美しさこそ真理。そして美しさこそ妾。
どう? 他に言うべき事があるかしら?
プロフィール
概要
『Fate/GrandOrder』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは最高位の☆5(SSR)。
2016年のハロウィンイベント「超極☆大かぼちゃ村~そして冒険へ…~」にて限定実装された。
同イベントでは、とある理由からエリザベートのチェイテ城を乗っ取り「ハロウィン禁止」を言い渡す。
真名
歴史にその美しさを残した悲劇の女王、クレオパトラ七世フィロパトル。
プトレマイオス朝エジプト最後の女王にして、実質的な古代エジプト最後のファラオ(※)。
多くの創作物では愛に溺れ、国を私物化した妖艶な美女と言われているが、事実は真逆。
知性深く、特に経済手腕は天才的で、その采配によって軍事力に劣るプトレマイオス朝エジプトを世界有数の経済国家にまで育て上げたトップレディ。
クレオパトラは生涯で2人の男に寄り添った。
第一に、カエサル。彼に対しては明確なまでに恋に落ちた。その情熱と想いのさまは、地中海をそよぐ風さえもが煌めいて見えるほどだったが……。
彼は死んだ。地中海世界の統一を目前にしながら、暗殺されてしまった。息子カエサリオンを残して。
そうして涙に暮れるクレオパトラの前に訪れた人物があった。クレオパトラとプトレマイオス朝エジプトを守ると告げた男、ローマの将軍アントニウスである。
自らの国と民、そして2人の男───ローマのカエサルとアントニウスを愛し、最後は自死した。
2人の男に寄り添い、彼女は死んだ。
恋だった。想いの果てだった。打算の産物などであるものか。
───けれど、後世はおろか当時でさえ「魔性の女がローマの将軍たちを誘惑した」と口々に囁かれ、結果として、英霊となった後にサーヴァントとして現界した当世では「魔性の美貌を有する誘惑の女」としての存在を得た。
それでも、矜持として───。寄り添うのは、素敵な殿方のみ。
共に死しても惜しくないと信じられる誠実な内面を有した人物、かつて自分が愛した男たちのような相手のみ、見事、誘惑してみせよう。
※厳密には、『最後のファラオ』はクレオパトラが最後の数年間に共同統治者として選んだ我が子カエサリオンとなる。クレオパトラの死後、少なくとも数日はカエサリオンが長く生きたためである。
だが命を落とした折のカエサリオンは僅か9歳。国を統べ、運命と戦った事実上の『最後のファラオ』はクレオパトラであろう。
人物
一人称は妾(わらわ)と私(わたくし)を使い分けており、ファラオとして話す場合は前者、彼女個人として話す場合は後者になることが多い様子。
公の場では女王として高慢に振る舞うが、クレオパトラ個人となるとその破天荒ぶりは控えめになり、育ちがよく思慮深い、クールなお嬢様となる。
属性を一言でいうと高飛車ドS親切。加虐趣味なのに親切。ドS、加虐趣味ではあるが、他人を苛む事で快感を得ている訳ではない。自分が気持ちよくなるために他人を罵倒しているのではなく、単にそういう性格なだけである。
女王として振る舞うが、根は礼節を弁え、周囲に気を配り、和を保とうとする人格者。
他国の使節団たちがやってきた時も、
「妾の国では妾こそ絶対の基準、醜いものは誰であれ奴隷と変わりはない。
フッ、覚悟する事ね下等あるいは低質のブ男たち! ここで思う存分くつろいでいきなさい!」
…などと、罵倒の先制パンチ直後にその健康を気遣い、最上級のもてなしで労うのが常。
そのせいかクレオパトラに罵られる為に謁見を求める使節団が後を絶たなかったとか。
彼女は美しさが広く伝わっているが、むしろ弱小国だったプトレマイオス王朝を世界有数の経済大国に育て上げた経営手腕こそが真骨頂。
絶大なカリスマも合わせて施政者としての素質は抜群と言える。
『超極☆大かぼちゃ~』のストーリーでも、彼女が実施したハロウィン禁止政策に対してお付きの騎士(子持ち)が疑問を述べた際には、
「不敬者!妾に口答えなど処刑ものです!
