家臣として雇われたが、エルのように冒険の表舞台には立たなかった。
魔力の上がったイーナに負けた後は訓練して鍛え直すなど負けず嫌いな一面もある。
クラウス
有能だった為に無能なアルトゥルや長男クルトを見限って五男エーリッヒや八男ヴェルにバウマイスター家領主を継ぐよう進言したがいずれも失敗。レイラの父でありアルトゥルと妾レイラとの間に生まれた平民身分の子供達である六男七男長女次女をクラウスのモブ取り巻きのように従えている。次男ヘルマンでは彼を制御できないと判断したヴェルは次男を守る為相談役としてクラウスを引きとり、モブ六男らと勢力分断した。
娘レイラを妾にした件や死んだ息子ゴートンの件でアルトゥルを苦しめ不運な真相を語らせたり、クルトを破滅させ死亡させ息子の仇をとった事である程度復讐心を満足させたのか、web版ではヴェルを破滅させようと企む事は最期までなく、エルの恋愛相談に乗るなど性格が丸くなっていった。
他勢力
アルテリオ・マーシェン(CV:ロバート・ウォーターマン)
ブランタークの元・冒険者仲間で老火竜を討伐した事があった。その時の怪我で引退し王都で商人をしている。王都訪問の際に搭乗していた魔導飛行船で骨竜を撃破したヴェルと知り合った事でプランターク同様付き合いが長くなり、ヴェル(信吾入り)の地球知識によって作られた物を次々と商品として取り入れて発展していき最終的にはバウマイスター伯爵家筆頭御用商人となった。
エクムント・フォン・ホーエンハイム枢機卿 (CV:浅科准平)
法衣子爵で教会の重鎮でエリーゼの祖父。孫娘がいる年齢になっても当主を続けており、その老獪さから妖怪と呼ばわるだけあってヴェルが「聖光」の使い手である事を理由に教会の洗礼という名目でヴェルを教会におびき寄せた後、彼の話術により竜殺しの英雄ヴェルと孫娘エリーゼとの婚約という形での政略結婚をあっさり成立させた。
実はエリーゼを25番目の側室にしようとする前国王陛下の末弟のヘクター公爵からエリーゼを守る為に竜殺しのヴェルとの婚約(結婚)を企んだ事であり、12歳という若さで教会の権力を認識できるヴェルを高く評価した。
教会は治療の他に犯罪者を収容する監禁する施設でもあり、エリーゼやヴェルに敵対する者に容赦しない。出世よりも家族を守る事を優先する。
テレーゼ・ジークリット・フォン・フィリップ
アーカート神聖帝国の選帝侯七公爵家のひとつ、フィリップ公爵家の当主。ヴェルを利用しようとした時は仲間達の安全を最優先するヴェルに見捨てられかけた。失脚後処刑を待つ所をペーターと取引してヴェルが救った。生かした責任を取る為表向きはヴェルの愛人(帝国の降伏の証としてヴェルに与えた戦利品扱い)としてヘルムート王国に引っ越す事になった(国に残すと反乱に利用されたり、処刑される為)。比較的善人が多いヴェルの嫁達の中で数少ない汚い手段を提案できたり、敵対貴族を脅迫するなどという意味で悪役になれる存在意義を見出した為、本妻のエリーゼや妾達もそれを理解した上で黙認した。
マックス・エアハルト・アルミン・フォン・ニュルンベルク
アーカート神聖帝国の選帝侯七公爵家のひとつ、ニュルンベルク公爵家の当主。
web版では敵貴族の中で一番まともな部類。ヴェルに会った最初から最終決戦までヴェルを勧誘しようとしていた(最悪古代遺跡の結界で籠城して魔法使いを増やせるヴェルを生存させる事でアーカート神聖帝国の状況変化を待ちつつ、魔族への対抗手段を残したかった)が、アーカート神聖帝国魔法使いの大半は自己中心的な者が多く魔法使いの才能に嫉妬し仲間同士の暗殺抗争が絶えなかった。ニュルンベルクが出していたヴェル勧誘命令も部下達に意図的に無視されヴェルの仲間に危害を加えようとした結果、ヴェルとの関係は悪化した。
古代遺跡文明で発見された兵器でヴェルに戦いを挑んで死亡した。
なおヘルムート王国が古代竜の骨竜に滅ぼされたパラレルワールドでは古代遺跡文明の結界により骨竜をやり過ごして生存している。
ターラント
ニュルンベルクが最も信用する強力な魔法使い。ヴェルがニュルンベルクによる直接の勧誘を断った為に戦いを挑んできた。近距離魔法は苦手だが、遠距離魔法が得意。聖魔法英霊召喚の使い手でヴェル、クリムト、ブランタークの三人相手に互角に戦える強敵。ターラントを妬む魔法使いが大勢いるが、ターラント自身の体質である気配遮断(ヴィルマの気配遮断と同じような魔法が常にかかっている状態)により味方魔法使いの妬みで暗殺される事は最期までなかった。
