「ゼツボウダ、ゼツボウダ」
詳細
人間態:渡辺実(九官鳥態:キューちゃん) / CV:穴井勇輝
第36-37話に登場した通常ファントム。宿主は加賀という奇抜なメイクをした男性。九官鳥「キュータ」(名前の由来はキュウリを食べるから)に姿を変え、ゲートであるコンビニ店員・根本和良の携えた鳥かごに密かに入っていた。
ソラやワイズマンは彼を知っていたが、ミサは知らなかった様子。
放火魔として追われていた根本がウィザードにバインドで捕縛されると「それは困る」とばかりにバインドを切り、ウィザードと交戦した末に煙幕を張って九官鳥の姿に化け鳥かごの中に入る。
実は彼こそが放火魔の正体で、根本に気付かれないように鳥かごから抜け出して放火していた。
その後逮捕されそうになる根本の近くにいた晴人と攻介に籠から抜け出し本当の姿になり襲いかかる。
ゲートを守るために瞬平が根本を連れ警察車両を奪って逃走した彼らを追う。
根本はラームをペットにして可愛がり常に彼が入った鳥かごを持ち歩いていたが、当然ラームに根本への愛情などある訳も無く九官鳥の姿で警官を根本の元へ案内したりしている。
とても気の弱い根本を放火犯に仕立て上げて警察に逮捕させる事で絶望させようとしたが、監視カメラの映像にラームがキュータから変身して放火する様子が映っていた事でトリックがバレてしまう(根本を連れた凛子が警察署でその事を証明した時、九官鳥の姿で驚愕していた)。もはやこれまでと正体を警察の前で明かし、グールを繰り出してウィザードやビーストと戦闘を行う。
しかし完全に魔力を回復した二人の敵ではなく、最期はグール諸共インフィニティースタイルのドラゴンシャイニングを受け、「ゼツボウダー…」と嘆き爆散した。
根本の放火容疑も晴れ、これで一件落着と思われたが・・・
外見
身長222㎝、体重150㎏。
鳥人のような外見をしている。そのためかあまりセリフは発せず鳥のような鳴き声を発している。加賀の姿でも黒い服に黄色いスカーフ、色黒の肌に黄色く塗られた唇と九官鳥のような服装やメイクをしており、仕草も鳥そのものであった。
他のファントムと異なり3つの姿を使い分ける事が可能だが、加賀の姿で活動する事は殆ど無く、攻介からは九官鳥が宿主と思われていた(36話でソラが「加賀さんは九官鳥じゃないよ」と説明したにも関わらず、37話で攻介は九官鳥の餌でラームを誘き出そうとしたが、晴人に突っ込みを入れられた後なぜか急に画面がマンガになり、カラスの大群に襲われ、餌を全て喰われて失敗した)。
能力
ラームは極めて珍しい特性を持ち、本来の怪物としての姿だけではなく、愛らしい九官鳥に姿を変える事が出来る。
戦闘では素早い身こなしが特徴で、槍を武器とする。鳥らしく嘴でのツッツキや爪でのスピーディーな連撃も強力。
更に魔力の弾丸を撃ち出して標的を焼き尽くす能力を有し、この力により放火を引き起こしていた。また、人の声を真似てしゃべる九官鳥のようにビーストの攻撃をそっくりそのまま返して応戦した。
その一方で知能はあまり高くなく、ガルーダとグリフォンが合体したプラモンスターにわざわざ九官鳥態で戦闘を行ったり(戦闘力は互角)、監視カメラの存在に気付かずトリックが警察にバレるとあっさり正体を明かしたりしている(まさか自分が犯人だとバラされるとは思ってなかったらしく、かなり驚いていた模様)。所詮はトリ頭か。人間体時でも鳥らしい行動が目立つ。
そもそも、100万円のツボを買わされてしまうほど押しが弱く、ちょっとしたことで絶望しかねないほど気が弱い根本をここまで悪辣かつ執拗な手段で苦しめる必要があったのかは疑問符が付くし、そこまでラーム自身の頭が回っていなかったとも取れる。
余談
顔の形からフェニックスの面影が感じられるが、スーツはベルゼバブを改造した物。槍はボギーからの流用。
モチーフとなっている悪魔・ラウムはカラスの姿を取るとされているが、このファントムは九官鳥に変身する能力を有している。人の尊厳を踏み躙る事も出来るとされている為、この回のエネミーに相応しいモチーフだったのではないだろうか?
37話での加賀に対するソラの発言や態度から、何らかの弱みを握られていたと思われる。
なお第37話の終盤で根本はキュータが自信を陥れたラームだった事を知って絶望に追い込まれてしまったが、その後根本がどうなったかについては38話になっても「ファントムの野望を阻止した」と一言ナレーションがあっただけでそれ以上語られる事は無かった。(すぐ近くにウィザードがいたので命がどうこうなることは無かったと思われるが)
尚、ゲートが絶望に追い込まれたのは稲森真由から数えて実に10話ぶり、一般ファントムであればヒドラから数えて実に18話ぶりなので、経緯はどうあれ結果的には成果を残しているとも言える。更に身内がファントムであると言う真実を告げたら絶望すると言う点ではリザードマン以来となり、今回はそれが現実となったパターンでもある。
なお、このラストシーンに関しては脚本の石橋氏は関知しておらず、諸田敏のアドリブとの事。
「オチには僕が一番驚きました」とブログで語っている。
今回の事件で凛子と瞬平も容疑者認定された根本の逃走を手助けした容疑(犯人蔵匿罪)で指名手配されているが、瞬平はパトカーを奪ったので窃盗罪、凛子は免許なくフォークリフトで廃車を落として警官を威嚇したので労働安全衛生法違反になってしまう(加えて二人共に公務執行妨害が成立する)。このようにかなりやらかしているわけだが、恐らくお咎めなしか厳重注意に終わったものと思われる(恐らく国安0課が手を回したのだろう)。