西武10000系

せいぶいちまんけい

西武鉄道の特急形車両。「ニューレッドアロー」。

概要

西武10000系とは西武鉄道の特急形車両で、2代目のレッドアロー、「ニューレッドアロー」(NRA)のことである。

西武新宿線系統の特急「小江戸」新設に際し1993年に登場。西武池袋線系統の特急「ちちぶ」「むさし」にも投入されることになり、1996年までに7両編成11本が製造された。2003年には列車増発のため7両編成1本を増備している。

10111編成までは車体は新製でありながら足回りを初代レッドアロー5000系・旧101系の走行機器を流用しているため、中空軸平行カルダン駆動・抵抗制御と旧世代。走行音が平成生まれとは思えないほど爆音となっている。

最後に製造された10112編成のみは機器流用車ではなく完全新造で、走行機器は西武20000系に準じたものを新製し、WN駆動・VVVF制御となっている。ただし、台車のみ流用。行先表示器が幕式からLEDに変更されるなどの変更もある。

先述の通り10000系は機器流用車であるため、代替車両として西武池袋線系統向けに2019年より新型の「001系」が8両編成7本を導入。2020年3月14日のダイヤ改正に合わせて池袋線系統の定期列車から退いた。

現在、10105編成、10108編成～10112編成の6本が新宿線に配備されている。(残りの6編成は廃車)

定期列車は特急「小江戸」のみの運転になっているが、臨時列車として西武球場前駅方面の特急「ドーム」も一部が本系列使用となっている。

1号車と7号車は座席の他、トイレや自動券売機が設置されている。2～6号車は座席のみの構成となっている。

第12編成増備に前後して、それ以前の編成に対し腰掛の交換などのリニューアル工事を行った(古い腰掛は秩父鉄道 6000系、伊豆急行 8000系へ転用)。

10111編成を使用。

舞台が川越市なことから、2009年3月20日～9月26日まで、主演の多部未華子をはじめとする出演者のラッピングを施工。

10105編成を使用。

2011年より初代レッドアローの塗装をモチーフにした塗装で、車体はクリーム・赤色・銀で覆われている。この編成は第一回目の拝島線特急にも使用された。

10107編成を使用。

2011年7月19日～2013年まで運行。車体の赤い帯をグリーンにして、先頭・側面などに観光名所などのステッカーを貼った。

秩父市の秩父夜祭と川越市の川越まつりが、ユネスコの無形文化遺産に登録されたことを受け、観光客誘致のためにラッピング。赤い帯がゴールドになり、山車や地域の代表的なランドマークのデザインとなった。

メットライフドームにてラブライブ!サンシャイン!!Aqoursのライブとタイアップしたラッピング車両。1号車と7号車は2人、他は各1人ずつAqoursメンバーを配置。

10112編成を使用。

2018年12月15日～2020年1月6日の間、カナヘイの小動物「ピスケとうさぎ」を使用した川越への観光キャンペーンの一環でラッピングされた。2020年3月からは40000系にラッピング車両を変更。

10110編成を使用。

池袋線の10000系運用が終了するのに伴い、2020年2月24日～3月13日の間期間限定で先頭部に「ラストラン」表記が追加されていた。引退式はCOVID-19の影響で中止された。

10102・10106編成のうち、10106+10206+10606+10102(※10102は方転)の4両が解体されずに編成を組み、横瀬に長期留置の後、2020年10月11日～12日に、富山県の魚津駅まで甲種輸送された。

牽引は新秋津～高崎間がEH200-13、高崎～南長岡間がEH200-14、南長岡～魚津間がEF510-18。

現段階では正式な発表発表はないが、富山地方鉄道へ譲渡されたと思われる。

なお、富山地方鉄道では先代レッドアローの西武5000系が活躍しており、富山の地で新旧レッドアローが揃うことになる。