当記事は「リンク(ゼルダの伝説)」から分離・独立させています。
記事の肥大化を防ぐため、先方に当記事の内容を追加しないようお願い致します。
CV:高梨謙吾
概要
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の主人公。
シリーズの例に倣って金髪と青い目、尖った耳をもつハイリア人の青年。ハイラル城の近衛騎士としてゼルダ姫に仕えるれっきとした武人。シリーズでは緑色の衣装の印象が強い人物だが、今作のイメージイラストでは青い服を纏い、髪を後ろで束ねている。
本編開始前から100年の眠りについており、目覚めた時にはあまりに永い休眠の影響か記憶喪失になっており、かつて振るっていたマスターソードが引き抜けないほど力も大幅に落ちてしまっている。
能力
弓矢、片手剣、ブーメランといったおなじみの武器に加え、今作では両手剣、棍棒、槍なども使用する。シーカーストーンの多様な機能を使いこなす器用さも健在。
しかしながら総合的な戦闘センスはプレイヤー次第。今作の戦闘は死にゲーと見紛うような容赦ないゲームバランスをしているので、ゲーム前半は各種ステータスの不足もあって無様を晒すことも少なくないと思われる。
登攀能力は歴代どころかあらゆるゲームシリーズの中でも最強に位置すると思われる。ハイラル全土を探しても、彼に登れない壁の方が少ない。垂直に切り立った崖、一見してつかみどころのない城壁はもちろん、そり立つ壁のようにある程度こちら側へ反り返った壁すら(スタミナ消費は増えるものの)容易に登り切る。
100年前
プレイヤーが操作する時点でのリンクは長年の眠りにより衰えている設定であり、100年前のリンクは凄まじい戦闘力を誇っていた様子。
確認出来る実力としては─
…等々その戦闘能力は極めて高く、他の英傑からも手放しで賞賛されている。
ゲーム中でジャスト回避するとできるスローモー攻撃も長年の鍛錬の賜物なのだろう。
100年前を舞台とした『厄災の黙示録』にてその戦闘能力が発揮される……?
眠りから目覚めまでの経緯
退魔の騎士として厄災ガノンに対抗する要であったが、大厄災の日に仲間たちは倒れ、神獣やガーディアンもガノンの手に落ちてしまった。リンクはただ一人ゼルダを守るべく奮闘するが、ガーディアンの群れとの連戦で致命傷を受ける。しかし女神の力に目覚めたゼルダによって多くのガーディアンが停止し、かろうじてハイラル全土は壊滅せずに済んだ。
その後、意識を失ったリンクはプルアらによって回生の祠へと運ばれ、深すぎる傷を癒すべく100年の眠りについた。だが祠の臨床試験が十分でなかったため、力と記憶を失うことになる。
人物
ハテノ村出身(運営スタッフの発言より)。
騎士の家系に生まれ、幼少時から大人をも打ち負かす程の類稀なる剣才と、鍛錬による非常に高い実力を持つ。とりわけ城内でガーディアンが暴走した際に咄嗟に落ちていた鍋の蓋でビームを反射して暴走を沈めた一件がハイラル王の目に留まり、ゼルダ直属の近衛騎士に最年少で昇格した。
無口である理由も語られており、その才能ゆえに注目されやすく、周囲の模範となるよう自身を律し続けた結果、感情を表に出せなくなってしまったという。
好き嫌いはなく、何でも(たとえそれが失敗した料理や岩ロースであっても)食べる健啖家。料理に関しては何でも鍋にブチ込んでワイルドに調理する。シリーズでお世話になっている妖精まで調理できる(ただしすぐに逃げられてしまい、妖精の回復力が宿った力水が残される)。
目覚めて以降は、記憶喪失に加えて立場的なしがらみから解放されているためか、生来のものと思われるかなりノリノリな性格になっている。
