「私はズノー。私はこの屋敷のあるじ。ズノー博士」
「くりかえす。私はこの屋敷のあるじ。ズノー博士」
概要
なんと!でんぢゃらすじーさん大長編『犯人はノブちゃんです』にて登場。
じーさん達が雨宿りに訪れた山の屋敷の主人にして科学者であり、真偽は不明だが「天才(自身の根拠は不明)」で、「"頭脳だけ"でのしあがってきた男」。
じーさん達が訪れた時は「自分の頭脳を高めるため」と出かけて不在らしく、彼が作ったお手伝いロボ「バーヤ」が居るのみであった。
科学者らしく研究室はあり、いくつかの発明品もテーブルの上に置かれていたが、バーヤから紹介された発明品はおばけが見える「ゴーストメガネ」や死んだ人が化け物になってよみがえる「化け物エキス」、さらに言われたことをなんでもきいちゃう「さいみんキャンディー」など、じーさんもドン引きするものばかりだった。
他にも部屋の形がピラミッドになっている「めいそう部屋」(ズノーが疲れた際にピラミッドパワーを応用して心をリラックスさせるために使う部屋)や、たくさんの本が並んでいる「図書室」に「食堂」、トイレが3部屋もある 。
じーさん達が大広間で出されたお茶を飲んでくつろいでいると、突然留守のはずのズノーの声が響き渡り、 「自身の完璧な頭脳を証明するため自分とゲームをしよう」 とじーさん達に持ちかけ、「24時間以内に屋敷のどこかにいる自分を見つけなければ全員死ぬ事になる」と宣言する。
その直後、外に出る窓や扉は全て閉鎖されてしまい、外部への脱出や連絡が遮断されてしまった。
なお、その実行犯であるバーヤはズノーの声を録音したテープレコーダーが仕込まれていたりと今回のゲームの仕掛けとして改造されていたようであり、その後怒って掴みかかった校長もろとも自爆した。
慌てたじーさん達はそれぞれ、
じーさんと校長は「大広間」
ゲべは「研究室」
半・分太くんは「食堂」
天井院は「めいそう部屋」
床弾坊は「げんかん」
ふるちんのすけは「トイレ」
ノブちゃんは「おフロ場」
孫は「図書室」
と、屋敷内全ての部屋を調べ回るが、結局ズノーは全然みつからなかった。
再びズノーの声が響き渡り、「ヒントをやろう」と言ってきた。
そのヒントは
「私はキミたちの中にいる。」
つまり、じーさん達9人の中に"すがた"を変えて誰かになりすましたズノーがいるのである。
謎
疑心暗鬼で喧嘩したり、当てずっぽうしては返り討ちに遭い、推理(?)が行き詰まり絶望するじーさんだったがゲベから
「まずはその『ズノー博士』って人間を調べるトコロから始めたらどうだ?犯人の経歴がわからなければ捜査のしようがないだろう?ズノー博士はきいたところによると、科学者らしいから、とりあえずはこの屋敷の研究室を調べてみたらどうだろうか?研究室を調べればヤツの特徴や今まで作った発明品など、博士としての情報が手に入るかもしれない。欲をいえば、日記なんかもあれば今回の事件についてなにかわかるかもしれないな。まあ、なんにせよ、我々はこの屋敷にとじこめられている以上、警察に助けをもとめるコトはできない。そして我々には24時間しか時間がない。ならばそのかぎられた時間の中でできるかぎりの捜査をするしかない。それが我々にできる唯一の手段であり、犯人を見つけだす最善の方法なのだ。わかったらさっさと研究室へ行けっつーの。はあ〜〜〜〜〜〜ちんこちんこ」
と、非常に的確すぎるアドバイスをもらったことで、ズノーの素性と経歴を調べるべく再び研究室に向かうことに。
- 「外部に助けを求める事は出来ない」というセリフがある事を考えると電話などもなかった(じーさん達が行ったハイキングの場所が電波が届かない圏外であり、ズノーが助けを呼べないように電話機の類いを予め抜き取った可能性がある)と思われる。
改めて調べると、机には先ほどバーヤに見せてもらったさいみんキャンディーとゴーストメガネの他にズノーが書いたと思われる日記が置かれており、最近の日付を調べることにした。
9月5日 | 私は天才科学者ズノー。間違いなく天才である |
9月6日 | 私がいかに天才なのか世間のヤツらにわからせたい。…だがなかなか理解してくれない |
