CV:太田真一郎
概要
『美少女戦士セーラームーン』の第一期(無印)に登場するアニメオリジナルキャラクター。
第27話「亜美ちゃんへの恋!?未来予知の少年」で登場。
区立十番中学校に転校した少年。父親が転勤族であるために、何度も転校を繰り返している様子。
全国模試一位常連の水野亜美を定期テストの順位で抜いて大騒ぎになった。実は塾の模試で隣席になった亜美に一目惚れしている。
脚本上では美少年という設定だったが、登場回の作画監督の安藤正浩の画風による太い眉ともみあげが特徴。スタッフが共通する『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジにそっくり。
真面目で大人しいが、頑固で状況によっては大胆な行動に出るタイプ。亜美を「亜美さん」と呼んで憧れている。
亜美への気持ちを知った月野うさぎにからかわれ、「好きな人の写真ぐらい持ってるもんよ」と亜美が大口でハンバーガーを食べている写真を渡された。
実は最強妖魔七人衆の一人・妖魔ブンボーの生まれ変わりで、予知能力者という秘密を抱えている。黄色の虹水晶の持ち主。
予知能力で亜美をセーラーマーキュリーと知っており、自分が妖魔に覚醒してマーキュリーを殺してしまうという未来を回避しようとしていた。
27話冒頭で亜美を事故から救ったり、亜美の順位を抜いたのも予知能力を使ったからである。
活躍
予知能力は強力だが万能なわけではなく、予知した未来が実現するタイミングまでは読めない。
うさぎに「今日は水に気をつけた方がいい」と教えた直後に、うさぎがバケツの水を被ってしまうミスもやらかしている。
昔から不吉な予知に悩まされて能力をもてあまし、妖魔である自分を嫌って自己犠牲を厭わなかったが、セーラーマーキュリーの説得で未来を変えるべく努力し、自分を大事にしていこうと決意する。
しかし、ダークキングダム四天王のゾイサイトに虹水晶を奪われて妖魔ブンボーに強制覚醒させられてしまう。ところが逆にブンボーを強い精神力で一時的に支配し、ゾイサイトを攻撃して虹水晶をセーラー戦士の手にもたらした。
すぐさまゾイサイトの黒水晶に人間・浦和良の意識は妖魔の本能に塗りつぶされてしまうが、それまでに稼いだ時間でセーラー戦士たちを全員到着させ、望んでいた通りにセーラームーンに浄化されて元通りの人間に戻れた。
こうして自分の意思で未来を変えた事を亜美に認められ、亜美にとっての初めての異性の友人になった。しかし、すぐに父親の転勤で遠くに引っ越すこととなり、亜美に写真を託される(うさぎが手渡した面白顔の写真とは違い、笑顔の亜美の写真)。
後に残っていた予知能力でダーク・キングダムに洗脳されたエンディミオン(地場衛)のたくらみを知り、引っ越し先の町から十番町へと舞い戻り、セーラー戦士に協力した。それまでも亜美と連絡を取り合っていたのか、「浦和くん」から「良くん」に呼び名が変わっていた。
第45話「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」では、木野まことの「戦いが終わったら思いっきり恋をする」という言葉に反応した亜美が良を思い出すような仕草をしたり、DDガールズに良の幻を見せられたマーキュリーが一瞬動揺して「あたしにもこんな幻を見ることができるのね」と皮肉を言うシーンがある。
ダークキングダムとの戦いでマーキュリーを含めたセーラー戦士は全滅してしまい、クイン・ベリルを倒したうさぎが世界を転生させた後でどうなったかは不明。
アニメオリジナルキャラクターではあるが、第三期(『S』)の直後を舞台とした原作者・武内直子監修のSFCゲーム『美少女戦士セーラームーンAnotherStory』では、亜美との遠距離恋愛が継続していた。
