概要
2000年に公開された『ウルトラマンティガ』の劇場版で、正式なタイトルは『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』。
20世紀に公開されたウルトラシリーズ最後の劇場作品であり、ファンからは「TFO」の略称で呼ばれる事が多い。
ティガの映画ではあるが、1998年公開のダイナの劇場版『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』や、1999年公開のガイアの劇場版『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』から遅れての制作となっており、これは主演の長野博氏がスケジュール多忙でテレビシリーズと並行して作れなかったことが原因の一つとされている(というか、テレビシリーズですらスケジュールの都合などであまりダイゴの出番がない回も少なくない)。
ティガ最終回の後日談にしてダイナの前日談でもあり、テレビシリーズでは明かされなかったイルマ隊長とユザレの関係、ダイナ終盤に登場した「F計画」とそれが封印される経緯、ウルトラマンティガの過去が描かれている。
また、アスカ・シンを始めとする後にスーパーGUTSの隊員となる面々も登場する。
内容としては、『光の星の戦士たち』と比べてヒューマンドラマ要素が強く、ダイゴとレナの関係、カミーラのティガに対しての愛憎、更に序盤の捕食した人間に擬態するシビトゾイガーなど、ホラー要素も含めて全体的に大人向けに作られている。
平成ウルトラマンの劇場版としては初めて同時上映作品がない。
これは「同時上映するよりも、その制作費をこちらに持ってきた方が良いから」とのこと。
TDG三部作を得ての制作となるので撮影・制作ノウハウがテレビシリーズ時よりも向上しているが、ティガの闇落ちという後付け設定や、ギジェラを始めとした各種設定の矛盾などから、ファンからの評価はかなり賛否両論となっている(ただし本作で明かされた設定は元々テレビシリーズ当時から構想されていたものであり、完全な後付けという訳ではない)。
主題歌はV6の「TAKE ME HIGHER」。
あらすじ
ウルトラマンティガとガタノゾーアとの戦いから2年後の2012年。
GUTSのイルマ隊長はTPC隊員たちと共に古代遺跡ルルイエの調査に向かっていた。
一同は遺跡の奥地で三体の巨人の石像を発見し、調査隊のリーダーであるサエキ隊長は上層部からの命令により石像の運び出しを計画。
反対するイルマはこの場所を爆破し封印しようとするが、サエキにより武器をすべて取り上げられる。
だがその時、石像の封印が突如解け、闇の巨人カミーラ・ダーラム・ヒュドラが復活。
調査隊を次々と襲い、シビトゾイガーを解き放つ。
混乱のさなか気を失ったイルマは、ユザレの力によってルルイエ全体にバリアを張り、巨人たちとシビトゾイガーをルルイエの中に閉ざすことに成功した。
一方、マドカ・ダイゴは恋人のレナとの結婚を間近にし、平和な時を過ごしていた。
だが彼の周囲に謎の女が現れるようになり、その女の口から超古代文明滅亡の真相、そしてウルトラマンティガは元は闇の巨人だったことを告げられる…。
登場キャラクター
- ウルトラマンティガ(マルチタイプ・ティガダーク・ティガブラスト・ティガトルネード・グリッターティガ)
- 愛憎戦士カミーラ
- 剛力戦士ダーラム
- 俊敏戦士ヒュドラ
- 超古代怨霊翼獣シビトゾイガー
- 超古代怪獣ゴルザ(強化)
- 暗黒魔超獣デモンゾーア
余談
本作でティガの掛け声はテレビシリーズの真地勇志氏からダイゴ役の長野博氏が兼任する形に変わっている(これは8年後の『大決戦!超ウルトラ8兄弟』においても同様)。
真地氏は予告編のナレーションを担当している。
物語中盤の回想で登場する超古代の巨人達はウルトラマンダイナのスーツを改造したもの。
劇中ではシルエットのように加工されているので分かりにくいが、明度を上げると各タイプの模様などその面影が見える。
また、朽ち果てた巨人の石像の中にはウルトラマンアグルなど、様々なウルトラマン達を改造したものも確認できる。
最後は教会でレナと再会したダイゴだがルルイエからどうやって帰ってきたのかは劇中では明らかになっていない。
小説『ウルトラマンダイナ 未来へのゼロドライブ』によると、本作の事件は「ルルイエの悲劇」と呼称され、闇の巨人やウルトラマンティガの一時的な復活も含めた重要情報は「Ωファイル」として厳重に保管され、GUTS解体後に情報局参謀の任に就く事になったイルマによって管理されている模様。
関連タグ
愛憎戦士カミーラ ダーラム 俊敏戦士ヒュドラ ゾイガー デモンゾーア
ウルトラマントリガー:テレビシリーズと本作をベースにして、ティガをリブートした作品。