9月7日 | どうすれば世間のヤツらは、私が天才だとみとめてくれるのだろうか? |
9月8日 | …私は本当の天才になるために、犯人さがしのゲームをするコトにした |
如何に自分が世間に認められるか悩んでいたのだか、日記は何故か1週間前から途切れている。
- じーさん達が屋敷に来た日は前編が掲載されているコロコロ2020年10月号の発売日である9月15日である。
そのことを気にする孫だったが、じーさんはいつの間にかあった新聞を見つけ、それを読んだ途端呆然とする。
その後ろで、怪しく見つめるノブちゃんに気づくことなく…。
そのとき、校長が犯人がわかったとみんなを集めて(ノブちゃんはあわてて、一緒に入ったふりをした)、研究室へ駆け込んできた。その犯人とは、
校長「じじい、キサマじゃーい‼︎」
じーさん「なぬぅーーーっ⁉︎」
なんと校長は、「じーさんが犯人」と言い出した。当然ながらじーさんは、何故自分が犯人なのかを校長にたずねるが、その根拠は「勘」と「ついでに顔がムカつくから」という個人的な感情だけからなる推理もへったくれもないもの。
孫は「おじいちゃんは屋敷にきてから、オレか校長といっしょにいたから犯人じゃない‼︎」と、じーさんにはアリバイがあることを証言するが、校長は孫を無視して、じーさんが犯人と決めつける。
その直後、頭上から降り注いだ電撃で校長は殺害されてしまった。
校長が死んだ後、
「残念…」
「ハズレ。そのじーさんは犯人ではない」
と、ズノーの声が響きわたり、
「犯人さがしゲームをおもしろくするために、間違えた推理をした者は死んでもらう」
と、己の頭脳を完璧にするために命を賭けてこのゲームに勝つことを宣言した……。
ーなお、殺された校長はその後(後編の冒頭)でじーさんに「校長が、大長編で死ぬのはいつものコトか」とあっさり諦められ、ゲベとともにその場でふざけ半分に埋葬されてしまった。
関連タグ
ドクター・ジョウ、ドクター・ヘーデル←過去の大長編で登場した科学者
わざぼー:同じ作者が描いたマンガのOVA型アドベンチャークイズゲームに登場した同名キャラ。あちらは、冒険家である。
ここから先ネタバレ注意
じーさんの推理(ネタバレ注意)
校長の埋葬後、ふとある疑問を抱いたじーさんは急いである部屋に向かった。
その部屋を確認すると、ある矛盾に気づき、じーさんは自分たちにまぎれる"ニセ者"が誰かを気づいてしまう。
そして、探偵の姿に着替えて推理モードに突入した彼が突き止めた犯人、それは……
なんと天井貴族の天井院さまであった。
じーさんの推理は
「ワシはこの屋敷にきてから、オマエ(天井院)以外の全員から攻撃を受けた。ズノー博士は自分の頭脳だけでのし上がった頭脳が全ての男であり、仮に誰かに姿を変えたとしても他人を攻撃をする訳がない」
という物。
もちろん「そんな理由だけで?」と返されるが、じーさんはその疑問が生まれたことで次の疑問にたどり着いていた。
全員で屋敷を探し回った時に天井院は「めいそう部屋を探した」と証言をした。
だが、室内はピラミッド型の構造になっており、普段天井しか居られない天井院が「天井のない」部屋に入れるハズが無かった。
天井のない部屋に入った彼は天井院のニセモノ……つまり彼がズノー博士だった。
そう指摘されると天井院は開き直り、邪悪な本性を現すように自分がズノー博士だと名乗った。
メガネをかけ、「これが名探偵じーさんの、名推理じゃ」と自慢するじーさんに対し、
「自分より頭のいいヤツをみとめない!科学者としてのプライドを捨ててでも、生かしておくワケにはかない」
と怒りを剥き出しにし、虚空からナイフを取り出してじーさんに向けて刺し殺そうとした。
「やっと出会えたな。真犯人!」
真相(本当のネタバレ注意)
「まっていたぞ。"本物"のズノー博士 」
ズノーが変装していたのは(ナイフを手に襲ってきたのは)天井院ではなく、孫であった。
じーさんは刺される直前に受け止め、ナイフを遠くへ捨てると本当の推理を始めた。
天井院はズノー博士ではなく、自分をズノー博士と思い込んでるだけであり、服用すると言われたことをなんでも聞くズノーの発明品「さいみんキャンディー」で催眠されていたのである。
