ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴
編集者:patch
編集内容:記事に追記

暗殺チーム

あんさつちーむもしくはひっとまんちーむ

漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第5部、「黄金の風」に登場するグループの一つ。

概要

ジョジョの奇妙な冒険」第5部「黄金の風」に登場するギャング組織「パッショーネ」の暗殺専門部隊。リーダーのリゾット・ネエロ以下、総員は9名(登場時点では7人)。

原作ではブチャラティから「暗殺者(ヒットマン)チーム」と呼ばれたこともあり、アニメ版ではこちらの呼称が用いられている。 表記ゆれ→暗殺者チーム

一部ファンからは「暗チ」と略されることもある。

ボスは重要な縄張りを彼らに与えることは絶対にしなかったし、暗殺という大きな危険と犠牲の伴う仕事の割に収入といえばボスからの報酬だけであったことに、『自分たちはもっと実力があるのによぉ! もっと報酬をもらってもいいはずだぜ!?』として麻薬を支配するボスに反感を持っていた。

そんな中、メンバーのソルベとジェラートがボスの正体を調べようとした「罰」として惨殺されてしまう。

これにより一旦反抗を諦めるが、ボスにトリッシュ・ウナという実の娘がいるという事実を掴み、組織に反旗を翻すことを決意し、ボスの暗殺と組織の麻薬ルート乗っ取りを目論む。

ボスの正体を暴くためにトリッシュを拉致しようとし、ブチャラティ達(護衛チーム)を追跡して死闘を繰り広げた。

ボスを倒すという狙いはブチャラティ達と同じだが、最終的な目的は麻薬ルートの独占であり、一般人すら巻き込む人殺しを平然と行なっている。同じギャングでもジョルノやブチャラティが目指す改革ではなく、あくまで利益を得るための行動である。 実際ナランチャからギャングでもなんでもないトリッシュを狙うことを指摘された際は『くだらない「次元」の話』『何百億だぜ…何人死んだってちっとも変じゃあねえ金額』だと切り捨てている。

しかし、根底にあるのは殺された仲間の復讐である事や、暗殺を本業としているだけあって目的のためなら自らの身を犠牲にする事すら厭わないメンバー一人一人の「覚悟」の強さは尋常ではなく、行く先々で護衛チームを苦しめた実力の高さや名言・名シーンの多さなどから人気が高く、ファンも多い。

最終的にはホルマジオ、イルーゾォ、プロシュート、ペッシ、メローネ、ギアッチョの6名は護衛チームとの死闘の末に戦死。生き残っていたリゾットもサルディニア島でボスであるドッピオと入れ替わっていた状態のディアボロを追い詰めるも返り討ちとなり、リゾットの死を以て暗殺チームは事実上全滅した。

メンバー

どうやら全員が「暗殺の訓練」を受けているらしい。

リゾット・ネエロ

スタンド『メタリカ』。暗殺チームのリーダー。

ホルマジオ

スタンド『リトル・フィート』。「しょうがねえなあーっ」

イルーゾォ

スタンド『マン・イン・ザ・ミラー』。鏡使い。

プロシュート

スタンド『ザ・グレイトフル・デッド』。兄貴の中の兄貴。

ペッシ

スタンド『ビーチ・ボーイ』。マンモーニ

メローネ

スタンド『ベイビィ・フェイス』。変態。

ギアッチョ

スタンド『ホワイト・アルバム』。すぐキレる。

ソルベ(左)とジェラート(右)

非常に仲の良いコンビで、チーム内で「デキてるんじゃあないか?」とまで言われていた。

秘密裏にボスの正体を探ろうとした為、ボスの逆鱗に触れ始末された。

彼らの凄惨な死に様は他のメンバーに「ボスへの反逆が何を意味するのか」を知らしめることとなった。

アニメ版における描写

原作ではシルエットの集合図で描写されたくらいで、チーム全員が一堂に会するシーンは一度もない。プロシュートとペッシが行動を共にしていたのを除けば、メローネとギアッチョが電話で会話した程度である。ホルマジオが『チームが受けた屈辱』について回想する場面で数名の姿が描かれるものの、この段階では全員シルエットのままだった。