ペーター・オスヴァルト・デリウス・フォン・アーカート
アーカート神聖帝国皇家出身である皇帝の三男。世間評価は放蕩息子の愚者でありテレーゼやニュルンベルクすら欺き利害一致したヴェルと親友になった。
アーネスト・ブリッツ
ニュルンベルクと手を組む「魔族」と呼ばれる謎の男性。地球異世界共に架空存在のエルフのように耳が尖っている。ヴェルやクリムト以上の魔力を持つ魔族の魔法使い。
世界中にある古代遺跡文明を研究する為なら手段を選ばない。
異世界専門用語
語り死人
人生の後悔により死後アンデットになった元人間だが、理性が残っている。対話可能なので願い事を叶えて上げると成仏できる。数年放置すると理性を失い凶悪なアンデットになってしまうので願い事を叶えるか、聖魔法で消滅させないと大変な事になる。
器合わせ
魔法使い同士で行う魔力増強手段。器合わせをする事で能力の高い魔法使いと同じ魔力量になるが、魔法使いの潜在能力以上の魔力を持つ事は出来ない。
器合わせの影響で魔力酔いをするほか、多少なりとはいえ互いの人格が影響し合う為、仲の悪い人同士では器写しをやる事はない。その為基本的に親友以上の信用関係がないと器写しをやる事はない。
聖魔法
ヴェルやエリーゼといった魔法使いが使える聖なる魔法でアンデット退治には必須となる。
後にクリムトも習得した。
古竜といった数か国を滅ぼすほどの強力な存在(パラレルワールドでヘルムート王国が滅ぶ話があった)を中心にバウマイスター領の魔の森のアンデット軍団はヘルムート王国討伐隊を返り討ちにしてアンデット仲間にしたり、王都の貴族やメイドや無能田舎領主といった雑魚でも凶悪的に強い悪霊レイスとなれる為、王都で立ち入り禁止領域となった場所が多い。アンデットになった者が標的をころすと極端に弱体化する特性があるがそれでも並の魔物より脅威な存在である。ピンからキリまで聖魔法でしか倒せない厄介な存在。
軍隊を連れて討伐しようとするとアンデットも軍団を連れて現れる為、ヘルムート王国は大損害を受けた。数年後少数精鋭(ヴェルの冒険者パーティ)で各個撃破する方針に切り替え無事に成功させた。
魔晶石
魔力を貯め込んでおける魔石。中級魔法使いクラスの魔力を貯めておける魔晶石の指輪をエリーゼの婚約指輪(300万セント=3億円)として送り、数々の冒険でヴェルやエリーゼの非常用の魔力タンクとして活躍した。
教会に入る(教会に送る)
生き残った貴族犯罪者などを聖教会に送り監禁する時に使われる用語。よく癇癪をおこした悪徳貴族などを捕まえた後によく使われる。
ヴェルは教会権力をもつホーエンハイム枢機卿の後ろ盾を得る事によりヴェルに危害を加えた敵対貴族を次々と教会送りにした。悪徳貴族にとっては教会は地球で言う刑務所のような場所である。
あてがい女
結婚前の貴族男性に子作り方法を教える女性の事。基本的に未亡人支援や子育て支援などがあり、その代償として引き受ける事が多い。人格的に問題のある女性は後の火種になる為、基本的に選ばれない。貴族が風俗街を利用するわけにはいかない為に残されている制度でもある。
この異世界ではエルフやドワーフは地球同様架空の存在だが、魔族は存在しエルフと同じ尖った耳と膨大な魔力を持っている事が特徴。
アーネスト曰く魔族領は少子化に悩まされているらしい。
TVアニメ
2018年12月14日に時期未定ながらテレビアニメ化決定が発表された。
2019年3月6日、大まかな放送時期が2020年と決定。
今回のアニメ化発表に併せ、公式ティザーサイト、公式Twitterが始動。Twitterではこれを記念しY.Aのサイン入り小説1巻から8巻のセットを8名にプレゼントする企画も実施されている。
アニメ化決定記念として番外編『ヴェンデリンと信吾、邂逅す』で
一宮信吾(ヴェル入り)やイシュルバーグ伯爵が登場している。
同年9月、主人公・ヴェンデリンとメインヒロイン・エリーゼ役のキャストが発表された。
同年12月、正式な放送時期が2020年4月に決定。
続く1月、2月にもキービジュアル、追加キャスト、放送及び配信情報、主題歌など続報が解禁された。
TOKYO MX・BS11・AT-X・J:テレで放送の他、AbemaTV・dアニメストアほかにて順次配信予定。
制作スタッフ
監督 | 三浦辰夫 |
---|---|
シリーズ構成 | 宮本武史 |
キャラクターデザイン | 田辺謙司 |