ですが子供に免じて有給一日で許してあげましょう!」(=明日は家族サービスに専念なさい)
と言い放ち、わたあめの鞭でビンタするようなホワイト上司っぷりを発揮している。
そこ、「ツンデレじゃね?」とか言わないように。
召喚時には、人生最大の山場の一つだった有名なかの出逢いになぞらえて絨毯の中から登場する演出を盛り込もうかと一度は考えたとのこと。
サービス精神旺盛である。
なお、この演出はバレンタインイベントにて実際に実行している。
能力
意外に肉体派で、女性ながらに英雄クラスの「筋力:B」、アサシン補正だとしても驚異といえる「敏捷:A」と、見た目以上にアクティブなステータスをしている。皇帝特権の恩恵もあるのだろうか。
ただ波乱の生涯を反映してか、「幸運:D」とあまり運には恵まれていない。
戦い方は、蹴りなどの他に、何処ぞのモデルのようなポーズを取り、発生した光が敵にダメージを与えるというなんとも異質な攻撃方法である。
彼女曰く「ファラオ闘法」。ファラオ闘法とは「偉そうにすればするほど敵にダメージを与える魔技」だそうで、鼻・口・頭の位置が高いほど良いとされる。「頭が高い」「鼻が高い」などの、後世に伝わる慣用句の語源はファラオ闘法なのだとか。
なお本人としては、暗殺とかしたことないのにアサシンクラスなのはいまいち納得できないらしい。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | B | C | A | D | D | A |
保有スキル
皇帝特権(A) | 本来持ち得ないスキルを、本人が主張することで短期間だけ獲得できるというもの。該当するのは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、と多岐に渡る。Aランク以上の皇帝特権は、肉体面での負荷(神性など)すら獲得が可能。クレオパトラは本来は不得手な戦闘をこのスキルで補っているため、皇帝特権スキルが本来有する圧倒的な性能は発揮できない。 |
---|---|
黄金律(富&体)(B) | 第一に、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命を示す。富豪として充分にやっていける金ピカぶり。数多の王やローマの有力者たちから絶えず援助を求められたほどの豊かな王朝を運営した事実が、彼女にこのスキルを与えている。第二に、生まれながらに有する女神の如き完璧な肉体を示す。二種の黄金律が複合した特殊スキルである。 |
女神の加護(C) | 女神イシスの加護を示すスキル。 |
気配遮断(B) | 自身の気配を消す能力。自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。女王でありながらBランクという高さは、恐らく「カエサルとの謁見」(貢ぎ物に紛れて王宮に進入した)の逸話が元と思われる。 |
神性(D) | 神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。プトレマイオス朝のファラオはかつてのオジマンディアス王のような伝説のファラオに比べると神々との繋がりが薄く、神性スキルを有さない。しかし、クレオパトラは例外的にその美貌から「女神イシスの化身」とみなされ、神性スキルを得ている。 |
宝具
暁の時を終える蛇よ、此処に(ウラエウス・アストラぺ)
- ランク:A
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~50
- 最大補足:50人
其はエジプトの落陽、終焉を示す時の蛇。
最後のファラオとして命じます
巨大な怪物、全身に炎を纏う黄金と青の縞模様の蛇を召喚する。
騎乗スキルを有していないため、クレオパトラが操ることはできない。故に、蛇はただただ周囲を破壊し尽くすのみで、クレオパトラもダメージを受ける。ただし神性スキルを有していれば、ランクの高低に比例してダメージが減衰される。
この蛇をクレオパトラは「神獣」と称するが、厳密には幻想種としての神獣ではなく、古代エジプト終焉の概念が具現化されたもの。自ら命を絶つことで数千年に渡るエジプトの歴史を閉ざすことを選ぶしかなかった生前の彼女の無念と苦悩が、ファラオの神性を象徴する蛇(ウラエウス)と結びつくことで宝具と化した。