台詞は無いが、馬を宥めたり悲鳴を上げたりと声が聞こえる場面は多い。ステータス画面に表示されるリンクは気候の変化で表情も変化する。ひたすら寡黙な過去作に比べて、今作のリンクの活発さは随所に滲み出ており、会話中に表示されるセリフの選択肢も真面目なものからネタじみたものまで幅広い。依頼をこなした後は「なにか忘れていません?」としっかりとお礼を要求する(ミニチャレンジ「大妖精さまのおふせ」など)。その他、拒否の選択肢として「へぇ~」「今忙しい」「自分でやれば?」など突き放したようなものもある。
本作の自由度の高さもあって、プレイヤーの好奇心に従って駆け回るリンクのいろいろな姿を見ることができるだろう(その際たるものがコレかもしれない・・・)。
今までのシリーズと違い様々な防具を着用でき、衣装チェンジするのも醍醐味。
お馴染みのあの緑服は最後の最後、試練の祠全攻略で手に入るとか。
珍しく美形としての側面が強調されており、一部の女性NPCから懇意にされたり、女装する羽目になった際に一切怪しまれないどころかむしろ「可愛い」とまで評されるほど。背丈もハイリア人女性と同じくらいで、中性的に見えるものと思われる。
キャラクターボイスが導入されている本作では、イベントやムービーシーンで名前を呼ばれることも多く、他作品と異なり名前を変更することはできない。
服装と目の変更
今作は宮本氏から総合制作を引き継いだ青沼氏によって、それまでのシリーズで当たり前とされてきた様々な事を全て見直すというコンセプトのもと、リンクの容姿に関しても、緑の服と帽子から青い服で帽子無し、平行四辺形の釣り目から丸みを帯びた目へと、長年続いてきた伝統を根底から大きく変える変更がなされた。
制作陣によると、リンクの服を緑から青に変更することはアタリマエを見直す最初の段階で決まったそうで、理由は「リンクが緑の服を着たままだとせっかくゲーム自体を大きく変えたのに全然変わっている気がしないから」で、青い服はゼルダのアタリマエを変えるためのフラグシップだったとのこと。また、帽子に関しても「リンクの帽子をどうにかできないの?」「カッコよくできるかアレ?」などと青沼氏からリクエストがあったそうで、結局「冷静になって考えると、緑の服や帽子が本当にかっこいいの?」という話になり、ブレスオブザワイルドでは主人公のリンクがいったいどういう姿をしていれば嬉しいんだろうという所から見直した結果、帽子をかぶらずに青い服を着て登場する現在の形になったそうである。
また後になってから、ずっと緑がある世界を冒険していく中で、保護色になってしまう緑の服よりも青の服の方が見やすくて理にかなっているという事にも気づいたそうである。
ただし青い服に関しては、ブレスオブザワイルドのリンクのベースとなるCGデータを作る際に、仮の予定で風のタクトHDのリンクが私服として着ていた青色のエビのシャツを着せて改造して作った急造の青服リンクが意外と評判がよく、結局そのままにしたとの事なので、実は全く新しい服装というわけでもない。
また目の形については青沼氏が、「リンクがいつも平行四辺形で力んでいる目をしているのはなんでなんだ。プレイヤーが力んでない時でもリンクは常にキリッと力んでるように見えるのがなんか変。遊んでいるほうはそんなに力んでいないから」と言い、「哀愁を帯びた感じのイメージで。遥か未来なのか、遠い地平の彼方なのか、大切な人を見ているのかっていう、切ない目にしてほしい」とオーダーを出し、変更したそうである。
リンクの初公開となった2014年E3のPV映像の最後に、リンクがアップでガーディアンに向けて矢を撃つシーンがあり、通常そういう魅せカットでは目力を出すのだが、青沼氏からリテイクが入ったので作り直し、そこでようやくOKをもらったとのこと。
またリンクはブレスオブザワイルドで服装と髪型が変化したことによってより中性的な雰囲気が強くなったが、制作スタッフによるとリンクが中性的なイメージなのは意図的で、とても大事にしているものであり、海外では多くの女性にプレイしてもらえる要因の一つになっていると聞いているとのこと。また青沼いわく「リンクはキャラクターというよりプレイヤーであってほしい。トワイライトプリンセスのリンクはすごくカッコいいがやりすぎたかなとも思った。女性のコスプレイヤーがリンクになることも多いので、女性にも共感してもらえる形にしたかった」とのこと。