アニメ版では、その回想シーンにおける描写が大幅に追加され、ホルマジオが暗殺を成功させてアジトに戻った際、リゾット以下全員が揃って会話する場面もあり、ファンを狂喜させた。

他にも、

  • ペッシを「連れがミルクを飲んでいたら格好がつかない、そこまで考えろ」と叱るプロシュート(ただその後、ペッシはプロシュートの目の前でミルクを飲んでいる描写があり、仕事の上での警告に過ぎないと思われる)。
  • ホルマジオの暗殺の仕事にメローネ、プロシュート、ペッシが同行している(ペッシはプロシュートが同行させた模様)。
  • ホルマジオがペッシをからかってみせる。
  • 女性客の脚を眺めて舌なめずりするメローネの変態性にホルマジオ、プロシュート、ペッシが引いている。
  • ホルマジオの暗殺の凄惨な結果にペッシが腰を抜かす。
  • リトル・フィートは、くだらないスタンド能力」と笑うイルーゾォと、ホルマジオが軽く煽り合う(原作でもホルマジオのスタンドが皆からくだらないと言われていた)。
  • なお、イルーゾォはソルベとジェラートの不在を聞くと「(ソルベとジェラートは)できてんだろ?」と二人の仲を揶揄しており、それを聞いたホルマジオは自身のスタンドの件とは打って変わって「てめえの方がくだらない」と即座に反論している(原作ではソルベとジェラートの仲は「できてるんじゃないか」と疑惑止まり)。
  • メローネから今回の暗殺の報酬額を聞き、あまりの額の低さに安過ぎだとキレるギアッチョ。
  • ソルベは金にがめつく、分け前の話には必ず参加するので、姿が見えないのを不審がられる。
  • ソルベとジェラートの行方を捜すメローネ、プロシュート、イルーゾォが、パソコン通信で連絡を取り合っている。
  • ギアッチョが「自分たちの実力は組織No.1なのに納得いかない」とキレる。
  • ジェラートの死体の第一発見者がホルマジオになっている。
  • ソルベとジェラートはお揃いのペディキュアをしており、それがきっかけでペッシは『謎の芸術作品』が輪切りにされたソルベの死体であることに真っ先に気付いた。そのあまりの残忍さに戦慄する暗殺チーム。
  • 葬儀の後、「2人の事はこれっきり忘れろ」とメンバーに命じながらも、最後まで教会に残って何かを思うリゾット。

などと、個人や関係性がより深く描写されることとなった。

なお、この回想の冒頭で「2年前 / ネアポリス」と表示されており、ソルベとジェラートが始末された一件は本編より2年前の「1999年」に起きた出来事という設定になっている。

これは(これまたアニオリで)ソルベを輪切りにしていた人物と同じ髪型をしているある人物が組織に入ってきた時期と一致する。また、これによってペッシは最低2年は暗殺チームに在籍していることになる。

アニメ版の報酬に関する考察

上記のホルマジオによる暗殺は、議会に環境問題に関する議案を提起しようとしていた、おそらく議員である男をターゲットにしたものであった(ナポリはゴミ問題が深刻化しており、さらに現実でも廃棄物の処分をマフィアが牛耳っている。この男はそれを止めようとして目をつけられたようだ)。そこでギアッチョが今回の仕事の報酬をメローネに尋ね、2000万リラと聞かされると「やっすいな、オイ!」とキレるシーンがある。

※リラはイタリア通貨で舞台となっている2001年を最後にユーロに移行した。 ちなみに原作の発表年は1995年から1999年で、数年未来の話を書いていたことになる。もし舞台設定が1年ずれていたら変更はユーロになっていたかもしれない。

