概要
巡潜1型潜水艦は、巡洋潜水艦の第一陣である。
本級はドイツ海軍の潜水艦・U142のコピーであるが、武装は日本式に変更され、大正15(1926)年~昭和7(1932)年までに竣工させた。 ただし燃料搭載量はU142より増量し、航続距離を約2万4000海里にまで伸ばしている。この長大な航続距離により、アメリカ西海岸を作戦行動圏内におさめることが出来るようになった。
5隻建造されたが、4番艦の伊号第四潜水艦は、先に建造された3隻より内殻の長さを延伸して冷却器を搭載されている。
また、後部に水上偵察機を分解した状態で搭載可能な格納筒とその水上偵察機を射出できるカタパルトの他、若干の武装の変更や、機器の更新を行った5番艦の伊号第五潜水艦に関しては、俗に「巡潜1型改潜水艦」と呼ばれた。
昭和12(1937)年、本級の老艦化したことにより、マル3計画で代艦を立てる予定だったが、対米戦開戦をにらんで昭和15(1940)年~昭和16(1941)年には艦齢延長工事が行われた。
太平洋戦争では、主に輸送任務などで活躍した。 終戦時残存した艦は1隻もいなかった。
主な特徴
- ドイツ海軍U142のコピー(ただし武装は日本式)。
- 機関はドイツのラウシェンバッハ式2号ディーゼルを搭載。
- 同じ艦級でも異なる設計を行った艦が存在する。
- 太平洋戦争の時点で老艦だったが、艦齢延長工事を行い第一線で活躍させた。
- 艦齢延長工事を行ったものの、安全潜行深度を75mから64mに制限した。
同型艦
1番艦伊号第一潜水艦(初代)
2番艦伊号第二潜水艦
3番艦伊号第三潜水艦
4番艦伊号第四潜水艦
5番艦伊号第五潜水艦
関連タグ
第一次世界大戦終焉から第二次世界大戦末期の1等潜水艦
海大1型潜水艦 海大2型潜水艦 海大3型a潜水艦 海大3型b潜水艦 海大4型潜水艦
海大5型潜水艦 海大6型a潜水艦 海大6型b潜水艦 海大7型潜水艦
第一次世界大戦終焉から第二次世界大戦末期の2等潜水艦