利き腕
武器は右手であるため、本作のリンクは右利きであるとされることが多い。
しかし、シーカーストーンを扱う時、祠のゴールを開けるときなど、戦闘以外の場面では左手を常用しており、ハテノ村の自宅の事務机に置かれるペン立ても左側。
このことから今作のリンクは左利きではあるが、騎士としての教育を受けるにあたって武器だけは右手で扱うよう矯正されたではないかという解釈もある。
(Wiiのゼルダの伝説シリーズと違い)ハードやゲームシステムによる制約がない本作のリンクが右手で片手剣を扱うのもまた、ブレスオブザワイルドの「ゼルダの伝説のアタリマエを見直す」というコンセプトの一つである。
青沼氏によると「リンクの左利きも伝統だと言われてきたが、諸説いろいろあって何が本当なのか僕もいまだに知りません、なぜゼルダはこうじゃなきゃいけないのかという問いかけにハッキリした答えが見つからないのであれば、そこはどんどん変えてもいいと思っているので、今作のリンクは帽子をかぶらずに青い服を着て登場し、しかも右利きになっている」とのこと。
ちなみに意図したものかは不明だが、弓の引き方が独特なものになっている。この引き方をするアーチェリー選手はいるがごく少数。
100年後の扱い
100年という長い時間により大厄災や5人の英傑に関する話は風化しほとんどの一般人からは忘れられており、噂として勇者や退魔の剣の伝説が語られる程度の知名度となっている。
このため基本的には一般の旅人扱い。
他の種族よりも寿命が長いゾーラ族の人々は100年前のリンクを知っている者が多く、当時の思い出話をされることも。一方で元老院に所属する老人たちからは「ミファー様を守れずに死なせた」として怨まれており、リンクのみならずハイリア人そのものも「古代兵器など持ち出してハイラルをめちゃくちゃにした(ムズリ談)」と不評を買っている。
しかしドレファン王はいまだハイラル人に信頼を置いており、リンクのことも最初から歓迎している。
リトの村ではリーバルの名前や伝承はそれなりに広まっているが、他の英傑に関する話はほぼ伝わっていない模様。
大厄災当時を知る族長のカーンはシーカーストーンを見てリンク本人だと気づきかけたが、英傑は全員100年前に命を落としたと思っているため、本人ではなくその末裔だろうと思い直している。
ゴロンシティでも状況は似たようなもので、ダルケルの巨大な石像がある程度。ダルケルの末裔であるユン坊や組長のブルドーも最後までリンクの正体に気づくことがなかった。
ゲルドの街では伝承がやや詳細に残っていたようで、族長ルージュがリンクの正体を(半信半疑ながら)察することができた。このため「ウルボザ様の友」として最初から友好的に接してくれる。また、側近のビューラ等も英傑に関して多少の知識を有している様子。
ただし街が男子禁制であることに変わりは無いため、ヴァ・ナボリス解放後も女装が必要。
厄災の黙示録でのリンク
未来から来たガーディアンの存在のためか上記の経歴と差異が生じているが、基本的に全盛期の実力なので、原作よりはシビアではない無双シリーズのゲームバランスが違和感ない。
魔物の群れを撃退したことでハイラル王の目に留まり、突如出現した謎の塔の警護と時を渡るガーディアンの力の真偽を見極めるという任務を言い渡される。インパの提案によりゼルダが謎のガーディアンの解析を王立古代研究所に依頼することになったため護衛役として加わる。その道中、突然起動した歩行型ガーディアンのビームがゼルダを狙うが、これをリンクは颯爽と跳ね返すなど、伝説に語られる武技が垣間見れる。
武器は片手剣、両手剣、槍の3系統に分類される。
本編と違い武器の耐久力を気にする必要はないため一度に1000体の魔物を切り伏せることもできる。ただし、戦闘中に武器を持ち替えることはできない。
