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伊号潜水艦の編集履歴

2020/05/21 13:21:46 版

編集者:ひにゃ

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伊号潜水艦

いごうせんすいかん

伊号潜水艦とは、大日本帝国海軍が運用していた潜水艦のカテゴリーの一つ。略して伊号潜とも。

概要

伊号潜水艦とは大日本帝国海軍(以下日本海軍)が運用していた潜水艦の大分類における、基準排水量1,000トン以上の一等潜水艦のこと。

日本海軍は排水量別にランク分けし、排水量が大きい順に上からイロハでクラス分けした。

以下、排水量500トン以上1,000トン未満の潜水艦を呂号潜水艦、500トン未満の潜水艦は波号潜水艦とされた。(尚、呂号潜と波号潜は共に二等潜水艦とされた。)

アメリカ海軍や戦後の後継組織・海上自衛隊の潜水艦と違い、艦固有の名称は付与されず、同時期のドイツやソ連の潜水艦と同様番号で呼ばれていた。

分類

伊号潜はその用途別に数種類の下位カテゴリーがある。

代表的なものは以下の3つ。

巡洋潜水艦

略称「巡潜」。

長大な航続距離を持ち、通商破壊作戦や偵察・哨戒任務に用いられる型。速度はそこまで重視されておらず、補給艦や民間徴用船等への攻撃用として軽巡洋艦と同口径の中口径主砲である14センチメートル単装砲を装備する。

有名な米本土爆撃に成功した零式小型水上偵察機を発進させた伊号第二十五潜水艦(伊25)、米海軍ワスプ級航空母艦のワスプと米海軍のシムス級駆逐艦のオブライエンを撃沈し、米海軍ノースカロライナ級戦艦のノースカロライナを撃破した伊号第十九潜水艦(伊19)、原子爆弾の部品を輸送し終えた直後の米海軍ポートランド級重巡洋艦の「インディアナポリス」を撃沈した伊号第五八潜水艦(伊58)もこの分類。

最下級分類として

巡潜1型」「巡潜2型」「巡潜3型」「巡潜甲型」「巡潜甲型改1」「巡潜改甲型(巡潜甲型改2)」「巡潜乙型」「巡潜乙型改1」「巡潜乙型改2」「巡潜丙型」「巡潜丙型改1」

の11艦級に分けられる。

海軍大型潜水艦

略称「海大型」。

主力艦隊に随伴できるだけの速力を求めた型で、艦隊決戦の補助戦力として計画・建造された。巡潜型のように通商破壊を主目的としない為、中口径主砲は搭載せず小口径砲に分類される単装砲や高角砲、機銃を搭載する。

米海軍正規空母「ヨークタウン」を撃沈した伊号第百六十八潜水艦(伊168)、同じく護衛空母「リスカム・ベイ」を撃沈した伊号第百七十五潜水艦(伊175)もこの分類。

最下級分類として

「海大1型」「海大2型」「海大3型a」「海大3型b」「海大4型」「海大5型」「海大6型a」「海大6型b」「海大7型」

の9艦級に分けられる。

潜特型

潜水空母」とも称される、伊号第四〇〇型潜水艦のこと。潜水艦と水上機母艦を足して2で割ったような能力を持つ。

しかも搭載主砲の口径は14センチであり、第二次大戦当時としてはまさに規格外かつ常識外の潜水艦であった。

これまでの日本潜水艦にも偵察を目的として小型水上偵察機を司令塔下部に格納する艦種は存在したが、潜特型は地上攻撃を行う為の専用の水上攻撃機をなんと3機も搭載する。その「専用の水上攻撃機」とは「晴嵐」であり、伊400と同時に開発が進められた。

尚前述の巡潜甲型改2(伊13型)は、潜特型計画縮小を受けて巡潜甲型(伊9型)とほぼ同型の船体に伊400型に準じた航空艤装を施した物で、外見が酷似している(航空機搭載数は2機)。

他にも、機雷敷設艦の役割を持った機雷潜型、輸送艦(陸戦隊や、陸上火器、そしてそれらを揚陸する上陸用舟艇を運搬する艦)の能力を持った潜輸小型潜輸大型、補給艦(他艦に燃料・弾薬・糧食等を供給する艦)の能力を持った潜補型等の小分類が存在する。

余談

米軍に新型の対潜ソナーや爆雷を投入されるなど圧倒的な物量戦に苦戦を強いられ多くの被害を出した日本の潜水艦だが、その仇敵を大いに驚愕させたことがある。

先述の伊400型の艦体の巨大さ・航続距離の広大さ・そして航空機運用能力である。

当時のアメリカの潜水艦の船体長は長くとも95メートルだったが、伊400型の全長は122メートル。実に30メートル近くも差がある。原潜時代に入っても戦略原潜が登場するまで世界最大の潜水艦であった。従来のディーゼルエンジン型潜水艦としても、2010年代に中華人民共和国のものに排水量で抜かれるまでおよそ70年間もの間世界最大クラスであった。。

ちなみに大戦末期に向けて出撃した伊400型の2隻は往路では発見されることはなく、停戦命令受領後に浮上航行中の復路で臨検されている。

そして航空機運用能力については、“何らかの飛翔体を搭載し発射する”と言う構想は米軍も注目し、その後対地用の弾道ミサイルや対水上艦用の巡航ミサイルを発射する型潜水艦を開発した。

一方で、「飛行機」を発射する物も計画されたようが、諸々の課題や情勢の変化が障害となり頓挫している。

さらにそれ以外の潜水艦に関する技術も米軍は関心を示す。日本の潜水艦技術を独占したかったアメリカは当時のソ連の要求をはねつけ、技術調査の後にそのほぼ全てを海没処分している。

ちなみに現在の海上自衛隊のディーゼル潜水艦は対水上艦用のハープーンミサイルを標準装備しており、魚雷発射管より発射して海上に飛び出す仕組みである。

フィクションにおいての伊号潜水艦

真夏のオリオン

伊58の戦績を描いたノンフィクション小説を原案にした、フィクションの戦争映画。架空艦であるイ77潜水艦の戦いを描く。

紺碧の艦隊

もはや説明不要。チート伊号潜が主役の作品である。

蒼き鋼のアルペジオ

主人公一行が乗艦するのが霧の潜水艦イ401。元となった艦が伊401なのだが、霧の艦隊の常でこちらもハイパーチート級の性能である。

仮面ライダー

第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」にて、"ナチスの秘宝"が伊号第百五十五潜水艦(伊155)を通じて、シベリア陥落直前に第三帝国から当時の大日本帝国へ持ち込まれたことが語られている。

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