象徴の蛇がコブラであり、クレオパトラが自殺の手段に選んだのもコブラであったのは、偶然か、意図か、それとも定められた運命によるものか。
ウラエウスは古くから信仰されるエジプトの女神であり、王権の守護者にして猛火と猛毒の破壊神。
その姿はコブラそのものであり、怒りの体現者とされる荒々しい女神である。
ファラオの装身具に付けられたコブラは、この女神がモチーフで、自身に資格なく触れようとする者を無に帰し、怒りを露わにすると翼を得て空を舞うという。
真名解放と共に召喚されたこの女神は、その身を業火に変えて昇天し、敵陣の一切を焼きつくす。
己の死に様を炎の概念宝具と化して叩き付けるという点がかの聖女の固有結界を彷彿とさせる。
ゲームでは、種別はBusterで、効果は【自身のBuster性能をアップ(1ターン)+敵全体に強力な攻撃+自身のHPを1000減らす(デメリット)】。
強化後は【敵全体に強化無効状態を付与(1回・3ターン)】の効果が追加される。
ゲームでの性能
HP13,000を超え、実装時点で最大の耐久力を持つ。ATKも11,000を超えるため、なかなかに頼もしい。
《Quick:2/Arts:1/Buster:2》と、☆5アサシンとしては初のランサー型。
どの攻撃も多段ヒットするため、NPチャージもクリティカルスター生産も器用にこなす。
スキルは、HP回復&ランダムで攻撃UPと防御UPを付与する「皇帝特権(A)」、NP獲得量UPの「黄金律」と3ターンNP獲得状態とHP回復状態を付与する「黄金律(体)」の複合スキル「黄金律(富&体)」、1ターン自身に無敵状態&弱体解除&スター獲得の「女神の加護(C)」、の三つ。
どのスキルも耐久力を支える重要な要素を含んでおり、有用性が高いもので固まっている。
宝具は上述の通り。
☆5アサシンとしては貴重な全体攻撃宝具であり、さらに☆5アサシンとしては初の〔宝具(B)BB→EX〕のBusret&Braveチェインによる大ダメージ狙いが可能となっている。
強化後は「強化無効」の効果が追加された。1回限りではあるが、厄介なバフを巻くパターンが増えている事と宝具回転率が良く頻繁に付与できる事から、妨害性能は中々に良い。
また、全体に付与可能なのは彼女の特権であり、高難易度クエストのような多数のサーヴァントを相手取る際には手数で優位が取れる。
主力アタッカーとしては勿論、それ以上にスター生産と短時間での宝具解放の両面をこなせる器用万能タイプとしての一面を持つため、サブアタッカーとしても優秀。
同じ全体攻撃宝具の酒呑童子とは、直接のデバフで相手をキリキリ舞いにするか、スター稼ぎとザコ散らしによる攻撃的な支援を得意とするかで、住み分けが出来る。
育てるほどにその頭角を表す優秀なサーヴァントだが、やはりというか霊基再臨やスキルLv育成に甚大な素材が必要になる。
霊基再臨では「血の涙石」が合計9つ、「封魔のランプ」が6つ。スキルレベルでは各スキルごとに「封魔のランプ」が9つ、「鳳凰の羽根」が12枚、「追憶の貝殻」が22個、「智慧のスカラベ」が10個と、恐ろしい数のレア素材を要求してくる。
特に彼女の場合、スキルLvが強さに直結するため、出来るだけレベルを上げておきたいところ。
ファラオに対して貢ぎ物をケチる訳にもいかんということか……。
イベントでの交換アイテムや、戦闘でのドロップアイテムとして入手できる機会も増えたので、一応ハードルは下がったものの、調子に乗ってLvUPしていくとQPの枯渇が待っているので注意。
スキルLv上げが相当な苦行と化すが、愛を惜しまず育成すれば、必ず彼女は応えてくれる。
なにせ、女王にして史上屈指の“尽くす美女”なんですもの。
関連人物
生前
プトレマイオス1世
プトレマイオス朝の祖。要するにクレオパトラのご先祖様。
デアドゴイ戦争を戦い抜き、プトレマイオス朝を成立させた。
征服王イスカンダルから薫陶を受けた歴戦の戦士であり、“征服王の後継者(デアドゴイ)”の1人とされる。
先輩ファラオの1人であり、彼女のご先祖様であるプトレマイオス1世の上司にあたる人。
彼無くしてプトレマイオス朝は存在し得ない為、出自的に最も頭が上がらない相手。かなり深く尊敬・心酔している。
