概要
正式名称は日本車輌製造。鉄道車両や大型輸送機械などを製造している。本社は愛知県名古屋市熱田区にあり、東海道本線や名鉄線の名古屋方面行きの列車から本社を車窓右手に見ることが出来る。
地元民やファンの間では日車とか日本車輌(にほんしゃりょう)と呼ばれている。
JR東海の連結子会社であり、重要な取引先の一つでもある。
工場
工場は愛知県内に3箇所があり、それぞれ製造している品物は異なる。
- 豊川製作所
豊川市にある鉄道車両や輸送機械の製造を主に行っている工場。
豊川海軍工廠の跡地にあり、正門は海軍工廠時代のもの。専用線が飯田線豊川駅まで通じており、在来線車両はここを通って出荷される。
かつては豊川蕨製作所と呼んでいた。これは後述する蕨製作所と統合したため。
- 鳴海製作所
名古屋市緑区にあり建設機械、発電装置などを製造している。名鉄鳴海駅のすぐ近くである
- 衣浦製作所
半田市にあり橋梁、鉄骨などを製造している。衣浦臨海鉄道半田埠頭駅に隣接している。
閉鎖された工場
- 蕨製作所
埼玉県川口市にあり、東北本線の車窓から見ることが出来た。
営団地下鉄、都営地下鉄、東武鉄道、小田急電鉄、秩父鉄道、長野電鉄など甲種輸送する距離が比較的短い事業者の車両の製造を担当。閉鎖間際の頃は0系新幹線、営団6000系、東武8000系初期車を製造していた。
- 名古屋製作所
本社に隣接し、主に名鉄の車両製造を行っていた。
- NIPPON SHARYO MANUFACTURING, LLC
アメリカ・イリノイ州にあった。ロシェル工場とも。車体の組立と最終組立を行っていた。
製造した鉄道車両
製造した鉄道車両は多岐に渡り、古くは蒸気機関車、現在ではリニアモーターカーの製造もしている。
リニアモーターカー
- MLX01
- L0系(最初に製造する5両の内3両を担当)
新幹線電車
など。
かつて東海道新幹線向けの新車は豊川工場から飯田線、東海道線を経由し高塚まで甲種輸送を行っていた。
在来線電車
国鉄時代から多くの車両を製造している。近年はJR東海向けが多い。
気動車
最近では気動車は第3セクター向けの車両の製造が多い。
機関車
8620形蒸気機関車やEF65形電気機関車DD13 DE10形ディーゼル機関車を製造している。
客車
20系客車や14系客車といった寝台特急(ブルートレイン)の車両を製造した。
貨車
シキ1000 コキ100系コキ200といった車両を製造している。
私鉄
名古屋鉄道、名古屋市交通局、東京メトロ、京成電鉄からの受注が多い。
京成グループの事業者向け車両は回送する際に京急線を使えるので、競合会社の拠点まで輸送されることが多い。
海外向け
日本国内では主に台湾向けの鉄道車両を製造しているが、アメリカにも工場を持ち、そこでも製造を行っていた。しかし、2012年にカリフォルニア州などから高速鉄道向け2階建て車両130両を受注したが納入に失敗したため、2017年秋から製造された車両はなく、2018年8月にはアメリカから事業を撤退している。
改造
大手私鉄から地方私鉄への車両の譲渡に伴う改造や保安装置の改造・更新を行うことがある。
- 小田急電鉄10000形HiSE→長野電鉄1000系ゆけむり
- 小田急電鉄20000形RSE→富士急行
- JR東海の車両のATS-PT取り付け改造
- 小田急電鉄の車両のD-ATS-P取り付け改造・ロマンスカーEXEの更新改造
その他
鉄道車両の製造を担当している豊川工場は飯田線と専用線でつながっていることもあり、飯田線内で車両を損傷する事故が起きた場合、まずここに運び込まれる。
2012年1月に213系H10編成が落石との衝突事故を起こし、ここへ入場し応急修理。同年10月に同じく213系H2編成が自動車との衝突事故を起こし、ここで応急修理してから名古屋工場で本格的な修理が行われた。
現在北総鉄道で使われているHOKSOロゴは、実はここでデザインされたものである。
日車夢工房
日本車輌が展開する鉄道雑貨や鉄道模型のブランド。以前はNHK名古屋放送センタービルの中に直営店が設けられていたが、2012年に閉鎖された。