最初に研究室で見た時キャンディーは4個あったのだが、次(ズノーの素性を調べる為に研究室に戻ってきたとき)に見た時は3個に減っていた。
1個はどこに行ったのか。
じーさん達が屋敷に入ってから唯一口に入れたもの。
それはお茶であり、全員が飲んだお茶の中に1杯だけキャンディーが入っていた。
そしてじーさん達がお茶の飲んだ直後に、予め録音した音声を流す。
それを聞いたことで、キャンディー入りのお茶を運悪く飲んでしまった天井院が自分をズノーだと思い込んでしまったというわけだった。
- 3回もズノーの名を言っていたのは、おそらく催眠術にかかりやすくするため。
この方法(ランダム)なら誰が犯人なのか、飲んだ本人、そして仕掛け人である本物のズノー博士にも分からない。
そんな意味の無い事をする動機は何なのか。じーさんは日記を取り出し、9月8日の日付を読み出した。
「私は本当の天才になるために、犯人さがしのゲームをするコトにした」
つまり、ズノーは「犯人探し」をしたかった。
その犯人探しの参加者の1人となるために、自分自身も分からない犯人を作ったのであった。
自分で犯人を見つけ、自分が天才だと世間に認めさせるために。
ズノーは敗北を認め、こんな事件を起こした動機を語った。
自分を一向に認めようとしない世間を見返すために、この事件の犯人を自分が見つけ、その映像を世界中に流すことで、自分が天才であると証明するという魂胆だったのだ。
ズノーは動機を語り終えると、演技に自信があったのか悔しそうに、
「オマエの孫を完璧に演じたつもりだったのに、何故私が孫ではないとわかったのだ?」
とどうやって変装を見破ったのかを尋ねるが、じーさんは
「この新聞をみつけるまでは、『日記』も『キャンディー』もたぶん気にならなかったよ」
と言いながら、先ほど見つけた新聞を取り出した。
「オマエは一週間前に、交通事故で死んでいる」
「つまり、今のオマエはユーレイじゃ」
その記事にはメガネをかけた男性の写真が載っていたが、その人物は驚くほど孫とよく似ており、見出しには「科学者・ズノー博士 交通事故で死亡」と書かれていた。
つまり、自分そっくりの孫になりすまして今回の事件を起こそうとした矢先にトラックに轢かれたことで事故死してしまい、幽霊になってしまったのである。しかし、本人は幽霊になっていたことに気づかないまま、孫になりすましていた(自分が死んだ事に気づかないのはフィクションでは珍しくない事である)。
当然ながら、幽霊になったズノーの姿は見えず声も聞こえない。ましてや、孫に変装していた事など気づくはずもない。しかし、(自分はまだ生きている人間だと思っている)ズノーは幽霊呼ばわりされたことに逆上し、
「何がユーレイだ‼︎ 何が声も聞こえないだ‼︎ 今こうしてオマエと会話しているではないか‼︎」
と否定するが、じーさんがかけているメガネに気がつく。それは、かければ幽霊等のおばけを見ることが出来る自身の発明品の「ゴーストメガネ」であり(このメガネ、聴覚にも働くのだろうか?)、じーさんはズノーが亡くなった新聞を見つけた時に、念のためにメガネを借りていたのだった。
しかしそれでも、
「そのメガネをかけたのはついさっき(ナイフを振りかざす前)で、私は『孫』としてオマエ達と一緒にいて会話もしたではないか」
とズノーは否定するが、じーさんは
「オマエは今日1日、"誰とも会話をしていない"し、コミュニケーションをとっていない!」
と反論する。
「思いかえしてみろ。オマエは会話やツッコミをしていたつもりらしいが、ソレらはすべて"一方通行"だったハズじゃ」
「オマエの会話やツッコミに、ワシらはいっさい"反応"していない」
実際にじーさん達は、ズノーが化けた孫の話を聞いている素振りを見せていなかった。ズノーは単に「無視している」と不満に思っていたが、じーさんの指摘でその理由、即ち自分は幽霊だということを認めざるをえないと理解したのか呆然となった。
