天秤座の童虎
らいぶらのどうこ
天秤座の童虎(ライブラのドウコ)は『聖闘士星矢』関連作品に登場するキャラクター。
五老峰の老師とも呼ばれる。10月20日生まれ天秤座のA型。261歳。
概要
聖域十二宮のひとつ天秤宮を守護する天秤座の黄金聖闘士だが、劇中で天秤宮に常駐して守護することはなかった(理由は後述)。
カンフー服に笠を被った小柄な老人であり、辮髪の先にかわいいリボンをつけているお洒落さん。
龍星座の紫龍を弟子に持ち、春麗(しゅんれい)というみなし子を拾って養女として育てていた。
初期には聖衣を貰いたてでやや鼻の伸びていた紫龍の未熟さに釘を刺すために春麗を日本に派遣してまで自分が危篤だと嘘をつき、ハーデス編初頭では春麗をほっぽらかして参戦しようとした紫龍を諭したりと、意外に柔軟な人でもある。
また2人の仲を後押しするような描写も見られ、弟子には聖闘士としての忠誠や技量のみならず、私的な幸福を願う人情溢れる部分もある。
またNDではけっこうアバウトな一面も描写されている。
星矢達の時代より243年前に起きた前聖戦の生き残りであり、聖戦終結後は五老峰の大滝の前に座したまま、ハーデス軍の魔星が封じられた塔を監視していた。遠方から見えているのと思われているが、チャンピオンRED版による新規外伝で、廬山の大瀑布を身鏡の代わりに映し見ていた様である。
先代のアテナに仮死の法『MISOPETHA-MENOS』を施されており、文字通り脱皮して衝撃の若返りを果たし、二度目の聖戦に参加することとなる。
若返った姿は、ややごついアゴを持った黒髪の男で、その背中には虎の顔の紋様が浮かんでいた。
何気に、敵を倒した勝利シーンが一度も描かれていない。というか、唯一の見せ場と言っていい若返り直後のシオンとのバトルも有耶無耶なまま中断されているばかりか、冥王軍の目をごまかすためのフリだったと解釈すると、まともな戦闘シーンじたいが無いともいえる。(多分、直接描かれていないだけで、冥界の嘆きの壁に向かう道中で、冥闘士の一人や二人は倒してるのだろう。と思いたいが、)
原作で聖域に初めて登場した際、
「そ~れFIGHT!」・「やっピー!」とのりピー語を口にするというシュールなシーンが存在した(文庫版以降ではフキダシごと削除されている)。
『ND』での童虎
『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』(以下ND)では、前聖戦時代の若い童虎の姿が描かれている。
若いとは言えども一人称は『わし』。
教皇から黄金聖衣を与えられ、友のシオンとともに青銅聖闘士から黄金聖闘士へと昇格する(昇格前に何座の聖闘士であったのかは不明。少なくとも後述の、過去にやって来た紫龍が、龍星座の聖衣を纏っている事に対して特に反応もないトコロからすると、童虎が元龍星座の青銅聖闘士だったとは考えにくい)。
黄金聖闘士になりたての身で一人ハーデスの首を取りに行こうとするなど、軽率で未熟な面を見せる。しかし弟を喪ったばかりの親友・水鏡を気遣うなど、仲間思いの一面は当時からある。
尚、その容姿は原作で若返ったときと同じである。また水鏡が使っていた杯座の聖衣に映った自身の未来の姿を見て驚いていた。
未来の弟子である紫龍が過去にやってきて対面する。
『LC』での童虎
前聖戦時代を描いた『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』(以下LC)にも童虎は登場する。
同じ時代を描いている『ND』とはパラレルストーリーとなっているため、両作品では童虎の設定も大きく異なる。
『LC』の童虎は物語開始時点で既に天秤座の黄金聖闘士になっている。
主人公・天馬星座のテンマの師匠であり幼い彼の才能を見出し聖域で立派に育て上げたり、敵である輝火の心の傷に気づいて彼を救おうとする等若い内から人格者である事が伺える。
原作の必殺技の他に、後の弟子・紫龍の必殺技である廬山龍飛翔と廬山亢龍覇を使用する場面がある。
Ωの童虎
本人は既に死亡して久しい時間軸のため、回想シーンでのみ登場。
天秤座の黄金聖闘士を名乗る玄武が登場しており、紫龍が管理していた天秤座の黄金聖衣を半ば奪い取る形で持ち去っているが後に彼は修行を完遂しないまま出奔した童虎の弟子であり、主人公サイドの味方であることが判明している。
修行当時玄武は度々脱走する不真面目な弟子であったが、童虎は彼の才能自体は認めつつも修行をさぼる彼に度々説教をしていた。結局玄武は童虎の生前には聖闘士にならないまま一端ドロップアウトしていたが、紫龍が魔傷で動けない状態になったため強引に天秤座の聖衣を奪いに再来、天秤座の聖衣は彼を装着者と認め自ら飛んでいった。玄武の出奔の経緯を未だ許していない紫龍は激怒して威嚇していたものの、聖衣に残る童虎の意思は弟子の更正と成長を認めていた模様である。
また、同作中では一時期紫龍が天秤座を継いでいたことも判明した。
ちなみに玄武の正体が明かされた回では、回想シーンにて老人としての姿が、イメージにて青年としての姿がそれぞれ登場しており、これによって原作はもちろんのことNDといった現在展開が続いているものに限れば、主要な派生作品の全てに2つの姿で出演済みという意外な皆勤賞を更新中である。
黄金魂の童虎
仲間たちと合流するべく自分の存在をアピール出来る闘技場にて戦っており、アルデバランと合流。年長者ながら蘇った命を楽しむ余裕を見せているが、一方で年長者としてアルデバランの迷いをヘラクルスと戦わせて払拭したり、ユグドラシル内では諌めたり纏め上げるなど縁の下の力持ちとして尽力する。また、ムウとの共闘の際は、かつての友シオンを重ね合わせていた。
アンドレアスとの直接対決の際には、シャカが身を挺して創り出した反撃のチャンスを利用してサガやムウと共に神聖衣によるアテナエクスクラメーションを披露した。
なお、冥界編までの作品とは異なり、ムウを除いた黄金聖闘士からは呼び捨てかつ砕けた口調で会話されている。
余談
LegendofSanctuaryでは存在は臭わされているだけで出番は無かった。
雑誌「CG WAORLD」や映画パンフレットのスタッフインタビューによると、当初の脚本では出番の予定があったものの尺の都合でやむを得ず削ったと言うことである。「CG WAORLD」には老人としての姿の設定画が掲載されていた。