ゴーダ(仮面ライダーOOO)
ごーだ
概要
Vシネクスト『復活のコアメダル』に登場する人造グリード。鴻上ファウンデーション製のメダルである人造のゴーダメダルに意思を宿しており、怪人態は存在しない。
人造メダルは映司の欲望のデータを基に開発されていた為か彼への執着が強く、「俺が火野映司になる」と豪語し、彼の欲望を叶えるため行動している。
長らく火野映司の体内に潜伏していたが、彼が古代王仮面ライダーオーズの攻撃を受け瀕死の重体になると覚醒。彼の肉体を乗っ取った上で人質とし、アンクに共闘を余儀なくさせる。
普段は映司の声で喋っているが、自身の声を発する際には、髪の一部が赤紫になり、両目が金色に光る。
人物像
一人称は「俺」。
どこか飄々とした言動の持ち主で、映司を演じる一環なのか言動も良くも悪くもフランクで壁を感じさせない振る舞いをしている。
だが、瀕死の映司を利用して自分を受け入れざるを得ない状況を作る等、本性はグリードらしく狡猾で自分勝手。
前述した通り出自が出自なので映司の欲望に対する執着心は相当なものとなっており、本編の映司同様『力』への欲望がより強くなっている印象も強い。また、映司の記憶なども一通り学んでいるのでグリードやオーズ、そして宿主とアンクの関係も(一応)理解している。
しかし、劇中ではとある少女を王から守りきれなかったことを「そういう運命だから仕方なかった(要約)」とあっさり言及している点からも分かる通り、記憶自体はあっても映司が体験した出来事をそのまま「知っている」というだけでそれを体験している訳ではない。(その少女は、生き残って鴻上ファウンデーションに保護されていたことが後に判明した。)
また、力への執着心についてもあくまでも映司が「どれだけ離れていても絶対に届く手」の手段としてであったのに対し、ゴーダの場合は単に「力」そのものにだけ欲望を向けているためか、誰と手を繋ぐこともないある種では独りよがりな物に変化している(これも映司の重大な過去であるかつての紛争での体験が欠落している何よりの証拠である)。
事実、こうした本物とのズレは登場人物の面々にも見透かされていたようで、本人の高圧的な態度も相まってか本編では一貫して誰からも信用されることがなかった。
劇中では上記のように本編第1話の下りをわざわざ言わせるようアンクへ促したり彼のメダルが少ないことも承知の上でタジャドルコンボをやらせてよとせがむという逐一アンクの神経を苛立たせる行動も重ねていた(※)。記憶や性質は多少寄せているとはいえ、本物の「火野映司」とは全く異なる存在であろう。
(※)グリードの設定を踏まえれば分かる通り、自身のメダル、それも自らの「意志」があるメダルを他人へ渡すという行為がどれほどリスキーなのかにもあまり理解がない様子であった。なお、あのアンクですら映司へ自らの意志が込められたメダルを託したのは本編最終回と『21のコアメダル』、(厳密には異なるが)『平ジェネFINAL』の三度しかない。
このような「映司っぽい台詞」は並べていてもどこか本物と齟齬が見られる台詞回しや劇中でのアンクに対する振る舞いなどからして、一部の視聴者には
- 『オーズ』にわかオタク
- 自分を火野映司と思っている勘違い怪人
- 本編の名シーンだけ羅列してる二次創作者
- 見てもいないのにpixiv百科事典やまとめサイトだけ見て知った風になっている未視聴勢
…と辛辣な評価を貰っていたりする。また、ことゴーダに限って言うならば、なまじ映司の記憶を読んでいる分原作の知識自体はあるという、ただの無知よりもタチが悪い例である。
ただ、擁護するならば最初期の活動理由は紛れもなく古代王の打倒、そして自分の親とも言える映司の欲望を叶えることであり、宿主やアンクのことも中盤までは彼なりにリスペクトしている描写も見られる。
自分の力のみでは王を倒せないと判断してアンクたちに(映司を人質扱いしてはいるが)協力を申し出るなど、本物らしくドライな一面も見られる。
また、古代王にアンクが吸収されてしまった際にはそれまでの態度とは打って変わって彼の名前を本気で叫んでおり、アンクも古代王から奪ったプテラ・トリケラ・ティラノのメダルを投げ渡す際に『ゴーダ』と名前で呼んでいる。
映画本編においてもなんだかんだでアンクと協力して古代王を無事に撃破できた事実も考慮すると、その後の出方次第では少しずつではあるにしろ伊達や後藤、アンクらから信頼を積み上げていく方法もあったのではとも考えられるが、ここで抑えられなかったのが「グリード」たる理由なのかもしれない。
そのため火野映司になろうと自分なりに頑張りはしたものの、結局火野映司という人間を理解しておらず、なりきれなかった悲しい人物とも言えるかもしれない。
変身体(?)
ゴーダにはアンクやウヴァなどが持つ怪人態が存在しないので、当然の如く変身するのは仮面ライダーオーズである。しかし、ゴーダ本人が腐ってもグリードの一員であることや映司の記憶を閲覧していること、映司本体の能力も合わさることで映司単独で変身したオーズ以上の能力を発揮している。
通常のタトバコンボですらウヴァを軽く捻った挙げ句にメダルを二枚強奪してガタキリバコンボで圧倒、そのままウヴァを撃破してしまうという強さを見せた。
元々がグリードということもあって使い続けると肉体が怪人化することもないので、プトティラコンボに変身してもほぼ暴走なしで使用できるというメリットも持ち、アンクのアシスト有りとはいえ古代王オーズも打倒まで持ち込めたのは決して侮れないだろう。
また、ゴーダ版オーズは映司が変身したものと比べるとかなり荒っぽい力任せなアクションが多く、ファイティングポーズもやや独自のものに変化している。
劇中での動向
映司の欲望を叶えるため行動。仮面ライダーオーズに変身し、ウヴァや古代王オーズを撃破する。
しかし、古代王オーズを撃破した後に空中に漂っていたコアメダルやセルメダルを取り込み、体内のゴーダメダルを使って仮面ライダーゴーダへと変身。
瀕死の火野映司を体外に投げ捨てた上にアンクを一方的に叩きのめし、救援に来た仮面ライダーバースと仮面ライダーバースXをも圧倒する。しかし映司に憑依したアンクがタジャドルコンボエタニティに変身したことで形勢が逆転。プロミネンスドロップを喰らい爆散。
皮肉にも、果てなき欲望を追い求めた挙げ句にオーズに敗北して破滅を道を辿った直前の王と同じ形で破れ去った。
余談
声を演じる日野氏は今作が仮面ライダーシリーズ初出演であり、ニチアサ枠の出演としては『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』の宇宙忍デモスト以来、4年ぶりである。
さらに、日野氏は『ウルトラマンタイガ』でウルトラマンタイタス役を担当しており、今作で三大特撮作品を全て制覇することとなった。
名前の由来は「強奪」だと思われる。
ファンの間では、日野氏をゴーダ役に抜擢した理由として、名字が火野映司と同じく「ひの」であったからではないかとネタにされている。
なお、ゴーダメダルの元となったアリやムカデは、鳥類の餌としてよく狙われる存在の一つである。