枕営業
まくらえいぎょう
売春の一種。
概要
説明しよう。
枕営業とは、業務上で付き合いのある人間同士が性的な関係を築く(同じ枕で寝る)事によって、物事を有利に進めようとする営業方法のことである。
(『バックステージ・アイドル・ストーリー(BiS)』より)
芸能界において
違うよ。全然違うよ。
芸能界で、特に新人や、売れない芸能人などをプロデューサーや社長といった偉い大人に「売り出してもらうため」「仕事をもらうため」に、自分の肉体を差し出すビジネスのこと。
日本に限った事ではなく、所謂「キャスティング・カウチ」などハリウッドでも昔から用いられてきた、古典的な営業方法である。
(直訳で「ピロービジネス」と言っても通じないので注意。純粋に「枕の売買」としか思われない)
略称は「枕」、同義語として「夜の営業」「性接待」などがある。
古来より存在するが、双方の合意のうえで成り立っている営業であり基本的には和姦。そのまま偉いひとの妾になったり、愛人関係に発展するケースもある。
ただし、上司から脅されたり、騙されたりと言った強姦も多々ある。と言うか、芸能事務所が主導の場合は(写真週刊誌対策として)売り出したい本人ではなく別の人物をあてがう事も多いという噂。
枕営業自体は広く行われている売春行為であり、政財界でも一般企業でも普通に存在する。
女性だけでなく、男性も行っている行為である。偉いひとが女社長だったり、ゲイだったりするケースもあるからである。
人口比を考えれば、芸能界よりもその他における枕営業人口の方が圧倒的に多いだろう。
ハリウッド
上述の「キャスティング・カウチ」のように、オーディションだと思って偉い人(だいたいプロデューサー)の部屋に入るとカウチが置いてあり、その場で性行為を強要されるという手段は大昔から行われていた。
ハリウッドはギャラの極端な男女格差に現れているように徹底した男性上位コミュニティであり、告発による失業や物理的な報復を恐れて、被害を受けてもなかなか訴え出る女優がいなかったため、この問題については長年にわたり業界内でも見て見ぬふりで黙認されてきたが、2017年に#MeToo運動の一貫としてニューヨーク・タイムズがハーヴェイ・ワインスタインによる枕強要(レイプも含まれる)を告発し、卑劣な手口が広く暴露され騒動となった。
ワインスタインと長年にわたり一緒に仕事をしてきた監督や男優たちは、この事実を知っていても黙っていたということで批判を浴びているが、クエンティン・タランティーノは「止めさせなかったことを後悔している」と謝罪している。
なお、ワインスタインの枕強要を「俺の彼女に手を出すな」と自力で食ってかかって止めさせた唯一の男優が、当時まだ無名だったブラッド・ピットだそうである。
声優業界
2007年にアーツビジョンの社長の松田咲實が、オーディション合格の条件として未成年の少女に枕営業を強要し逮捕され、その後日ナレからのパワハラ告発にも発展し、声優でもやはり存在することが明るみに出た。
優月心菜は「学校から上がってくる世間知らずの子が多いから、めっちゃ被害にあってる。一番闇が深い業界」と暴露し、オタクを震撼させた。
ほなちゃんは声優をやっていた当時「この顔では売れなくて、そういうことをしないと仕事をもらえませんでした」と枕営業をした過去をカムアウトしたが、それで獲得した仕事は「エロゲのモブキャラ」だったそうである。
有名どころだと2018年には小西寛子が、大地丙太郎によるセクハラを告発している。
声優業界も芸能界のうちなので、このような事例もあるのは当然といえば当然だが、関智一は声優業界の枕営業については「あまりメリットはない。将来のことを考えるとリスクが高すぎるが、合意のうえで成り立っているわけだから逆に根性があるし、どっちもどっち」と語った。一方で芸能プロダクション・アトミックモンキー名誉会長である関がDD論を語った事は批判対象にもなっている(前述のとおりプロダクション主導の可能性もあるため)。
創作のシチュエーションとして
オーディションの後に個別に呼び出されたりすると危険なニオイがする。
実際に枕営業が発覚した場合には、アイドルとしての価値は暴落するが、その一方で、同コンセプトにより創作されたポルノは世に溢れており、芸能界を舞台にした薄い本でも格好の題材となっているのはご周知のとおり。
若くして成り上がる(美人な)芸能人は、一般人からそういった目で見られやすい皮肉な状況にある。
pixivでもやはりアイドル・アイドルキャラクター絡みの設定が多い。
やはり「若くて可愛い(あるいはかっこいい)アイドルが裏であんな行為を強要されている」というシチュは、ゲスな興味を惹くものである。もちろんAVでも定番のネタである。
考えられるシチュエーション
マジでやって犯罪として立件された事例もある。
なお、社会的地位を利用して相手に行為を強要するのは職権乱用(パワーハラスメント)どころか強姦に当たる。くれぐれもしてはいけない。
「社会的地位の高い男性に奉仕する女性」というシチュエーションがイメージとして湧きやすいが、男女が逆、または同性同士であるケースも少なくはない。どれにせよダメ。
などなど。