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編集者:流水郎
編集内容:香港表記について。

プロフィール

名前ユーバーレーベン
欧字表記Uberleben
品種サラブレッド
性別
毛色青鹿毛
誕生日2018年1月27日
ゴールドシップ
マイネテレジア
母父ロージズインメイ
産地北海道新冠町
生産地ビッグレッドファーム
馬主サラブレッドクラブ・ラフィアン

馬名「Uberleben」はドイツ語「生き残る」の意味。

牡馬セン馬用の「マイネル」の冠名を用いる、サラブレッドクラブ・ラフィアンの所有馬。同クラブはかつて牝馬には「マイネ」の冠名を使っていたが、現在は牝馬には冠名を用いない慣例に変わっている。

父は中長距離戦線でGⅠ6勝を挙げると同時に、様々な破天荒エピソードを持つゴールドシップ。同馬が2015年限りで現役引退した後、その能力を高く評価するラフィアン代表岡田繁幸氏の手配で、一族の所有するビッグレッドファームで繋養され種牡馬入りした。

母マイネテレジアは、ユーバーレーベンの曾祖母マイネプリテンダー以来、ビッグレッドファームの生産を支えてきた牝系の一族である。ユーバーレーベンの半兄として、2021年の新潟記念(GⅢ)勝馬マイネルファンロン(父ステイゴールド)も産んでいる。

祖母マイネヌーヴェル(父ブライアンズタイム)は2003年のフラワーカップ(GⅢ)勝馬。また大叔父(祖母の半弟)に2011年の中山グランドジャンプ覇者マイネルネオス(父ステイゴールド)がいる。

母父ロージズインメイはアメリカの競走馬で、2005年ドバイワールドカップ勝ち馬。同レース制覇後に岡田氏が馬主権を買い取り、同年引退後に日本に輸入され種牡馬入りした。

以上、母系や付けられた種牡馬ともにビッグレッドファームの配合の結晶のような馬である。

インブリートはヘイロー4×5、ヘイルトゥリーズン5×5となる。

(ゴールドシップの曽祖父とロージズインメイの曽祖父がヘイロー。インメイの祖父デヴィルズバッグはタイキシャトルの父でもある。)

生涯、戦績

デビュー前

2018年1月27日、北海道新冠町のビックレッドファームにて生を受けた。

当歳時、特に誕生したばかりの頃からまるでぬいぐるみのようなふわふわの毛と大きな目を持った非常に可愛らしい容姿を持っており、ビッグレッドファームの会報誌「Our pleasure」2018年3月号の表紙を飾っている。

その後、クラブ法人のサラブレッドクラブ・ラフィアンを馬主とし、JRA美浦トレーニングセンターの手塚貴久厩舎に入る。一口募集価格は15万円(100口)。

デビュー~2歳時

デビュー戦は2020年6月14日、東京競馬場で行われた2歳新馬戦。戸崎圭太を鞍上に迎え、単勝オッズ10.2倍の4番人気。直線で先に出た二番人気グアドループをハナ差で制し、初勝利を飾った。

2戦目で札幌2歳ステークス(GⅢ)に挑み残り800mあたりで最後方から捲って追い込んだもののレコード勝ちを収めたソダシにクビ差届かず2着。

その後、柴田大知騎手を鞍上に迎えアルテミスステークス(GⅢ)に出走、道中最後方から大外ではなく馬群の内側に進路を取り馬群を捌ききれず9着、阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)ではミルコ・デムーロ騎手に乗り替わり、直線後方から上がり3F33.6の最速の脚で追い込むも勝ったソダシに0.1秒差の3着といずれも敗れ、2歳時は新馬戦勝ち上がりのみの4戦1勝に終わった。

3歳春

2021年(3歳)、始動戦として牝馬クラシック三冠の前哨戦である3月6日のチューリップ賞(GⅡ)に出走予定だったものの疝痛を発症し回避。3月20日のフラワーカップ(GⅢ)に出走、予定していたデムーロ騎手が騎乗停止により丹内祐次騎手を迎えるもののホウオウイクセルの3着。

4月11日の一冠目桜花賞は回避し、オークストライアル戦の4月25日フローラステークス(GⅡ)に挑む。レースは騎乗停止から復帰したデムーロ騎手を迎え、上がり3F最速の末脚で追い込んだものの再びこれもクールキャットの3着。このレースの2着までに与えられるオークスの優先出走権を確保できなかった。

これで3戦連続の3着で、早くもブロンズコレクターの様相を呈する歯がゆい戦いが続いていた。

実はこの時期、ユーバーレーベンは疝痛などで体調の整わない日々が続いていた。アルテミスS時に484kgあった馬体重は470kg(阪神JF)→ 464kg(フラワーC)→ 454kg(フローラS)と急激に減少。どんどん馬体が仕上がっていくべき若駒の時期にあって、新馬戦時の馬体重458kgを割るという、「絞って走りを軽くしました」では説明のつかない痩せ方をしていた。(逆に、この状況下でも3着に粘っていたことは大したものだが…。)

