概要
1989年に流行語大賞に選ばれてから「そんなものが世に存在するとは」と日本人男性が初めて知ることになったハラスメント行為のこと。
このため特に昭和世代のオッサンたち(特に昭和の漫画を読んで育ったオッサンたち)は、一体どこからがこのセクハラにあたるのかの想像すらつかない人が多く、令和になってもナチュラルに職場で女性社員にスリーサイズや男性経験を聞くなどして、気づかぬままセクハラ親父と化している。
詳細は⇒セクシャルハラスメント
本項目ではフィクション作品における独自の熟語としての「セクハラ」(所謂「逆セクハラ」含む)、および、時代の変化によりセクハラとの認識が広まった例について解説する。
フィクションにおける独自熟語・概念としての「セクハラ」
略称としての「セクハラ」はフィクションにおいて、犯罪としてのそれの他、「(視聴者から見て)エロくじゃれつく」という描写に使われている。
ピクシブ百科事典内にもこの用例の「セクハラ」の名を冠したタグが複数存在する。
親記事とそうした転用を分ける意味合いから、本記事の子記事には便宜的にそうしたタグを収めてある。
版権作品の公式キャラ解説で使用される事もある。例えば『閃乱カグラ』の葛城(女性⇒女性)、『僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件』の有山雫(女性⇒男性)。
女性同士の乳を揉む描写やスカートめくりなどがコミカルに演出されることもある。
合意が成立している濃密な接近やスキンシップだけでなく、される側がびっくりする描写もある。
つまり、「していいか」の確認は必ずしも明確では無い。
コミカルに表現する作品においては、「犯罪」や該当する恐れのある行動としては言及されない形となる。
現代の見方ではセクハラである表現の歴史
昭和時代や平成初期に開始された有名作品(R-18ではない)には、「女性の尻を触ったりするが、シリアスな否定はされない」キャラクターの描写があった。
例えば『ドラゴンボール』の亀仙人や(初期DBにはブルマの体を触る為に睡眠薬を盛るウーロンのシーンもある)、『ダイの大冒険』のマトリフである。
こうしたシーンにおいては強い口調で「スケベ」と言われたり、怒った相手に殴られるというオチはなされるが、現実の被害者にあるような萎縮して反応できなくなったりしまうような側面は描かれない。
上の二例でも味方や仲間としての関係じたいは問題無く存続できている描き方になっている。
平成時代に入ってからしばらくして生まれた作品でも『ハイスクールD×D』などにおいて「風呂場・温泉をのぞく(覗き)」事柄がネタ的に描写された。
こちらも「キャー!」という悲鳴は表現されはする。しかし覗き被害が生む甚大な心的ダメージ等については描かれない。
被害者が背負うトラウマ等について実態が社会に広まっておらず、ハラスメントやコンプライアンスについての意識が薄かった時代からの「お色気」系描写の系譜と言える。
媒体による修正
『ワールドトリガー』の迅悠一は、原作漫画では女性キャラクターの尻を触るシーン等があるが、アニメ版ではカットされている。
後年に修正される例
『ダイの大冒険』にアニメ版の場合、1991年度版アニメではマトリフのセクハラシーンはそのままだったが、2020年度版では削除されたり(エイミのスカートに手を突っ込んでめくるシーン)、マァムの胸をうしろから掴むシーンが未遂に終わって蹴り飛ばされる、といった改変がなされている。
『のだめカンタービレ』(2001年~2010年まで連載)では登場人物フランツ・フォン・シュトレーゼマンが主人公のだめに後ろから両手で乳を掴むシーンがあった。それが2021年9月から刊行の新装版では位置関係はそのままに右手を首もとの高さからまわして彼女の左肩にあてる、という形で軟化されている(『のだめ』“ミルヒー”のセクハラ描写が変更されていた 原作者「私の中にもいろいろな時代があるようです」)。