演:樋口幸平
概要
ドン王家が技術の粋を結集して開発した桃井タロウに酷似した戦闘用アンドロイド。
ドンブラザーズのシステムには悪用を防ぐために「相応しくない行動をし続ける資格者から資格を剝奪する」機能があるが、それがあっても尚ドンブラザーズが力を悪用し道を踏み外した行動をし続けた場合にのみ発動される一種の最終手段。
何故タロウを模した姿なのかは不明だが、タロウ曰く「カッコ良いから」とのことらしい。しかし同じ顔なのは気に入らず、再戦時に難色を示している。
起動すると事前にインプットされた「ドンブラザーズを抹殺する」のプログラムに沿って行動し、たとえ相手が逃げたとしても何処までも追跡を続けてターゲットを捕捉し、格闘術や搭載された兵器等の多彩な攻撃手段で、ドンブラザーズを徹底的に殲滅し尽くす。
なお、目的は「ドンブラザーズの殲滅」のため、それ以外の脳人等には攻撃をすることはない。
その行動理由により一度起動してしまったが最後、ドンブラザーズを殲滅するまで一切止まる事はせず、緊急停止させるための機能もないので如何なる方法を以てしても止めることは不可能。
その様な理由の為に普段は管理人である五色田介人が起動スイッチを金庫に入れて厳重に管理している。
その力は元老院側も認識しており、ドン・キラーが起動したことを知った際は、脳人三人衆に「一切関わるな」と指示している。
戦闘力
『ドンブラザーズ』内の最強候補。
その戦闘能力は凄まじく、個々で対峙したイヌブラザー、キジブラザー、サルブラザーを怪力で掴んで何度も地面に叩き付け病院送りにし(なおこのとき、入院しているメンバーの包帯は叩きつけられた部分ではなく掴まれた部分に巻かれており、叩きつけよりもドン・キラーの握力そのもので怪我をしているように見える)、脳人三人衆も自分達を攻撃して来ると分かった途端に速攻で撤退の選択を取る程で、1対多数の有利な戦況でもドンモモタロウでさえ文字通り全く手も足も出ないことから、並大抵の存在ではとても敵う相手では無い。
劇中で初めてドンモモタロウが絶対に勝てなかった相手として絶大なインパクトを残した。
防御面も隙はなく、相手の攻撃を容易く受け止めてしまい、頑丈なボディで掠り傷一つ付かない。ゼンカイザーブラックの放つギアトリンガーの銃撃を浴び続けてもノーダメージだった。
一応ロボットではあるが飲食は可能でバナナパフェを食べたり、それに仕込まれたからしで不具合を起こしたりと原動力や詳しい体の構造は不明。
またロボットのために普段は無表情だが、ドンブラザーズを発見すると不敵な笑みを浮かべる。
桃井陣によるとドン・キラーを止めたいならばドン・キラー・キラーを出撃させるしか無い。
武装
- 飛行能力
- 両手足よりのジェット噴射での高速移動による飛行能力。これで広範囲の捜索が可能になり、ターゲットを絶対に逃さないほか、これ自体が攻撃手段として機能する。
- ビーム
- 目から発射する怪光線の他、口や手から滅茶苦茶な火力の光弾を放つ。
- ミサイル
- 口から発射する大型ミサイル。発射後分裂し広範囲爆撃へと切り替わる。
活躍
普段からお世話になっているマスターのためにとオトモ3人組とジロウが喫茶どんぶらを掃除していた最中に、棚に厳重に封印されていた金庫を発見する。3人の誕生日を入れたところ偶然開いてしまい、中に謎のボタンを発見。ジロウが興味本位で押してしまったことで起動してしまう。
邪鬼を倒す為に召喚されたドンブラザーズの前に現れ、その圧倒的な強さで蹂躙。バラバラになって逃走した彼らを追跡し、手始めにイヌブラザーを病院送りにする。
その後何故か喫茶どんぶらにドン・キラーが来店し、バナナパフェを注文。ドン・キラーを止める手を探っていたマスターは、せめての抵抗にと大量のからしを仕込んだパフェを提供。ドン・キラーは体内に異物が入り込み異常をきたす。
そんな中、脳人らが襲撃。本来は命令違反だが、タロウとは自身の手で決着を着けたいソノイは独断で仲間を率いて攻撃を仕掛ける。しかしこの状態でのドン・キラーは脳人らにも容赦なく攻撃を繰り出し、3人は止むを得ず逃走。この戦いで異物が抜けたのか、ドン・キラーも機能が正常化する。
そしてみほ宛の遺言書を書いている途中のつよし、辞世の句を読んだ真一を次々と病院送りにし、山中で最後に傑作漫画を描くのに励むはるかと同じ場に居たタロウを襲撃。2人は変身して立ち向かうが2人掛かりでも止められず、ゼンカイザーブラックに変身したマスターも加わるが圧倒的な攻撃の前になす術はない。
そこに謎のアンドロイドが現れる。
その名をドン・キラー・キラー。実はあの後帰郷したジロウは育ての親の駐在所で例のボタンとソックリなもう1つのボタンを発見、押した結果ドン・キラー・キラーが出撃してしまうのであった。
2機の戦いは互角。
彼らは拮抗した戦いのまま、空中へ、そして宇宙にまで上昇。
決着の着かない戦いを未来永劫続けながら宇宙の果てへと消えるのであった……
余談
- 拮抗した戦いの末宇宙へ飛んで行ったドン・キラーとドン・キラー・キラー。
- 視聴者達に「今後新しいスーパー戦隊が登場しても宇宙の果てでドン・キラーとドン・キラー・キラーが戦っているに違いない」と、何処ぞのくりまんじゅうよろしく広大な宇宙に対するロマンを感じているファンが少なからずいた。
- 尚、タトゥーシールの提供者曰く「個人的には宇宙に飛び去るという退場のしかたでちょっとよかった。(あのタトゥーシール使われてて破壊されたら多分泣く(´;ω;`))」と宇宙へ飛び出すオチに肯定的。
- ドン・キラーを呼び出すボタンはどう見てもバスの降車ボタン。それ故にドン・キラーがトラウマになってバスの降車ボタンの玩具を見て大泣きした子供もいたらしい。
- 今回の1番の元凶であるジロウは一切被害を受けないばかりか、今回の事件自体をジロウが意図せず解決してしまった。
- 『ドンブラザーズ』本編において、ドンモモタロウと真っ向からやり合ってまともに苦戦させたのはこのドン・キラーただ一人。本編最終盤に登場した最強のヒトツ鬼や脳人の処刑人といった強力な相手ですらドンモモタロウ一人で(アルターやアバターチェンジ、強化形態なども一切使用せず)あっさりと撃破してしまっており、そんな彼を圧倒したドン・キラーは互角の能力を持つドン・キラー・キラーと共に『ドンブラザーズ』最強クラスのキャラの一人どころか出演する作品を間違えているレベルの強さである。
- 最終話までの流れから、ドンブラザーズにとって総力を挙げて根絶しなければならない敵は、本質的にはどこにも存在していない。そして本作の本質がホームドラマであると東映HPに記述されている以上、正義や悪よりも人間としての物語という性格が非常に強い。そのような作風において、一番危険なのは「ヒーローの力を悪用する人物」であり、それをストップさせる装置であるドン・キラーが最強であるのは筋が通っていると言える。