「2000万」という数字だけ見ると充分巨額に思えるが、当時の日本円とリラのレートは1リラが約0.06~0.07円程度で推移していた。原作で「ポルポの遺産が6億円」と表記されていた部分がアニメでは「100億リラ」に変更されたことからして、1リラ=0.06円と考えて良いだろう。そうするとこの2000万リラを日本円に換算すれば、約120万円ということになる。

そしてそれを山分けした場合、仮にソルベ・ジェラートも含めた9人で均等に分けると13万円ちょっと。リーダーのリゾットと実行犯のホルマジオが多めに取るとしたら、10万円前後にしかならない。安過ぎる。他のメンバーも事前の情報収集や尾行などで働いているであろうから、報酬に不満を抱くのも当然である。

なお、イタリアの平均年収は200万円前後であり、貰っているとも言えなくはないが、仮に15万円が月収相当だと年収180万円にしかならない。暗殺という仕事上メンバーの顔が割れるのは組織にとっても不都合なはずであり、隠れ家や食料など最低限のライフラインは組織が面倒をみていると思われるが、闇組織の、それも命を直接やりとりするチームの金額としては全く持って割りに合わないだろう。(荒事なり抗争なりの報酬の相場ということなのだろうが、それこそ組織が暗殺チームをただの兵隊かそれに毛が生えた程度にしか考えていないと言うことになる)

先述の、幹部だったポルポが死亡した際に、その遺産6億円=100億リラ相当の隠し財産を上納したブチャラティが新たに幹部に昇格したという事例から換算すれば、2000万リラとは、空いた幹部の椅子に座るために必要な金額の500分の1でしかないということがわかる。 もっともペリーコロはその金こそがその者にしかるべき頭脳と信頼がある証となるとし、ボス自身も幹部の試練と呼ぶなど幹部に必要な資質を持っているかの判断基準に用いられているため暗殺チームに限らず生半可な手段ではその金額には届かないであろう事がわかる。(実際ブチャラティは信頼があったからこそ、その金をポルポに任せられていた)

ちなみにギアッチョは「ポルポは賭博を仕切ってウハウハ、麻薬を扱う連中も大儲け」ともこぼしており、その同列扱いからすればポルポの隠し財産が6億円というのはやや少ない感じもしなくはないが、いずれにせよ暗殺チームからすれば羨望の的であり、不満と怒りの種である。

アニメ版での描写や小説版での暗殺事例を見るに、暗殺チームの仕事とは政府要人の殺害や拘置所襲撃など、「単なるギャングの抗争の範疇に収まらない、公的権力を相手取った」”ヤバイ”仕事である。

現実的に考えると、そのような暗殺自体が買収や説得などが不可能な場合に限る、交渉手段としては殆ど最後の手段であり、恐らくは賄賂で懐柔している警察にわざわざ捜査の口実を与えるなど、利益は少なくリスクだけはべらぼうに高い。組織が力をつけ、政界や警察にコネが効くようになれば必然的に暗殺の機会が減っていき、その場合は暗殺チームは「ただ単に組織にとって不利な秘密を知る生き証人」になってしまう(そのような状況を、ポルポの刑務所での暮らしぶりが端的に示していると思われる。)

報酬額を上げること自体は可能だろう、しかし組織の拡大に比例して増える他勢力との抗争や荒事を担当している別の構成員達から不満が出かねない。ならば暗殺チームにさらに危険な仕事を大量に任せられるか?・・・・悪循環そのものである。

無論、涙目のルカのような一般構成員と異なり、全員がスタンド能力者であることは暗殺チームの大きな強みではある。しかし、スタンドという不可視かつ超常的な力を持つスタンド使いという構成員が暗殺チーム以外にも多数存在し、さらに組織はそのスタンド使いを矢によって増やすことができる。

つまり、組織からすると暗殺チームを厚遇する理由は特にないことがわかる。仮に暗殺チームが全滅したとしても人を殺すことが出来るスタンド使いを補充すれば良いだけなのである。

