路線
四万十くろしおライン
窪川駅〜宿毛駅間。正式な路線名は「中村線」(窪川駅〜中村駅間)と「宿毛線」(中村駅〜宿毛駅間)で、2015年(平成27年)9月26日に両路線の総称として「四万十くろしおライン」の愛称が付けられた。両路線とも事実上、土讃線の延長線として建設された経緯を持ち、運用も土讃線と一体化されている。
中村線は日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線(地方交通線)であったが、1986年(昭和61年)4月7日に特定地方交通線に選定され、同年5月27日に第3次廃止対象特定地方交通線として運輸大臣に承認された。このため、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化によるJR四国への承継を経て1988年(昭和63年)4月1日に土佐くろしお鉄道へと移管された。
宿毛線は元々は日本鉄道建設公団(鉄建公団)の工事線であり、宇和島駅(愛媛県宇和島市)から中村駅(高知県中村市(※))までを結ぶ路線として計画された「宿毛線」であった。このうち、建設線の宿毛駅〜中村駅間を土佐くろしお鉄道が引き継ぐ形で建設され、1997年(平成9年)10月1日に新規路線として開通した。そのため、実質的には中村線を延長した形で開通したものの、路線の起点は中村線と接続する中村駅ではなく宿毛駅である。
(※)2005年(平成17年)4月10日に幡多郡西土佐村と合併して四万十市になった。
ごめん・なはり線
後免駅〜奈半利駅間。正式な路線名は「阿佐線」で、開通当初から「ごめん・なはり線」の愛称が付けられている。
元々は宿毛線と同様に日本鉄道建設公団の工事線であり、牟岐駅(徳島県海部郡牟岐町)から後免駅(高知県南国市)までを結ぶ路線として計画された「阿佐線」であった。このうち、高知県側の「阿佐西線」として予定されていた一部区間(奈半利駅〜後免駅間)の建設を引き継いで完成させ、2002年(平成14年)7月1日に新規路線として開通した。公団によりAB線(地方開発線及び地方幹線)に位置付けられた路線としては、建設中止路線を除けば最後の開通路線・開通区間となった。なお、徳島県側の「阿佐東線」は阿佐海岸鉄道が海部駅〜甲浦駅間の建設を引き継ぎ、1992年(平成4年)3月26日に開通させている。
駅ごとにやなせたかし(高知県香美郡香北町(※)出身の漫画家)がデザインしたイメージキャラクターがある。
(※)2006年(平成18年)3月1日に同郡土佐山田町・物部村と合併して香美市になった。
車両
2000系
四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)用の特急形車両。JR四国土讃線などとの相互直通運転を行うにあたり、車両使用料の調整のためにJR四国とほぼ同一仕様で新製された。1990年に4両が製造され、JR四国の高知運転所に配置された。JR所有車と区別するため車番が30番台となっている。2001年3月3日からは「土讃線アンパンマン列車」仕様(ピンク→2009年10月1日のリニューアル後はオレンジ)となった。2020年7月18日の運転をもって2700系に役目を譲り引退。翌日(7月19日)廃車回送された。
2700系
四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)用の特急形車両。上記2000系の後継車として、やはりJR四国とほぼ同一仕様で新製された。2020年に2両が製造され、JR四国の高知運転所に配置された。「アンパンマン列車」ではないが、2000系と同様にJR所有車と区別するため車番が30番台となっている。
TKT8000形
四万十くろしおライン(中村線・宿毛線)の普通列車用。両運転台で8両在籍。
9640形
ごめん・なはり線(阿佐線)の普通・快速列車用。両運転台車。在籍する11両のうち2両は特別仕様。なお、形式名の由来は「黒潮(くろしお)」の語呂合わせである。