第82回オークス

迎えた5月23日のオークス優駿牝馬)。

未だ勝鞍は新馬戦のみ、優先出走権も得ていないユーバーレーベンだったが結果的に札幌2歳ステークス2着で収得賞金を積んでいたことが奏功し、さらに賞金上位馬が回避したため収得賞金1000万円(=12番手タイ、出走ラインは900万円だった)でなんとか出走枠を確保した。

その実績でも、2400mというこの時期の牝馬の大半が未経験の距離にあって、無尽蔵のスタミナで鳴らした父ゴールドシップの血への期待もあってか、桜花賞ソダシディープインパクトとオークス馬アパパネの娘という良血馬アカイトリノムスメに次ぐ単勝8.9倍の3番人気に推される。馬体重も462kgと持ち直し、体調面も回復していた。

序盤後方からレースを進めたユーバーレーベンは、向こう正面で大外に持ち出し、3・4角では外から好位置に取りつく。最終直線、ここまで周囲のマークを受け疲弊したソダシが直線伸び悩む中で外から末脚を伸ばして先頭に立ち、アカイトリノムスメの追撃を制して勝利。

父ゴールドシップ産駒では初のGⅠ馬かつクラシック勝ち鞍、また鞍上のミルコ・デムーロにとっても2020年5月のNHKマイルカップラウダシオン)以来1年振りの中央GⅠ勝利となった。

また、この2021年3月にはユーバーレーベンの所属クラブ(サラブレッドクラブ・ラフィアン)を創立した「マイネル軍団総帥」こと岡田繁幸氏が亡くなっており、その弔い星ともなった。

なお、この快挙に対し、ゲーム『ウマ娘プリティーダービー』でゴールドシップを演じる上田瞳から、お祝いのメッセージが発表されている。

その後、5月26日、左前屈腱部に、腫れと熱感があることがラフィアンターフマンクラブのホームページで発表された。当初は屈腱炎を疑われていたが翌日の検査の結果、屈腱周囲の炎症のみと軽微であった。しかし腱に何らかの損傷はある様子で、今後は大事を取って休養に入る予定であると報じられた。

ユーバーレーベンの母も祖母も同時期に屈腱炎を発症しており、その血統が大きく響いたと思われる。

しかし、彼女は父の頑丈さを継いだのか、あるいはその名のお陰か無視できない故障ではあるものの屈腱炎は回避できた。彼女はその名の通り生き残ったのだ。

屈腱周りの炎症は早い段階で引き、乗り運動も出来るまでには回復している模様である。

3歳秋

秋の初戦は秋華賞に出走し、後方からレースを進めていたが直線で伸びを欠いて先頭集団に追いつくことはできず13着となった。デムーロ騎手も「行きっぷりが悪く、最終直線ではフォームがバラバラだった」とコメント。怪我明けに起因する調整不足が指摘された他、レース後に外傷性鼻出血が確認されたことがラフィアンターフマンクラブから発表されている。馬は口で呼吸できないため、鼻血は競走能力に深刻な影響を及ぼすことになる。

奇しくも、ソダシもレース直前に歯茎をケガしたことが災いしたのか10着に敗北している。

そしてオークスで2着だったアカイトリノムスメが、父親譲りの末脚で最後の一冠を手に入れた。奇しくも3頭のライバルが、それぞれのイメージカラーに最も似合う一冠を獲る形で2021年の牝馬三冠は終わった。

その後、ケガは問題なく回復して次週には問題なく馬場入りを再開している。次戦は祖父にあたるステイゴールドも勝利している香港ヴァーズ(GI・芝2400m)も想定されていたが、最終的にオークスでの勝利経験のあるコースで行われるジャパンカップを目指すことになった。

また出走は確定ではないが香港ヴァーズにも登録は済ませてあり、香港表記は安身立命となった。

余談

間違われに定評のあるユーバーレーベン

何故か間違われることに定評があり、

等、矛盾塊のネタに困らないくらい間違われる。

その血の運命

本馬と関係ないところでネタ化が進む一方で、新馬戦のパドックでカメラ目線で脱糞、放牧中泥遊びをした後他の馬のたてがみで泥を拭くといった行動が目撃されており、流石ゴルシの娘と言われることも。

アカイトリノムスメをもじり、シロイアレノムスメと呼ばれることもあるようだ。

五月の金

ユーバーレーベンの父ゴールドシップと母父ロージズインメイの一部を切り取ってつなげると「ゴールドインメイ」、すなわち「五月の金(メダル)」という意味にとれる。

奇しくも、ユーバーレーベンのG1初制覇となった優駿牝馬の開催日は5月23日だった。

関連イラスト

今のところ、競走馬擬人化や、オリジナルウマ娘のイラストが多い。

編集者:流水郎
編集内容:香港表記について。