プトレマイオス14世
自身の弟であり、王朝再建のために政略婚で縁を結んだ最初の伴侶。
しかし側近と妹に唆されて疑心暗鬼に陥り、クレオパトラを追放してしまう。
その後カエサルを味方に付けた姉に返り討ちに遭い、決戦のさなかに溺死する。
マルクス・アントニウス
カエサルの死後、その後継者と目されたローマの執政官。彼女の3人目の伴侶。
クレオパトラへの溺愛ぶりは凄まじく、ローマの同胞さえ呆れ果てるほどにエジプト被れと化した。
その盲目的な愛ゆえに、オクタヴィアヌスとの決戦では数々の失態を演じて自滅することになる。
カエサリオン
カエサルとの間に授かった1人息子。
オクタヴィアヌスとの決戦を前に亡命させるも、クレオパトラの死後に発見され処刑されてしまった。
Grand Order
生前の恋人。陰謀や擦れ違いにより分たれてしまったが、その愛は今なお続いている。
生前の彼は晩年期でありスマートだったため今のふくよかな姿には驚いたものの、「ふくよかでも素敵なんてありえない!」とメロメロのご様子。
もっとも、在りし日の姿を取り戻して欲しいとも思っているため、度々彼のダイエットへ向けた計画を立てている。
先輩ファラオの1人。2016年ハロウィンイベント等では共演している。
相手を威圧する態度の中に世話焼きな人の好さが透けて見える女性ファラオと言う共通点がある。
同じく先輩ファラオの1人。
2016年ハロウィンイベントにて共演。クレオパトラの在り方に対してとある世話を焼いた。
2017年ハロウィンイベントにて共演。女性統治者のアサシンつながりでチェイテピラミッド姫路城にてつるんでいたが、エリちゃん一行迎撃の際置いてきぼりを喰らってピラミッド内にて拗ねていた。
2017年ハロウィンイベントにて共演。美の探究者にしてバリバリのキャリアウーマンとして、上辺だけ取り繕った洗練には程遠いかわいこぶりっ子をとことんこき下ろした。
余談
本来ならイメージ的にキャスターか、艦隊を率いた逸話からライダーの適性が妥当に思えるが、「政争で都落ちの逃亡中、エジプトに和平交渉に来たカエサルと謁見すべく、首都に帰還して王宮に貢ぎ物に紛れて潜入した」エピソードから、アサシンの適性を得たと推察できる。
他にマタ・ハリ同様、時代の英雄たちを次々と虜にした逸話も、その適性に一助している可能性がある。
また、同じく女王アサシンとしてセミラミスがいる事から、毒に関する逸話からアサシン適正があるのでは?という見方も。
クレオパトラは自殺する前にどのような毒が良いか見定める為に奴隷を使って実験していたという伝承やコブラを自分の乳首に噛ませて自殺したという逸話が残っている。Fate世界ではそこら辺が真実なのか不明だが。
今日におけるクレオパトラには「黒髪に褐色の肌、ファラオらしい金を基調とした衣装を纏うエキゾチックな女性」といったイメージが強い。
しかしクレオパトラは本来プトレマイオス朝・・・つまりギリシャ系の血を引いており、プライベートではギリシャ風の衣装を着ていた色白の女性だったとも言われている。
本作におけるクレオパトラが色白の肌なのは、普遍的な従来のイメージでは無くその説を採用したからだと思われる。
ちなみに、現代まで続く褐色肌のイメージが定着した理由は・・・だいたいコイツのせいである。
ちなみに、当時のギリシャ人はいわゆる「白人」としてイメージされる容姿とも大分異なると言われている。現在でも、地中海沿岸の住人は真っ白な肌という訳では無い。
そもそもエジプト自体日射の強い地域なので日に焼けていた可能性も当然あり、仮に元が色白であっても密室で日光を完全に遮断でもしなければ、多少なりとも濃くなるのが自然と言える。
また彼女の妹であるアルシノエ4世のものとされる遺骨(確定では無いが)は、ギリシャ系とアフリカ系の混血であった可能性を指摘されており、姉ともども肌が濃かったかもしれない。
何であれ、彼女の姿はその美貌も含めて後世の想像による部分が大きいので、本作のクレオパトラ像のような色白の肌も、一説によるものでしかないことは留意すべきだろう。つまりは言ったもん勝ち。
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