片手剣はおなじみの剣と盾のスタイルで、回転斬り、ガードジャスト、盾サーフィンなどなど。キャラクターアクションは弓。ヘッドショットで相手をダウンさせられる。
なお木の枝や棍棒など片手で持てる物は片手剣に含まれる。ストーリー中盤からはマスターソードも使用可能になる。盾は剣と対になるものを自動的に装備し、兵士の剣なら兵士の盾、マスターソードならハイリアの盾を装備する。
両手剣はキャラクターアクションでハートを削って大ダメージを与えられる。削ったハートは強攻撃の食事で回復できる。
槍は広範囲と連続攻撃が持ち味。キャラクターアクションは突進攻撃。
衣装は最初は兵士の服のみだが中盤に英傑の服が手に入り、その後もサブクエストなどで入手できる。条件は厳しいがあの女装衣装も手に入る。
本編と違い衣装ごとの効果はないため変わるのは見た目のみである。
2021年6月18日に配信されたDLCにて新たな武器種「ガーディアンフレイル」が登場。王立古代研究所の依頼を進めていくことで開発してもらえる。
キャラクターアクションで敵の武器を奪って複製し、奪った武器に応じて通常攻撃の方法が変化する。ただし効果時間は短く、一度使用すると次の複製までリキャストが発生するため常時使えるものではない。
余談
姫川明著『ふしぎの木の実』に登場する少年リンクは、ハイラル王家に代々仕える騎士の家系という独自設定がある。元騎士である祖父から後継者として見込まれ厳しく鍛えられていた。ちなみに実家はハイラルの片田舎。
実力は高く、騎士志望の少年(恐らく貴族)と互角以上に渡り合って見せた。
当のリンクは「騎士なんてつまらない。冒険家になってもっと面白い生き方をしたい」と祖父に述べており、自分の生き方を勝手に決められるのを嫌がっていた。
だが具体的にやりたいこともなく、生き方に悩んでいたリンクは祖母から「本当にやりたいことなんて大人でもなかなかわからない。自分を知るにはたくさんの経験が必要で、色々なことをやってみるのは決して回り道ではない」と教えられる。
トライフォースの試練によってホロドラムに飛ばされた後、闇将軍ゴルゴンと遭遇。リンクは闇の力によってなす術もなく生気を奪われ仮死状態にされるが、ディンの呼びかけに答えた四季の精霊から命を注がれ息を吹き返した。
その後、ディンを狙って来たゴルゴンと再戦するも歯が立たず、剣を折られた上に満身創痍となる。しかもディンが投降を申し出たことで見逃されるという始末だった。
リンクは身代わりとなったディンを救い出すべく冒険の旅に出る。その過程で様々な仲間を得、ゴルゴンに対抗できるほどの絆を手にした。
ゴルゴン打倒後は試練を乗り越えたとしてゼルダ姫に認められ、エンディングでは自分の意思で騎士となった。
「田舎に住んでいるが王家に代々仕える騎士の家系」「少年でありながら年上の剣士と互角以上に渡り合うほどの才能の持ち主」「ラスボスに一度敗れ命を落とすが超常の力により復活してリベンジを果たす」などなど表現の違いはあるがブレスオブザワイルドのリンクを思わせる部分がある。祖母の言葉も本作を端的に示したものと言える。
また未将崎雄著「ゼルダの伝説」「リンクの冒険」に登場するリンクは、人間とエルフの間に生まれたハーフエルフという設定。ハーフエルフのため耳の形が「皆とは違う」として町の悪ガキたちにからかわれたり、宿屋の主人から門前払いされるなどしていた。
しかし、ガノンの配下に町が襲われた際に宿屋の主人を助け、続けてガノンを倒してゼルダ姫を救出したことで人々に見直され「リンク様」と呼ばれるようになる。悪ガキたちもガノン討伐に向かったリンクを心配していたが、エンディングでは笑顔を見せている。
「種族的な理由で差別されたが活躍したことで見直される」というのは上記のゾーラ族関連で描かれている(もっともリンクをハイリア人と言うだけで煙たがっていたのはムズリくらいだが)。
関連イラスト
※女体化