そもそも強力なスタンド使いであるボスからすればスタンド使いでもない一般人を殺すことなど造作もないことであり、 「スタンド使いであればこのくらいできて当然」とボスが考えていたとしても不思議ではない。スタンドという能力自体スタンド使い以外には認識することができない代物であり、傍から見たらまず不可能犯罪としか思えないだろう(実際アニメでホルマジオが行った暗殺にしたって、「被害者の腹が急に膨れたと思ったら中から車が出てきた」なんて証言したらまず証言者の精神が疑われるに違いない)。

このようにスタンド使いにとっては一般人よりも暗殺へのハードルがかなり低く見られても仕方がない面があるのである。

ソルベとジェラートが惨殺されてもチーム自体に監視なり連帯責任で罰則がかからない事が「黙って従えばよし、逆らった所で始末も後釜の用意も大した手間ではない」という組織の考えが見て取れる。

だからこそ、自身に直接繋がる「情報」たりうるトリッシュの存在を暗殺チーム(特にDNA解析能力を応用できる可能性のあるベイビィ・フェイスを持つメローネ)に嗅ぎつかれたのは、ボスにとっては非常に大きな痛手だった。

もっともボスがドナテラ・ウナと交際していたのはパッショーネ組織前、母親への凶行が露見し村を出る直前のことであり、娘の存在自体を知らなかったため仕方がなかったともいえる。

恥知らずのパープルヘイズ

ジョジョノベライズ企画「VS JOJO」により発行された小説『恥知らずのパープルヘイズ』。

本編の後日談のため、暗殺チームは名前や設定のみ登場する。

あくまで企画小説であるため公式設定ではないが、本作では以下の設定が書き加えられている。

  • 本作登場のシーラEの仇敵がイルーゾォ
  • アバッキオの同僚警官を射殺したチンピラを、ギアッチョが任務で始末した事が示唆されている。
  • 実は本編の背景で情報分析チームのカンノーロ・ムーロロがボスと暗殺チームの対立を煽るために暗躍していた。チームの冷遇に対して不満を抱くソルベとジェラートにボスの正体を探ることを唆し、その一方でボスには2人の造反を報告し、結果2人はボスに処刑された。また、暗殺チームが護衛チームの追跡に利用した焼却写真を復元したのも彼である。つまり小説の設定においては暗殺チームに降りかかった悲劇は文字通りだいたいこいつのせい。特にソルベとジェラートはボスと暗殺チームの対立を決定づけるための生贄にされたも同然であり、真相が暗殺チームに知られていたらボス以上に敵視されていたであろうことは間違いなく、実際麻薬チームのリーダーであるヴラディミール・コカキはそのことについてムーロロを糾弾するとともに強い殺意を向けている。
  • パッショーネが流していた麻薬は全て、麻薬チームのマッシモ・ヴォルペがスタンド能力で製造していたものであり、麻薬の密輸ルート自体が初めから存在していなかったことになり、本編における暗殺チームの行動は全て無駄でしかなかったことにされてしまうという、極めて悲惨な扱いとなっている。

だが、それでも仲間を殺された以上いずれはボスに復讐する事になったと考えると、「運命の悲しさ」を感じずにはいられない。

余談

暗殺チームの能力が暗殺に向いているかどうか議論されることがあるが、暗殺者の項目でも説明されているが暗殺とは端的に言えば要人殺害のことである。

そのため他人を巻き込もうが手段が丸分かりだろうが派手にやろうが基本的には暗殺と認識で、アニメにおけるホルマジオの暗殺シーンを見ても、暗殺を遂行する上での隠密性や被害規模の縮小についてはさほど重要視していなかったことが窺える(プロシュートが「ついでにツレの女も死んじまったがな」と指摘しているため、あまり好ましい形ではないのだろうが)。

というより、基本的にスタンド使い以外には見えないスタンドの多くには暗殺の適性があると言っていい。

関連記事

編集者:patch
編集内容:記事に追記