評価
人間を愛してダークキングダムを事実上裏切ったネフライトの延長線にいる存在であり、セーラー戦士に協力したダークキングダムで初めての人物とも言える。「ダーク・キングダムを裏切った唯一の妖魔」と呼ばれることも。
怪物だった前世を克服して現世での人間の自分を守ろうとしたという点では、前世の使命よりも現世の生活の方を優先してきた旧作アニメ版セーラームーンの作風をある意味最も象徴した人物でもあったりする。
放送当時、男性人気が集中していた水野亜美の彼氏候補として登場したため、多くの痛い亜美ファンの嫉妬と反発を買った。特徴的な作画による丸っこい顔立ちも悪いように取られてしまい、「あんなに平凡そうな奴がどうして俺たちの亜美ちゃんを」という憎悪を買ってしまった部分もあるらしい。
男性ファンの反発がどれほど影響したかは不明だが、第二期『R』以降は登場しない。同様の出来事はスタッフが共通する『おジャ魔女どれみ♯』のFlat4登場時にも起きている。予知能力で戦いのパワーバランスを簡単に崩せるために出すことができなかった、という事情もあったようだが(元からアニメ版ではうさぎと出会ってからの火野レイが予知能力を上手く使えなくなるなど、キャラクターの特殊能力の出番を減らしている)。
どれほど影響したかは不明だが、『エヴァンゲリオン』製作時に男性人気が集中した綾波レイを最終回で妊娠させてファンを懲らしめたいと幾原邦彦が庵野秀明に頼み込んだ逸話がある。
アンチも多いが、大人びていて不正を嫌う亜美との性格上の相性は良く、命懸けでダークキングダムから亜美を守ろうとする男気を見せたことで根強いファンも多い。
行動だけを見てみれば、鬱フラグを些細な行動の積み重ねで見事に覆してみせているので、セーラームーンワールドにおける立派な鬱フラグクラッシャーの一人と言える。
関連タグ
劇中関連
水野亜美 鬱フラグクラッシャー 良亜美 ブンボー 最強妖魔七人衆
レッドバトラー/バケーネ…浦和と同じく最強妖魔七人衆の一人であり、ルナに恋するデブ猫。本来なら妖魔七人衆の中でも最強とされる妖魔であるが、妖魔に覚醒してもなおルナへの愛情が強く残っていたため、戦闘シーンを見せることなく浄化された。
似た人
怪盗A - コードネームはセーラーVの登場人物。こちらはセーラー戦士に自分を倒して欲しいと願い、本当に倒されちゃった人。
キリヤ/入澤キリヤ- ふたりはプリキュアの登場人物。黄色のプリズムストーンの持ち主で、主人公コンビに敵対するが、最終的には運命に逆らう決断を行い、自身の持つプリズムストーンをほのかに託す。
早乙女純 - ドキドキ!プリキュアの登場人物。ジコチューにされ主人公たちに敵対したが一度は自らの精神力でそれを阻んだ。
バーダック-ドラゴンボールの主人公、孫悟空の父親。ある経緯で予知能力を手にし、同時に自分たちサイヤ人を滅ぼす巨悪の存在を知り、滅亡の運命にただ一人抗った人物。
キッカー(TF)-トランスフォーマースーパーリンクの地球人側主人公で、予知能力持ち仲間。良がブンボーと化した際に見せた予知能力を活用した戦闘スタイルを使い、良にとっての亜美同様に賢くて可愛いガールフレンドがいる点も共通。
アペデマス-新ジャングルの王者ターちゃんのルシュ王国編における主敵で、前述のキッカー同様予知能力持ち仲間。予知能力を活用する戦闘スタイルも同じだが、こちらは「運命に翻弄された哀しき悪役」としての側面も持つ。
ブルーノ・マドリガル-映画「ミラベルと魔法だらけの家」の登場人物。自らの不吉な予知に悩まされ行方を眩ましていたが、姪であるミラベルを助けるために尽力する。