音響監督 | 菊地晃一 |
音響制作 | グルーヴ |
効果 | スラワ・プロ |
音楽 | カテリーナ古楽合奏団・関美奈子 |
音楽制作 | フライングドッグ |
アニメーション制作 | シンエイ動画・SynergySP |
主題歌
オープニングテーマ『時空の迷い人』
作詞 - デーモン閣下・宝野アリカ / 作曲 - デーモン閣下 / 編曲 - Anders Rydholm / 歌 - デーモン閣下×宝野アリカ(ALI PROJECT)
エンディングテーマ『月明りのMonologue』
作詞・作曲・編曲 - Motokiyo / ストリングスアレンジ - 菊谷知樹 / 歌 - AKINO arai×AKINO from bless4
ゲーム
2019年9月に、アニメの続報と共にスマートフォン向けゲーム化が決定。
シナリオは原作者のY.A氏描き下ろし。
『八男って、それはないでしょう!~もう一人の転生者~』のタイトルでiOS・Android向けに2020年にリリース予定。
関連動画
[yooutube:vGXn6SthCVk]
関連タグ
関連リンク
スピンオフコミカライズ版配信サイト(ComicWalker版)
他ネタバレ
一宮 信吾(ヴェル入り)
アニメ化記念で追加されたweb版番外編により5歳のヴェルが0歳の赤子同然の一宮信吾として転生していた事が明らかになった。25歳の一宮信吾に憑依しなかった事からパラレルワールドが存在していると思われる。
一人称は「僕」。魔法の才能に恵まれなくても5歳にして頭が良かった為、地球に憑依転生しなかったら五男エーリッヒの補佐として人生を歩んでいた事だろう。転生した事を周囲に言うと精神病院行きになるのは確定する為、秘密にしている。
魔法と違って知っていれば誰でも使える科学という技術に興味をもっている。
ヴェル本人は頭はエーリッヒ兄さんと同じく聡明だった為、一宮信吾本来が通っていた高校とは違う、信吾本来の学力では通えない高学歴の高校に進学していた。学生ヒロインも2人おり本来の歴史と違って一宮信吾(ヴェル入り)はモテモテのリア充になっておりヴェル(信吾入り)に嫉妬されたが、ヴェル(信吾入り)が信吾(ヴェル入り)に綺麗な奥さんであるエリーゼと結婚した事に嫉妬していた。
地球に転移してきたヴェル(信吾入り)とエリーゼと遭遇した。大人の姿をしたヴェルを自分自身と即座に理解してお互いの事について会話した。後に彼の3人の友達にも秘密がばれるが、イシュルバーグ伯爵に記憶を消されてなかった事にされた。
プラッテ伯爵&シャーシェウド会長
魔族に捕えられた悪徳貴族息子をヴェルに見捨てられた事を恨む父と貴族階級を妬む元平民による魔道具ギルドで影の薄い老害との小物コンビ。アーカート神聖帝国から没収し改造した古代兵器で逃走し、追いつかれたヴェル達に「巨大ゴーレム大魔神」(老害命名)で戦いを挑んで負けたweb版打切り用の影の薄いラスボス。
イシュルバーグ伯爵
古代遺跡文明に存在した男魔術師。web版では残した数々の古代遺跡文明のトラップや遺跡を守るドラゴンゴーレム達や再生するゴレーム軍兵により探索するヴェル達を下手な貴族勢力や敵達よりも大苦戦させた。web版では故人かつ未登場のまま連載を終えた。
しかし、アニメ化記念でweb版で古代遺跡文明の装置により地球転移したヴェル(信吾入り)とエリーゼが一宮信吾(ヴェル入り)と出会いイシュルバーグを名乗る人物とも出会う事になる物語が追加されたが、ヴェル達は魔法袋にある地球産の道具を全て奪われた上、地球上での彼との記憶を消されてヴェル(信吾入り)は再び異世界に飛ばされてしまった。
地球での活動は精々ヤクザや武器商人を増える竜ゴーレムの餌にした事位であり、ヴェル(信吾入り)や信吾(ヴェル入り)らに使った実験に関しては未遂で終わった(パワードスーツを信吾たちに与えて性能を確かめた)。
信吾やヴェルの身体の入れ替わりやイシュルバーグと謎の女性の身体の入れ替わりの関係で伯爵の憑依魔法に巻き込まれた可能性、そして実はヴェルが倒した古竜を暴れさせたという悪事を自白し、数々の諸悪の根源であった事が判明するかのように悪事が露呈した(エリーゼは伯爵への皮肉としてヴェルとの出会いのきっかけになった事を感謝した)が、ヴェルとエリーゼが伯爵に記憶を消されて再び異世界転移させられた後はweb版では一切かかわる事なくヴェルは異世界で生涯を終えたので書籍版では関わりがあるかもしれない。