(pixiv百科事典の説明文では省いている部分もあるため)イマイチピンと来ないかもしれないが、最初から 孫をズノーの幽霊 と意識して話を見返してみると、じーさんの言葉の意味とともに以下のような不可解なことに納得がいくほか、連載開始時からもう一人の主人公及びツッコミ役として登場していた孫なら知ってるはずのことをまるで知らないかのような発言や反応をしていたり、ツッコミの仕方が微妙におかしいということに気がつく。
- 冒頭で景色を台無しにしている、ふるちんのすけとうんこしているゲべを、「どけ!ちんことうんこ」と呼んでいる。
- これはまだ本物でも言いそうなものだが、うんこしているとは言え、(今まではゲベと呼んでいたのに)ペットであるゲベを名前で呼ばないのはやはりおかしい。このことから、固有名詞とゲベがペットである事を知らないということがうかがえる。
- 突然降ってきたゲリラ豪雨にじーさん達は当たっているのに、孫には当たっているエフェクトが無い。
- 屋敷を見つけた時にじーさん達は濡れているのに、孫は雨に濡れていない。
- バーヤが屋敷を案内しているときにトイレが多く出たが、「トイレ紹介しすぎだろ‼︎」とツッコんでいる。
- 初めて訪れたのなら、「トイレ多すぎだろ‼︎」と反応する筈である。
- バーヤがお茶を運んでいる時に湯のみは9個だったがじーさんの回想では8個になっていた
- 孫の視点で9個目の湯のみは幻と思われる。
- 出されたお茶をお行儀悪く飲むじーさんと校長に、「お茶くらい落ち着いてのめよ…」とタメ口で注意している。
- 本物なら人間関係上、祖父や(一応)教師の立場である2人に対して敬語を使うか、「のみなよ」と言う筈で、いつもは大概そうしている。
- 他の皆に捜索を押し付け自分はゲームをして待っているじーさんに、校長と孫は「オマエも探さんか」と同じセリフでツッコんでいるのに、吹き出しが分かれている。
- 通常は同じセリフの時は吹き出しがくっついている。本編の孫が不在の回は、校長が代理のツッコミ役になっている。
- まだ、「ズノー博士が屋敷のどこかにいる」という情報だけで屋敷内を捜索した段階(ズノーが誰かに化けているというヒントを出す前)であったにもかかわらず、孫はこの時点で「犯人の手がかり」を見つけようとしていた。
- つまり、孫は最初から犯人は「ズノーが化けている誰か」もとい、「自分をズノーと思い込んでいる誰か」ということ、そして「犯人はズノーでない」ということを知っていた。
- ズノーを探す時に孫の上にゲベが乗っており、ゲべが宙に浮いている状態になっている(一件不自然に見えるが、自体が自体なので気にするヒマが無かったと思われる)。
- ゲベはこの時に違和感を感じ、目に見えない何者かが居ると勘づいたから「研究室を調べた方がいい」とアドバイスをしたのかもしれない。
- 一方でQRコードで期間限定で見れた前編や単行本では本当に作画ミスだったのか、上記の湯のみとゲベの位置は矛盾がないように、ちゃんと修正されていた。
- 孫は図書室を調べたと証言した時に、じーさんは話を聞いてないような態度で図書室を調べると言った。
- 孫は(オレ信用されてないの!?)と思っていたが、じーさんは孫の証言が本当に聞こえていなかったうえに、誰も図書室を調べていなかったから、図書室を調べると言っていた。
- ズノーの声(音声)で「自分は9人の中にいる」と聞いた際、じーさんはゲベを見ながら「8人の間違いじゃないの?」と言った。
- 孫は『ゲベはネコだから人数には入らず省かれた』と思って「ゲべも入れてあげて!」とツッコんでいたが、じーさんは「自分の視点でゲベを入れて8人」という意味で言っていた。
- じーさんがノブちゃんを疑う理由(もともとこの漫画は、どーでもいいキャラがしれっと出てくる悪いノリがあるため、ノブちゃんもそのノリで出てきたキャラだろうとじーさんは思っていたが、状況が状況なだけに疑っていた)に対し、「…ヒドイマンガだな…」とどこか他人事のように思っており、「初めてこの漫画に登場した」ということがうかがえる。
- ノリを承知している本物なら、この言葉の頭に「相変わらず」や「今に始まった事じゃないけど」などを付ける筈。
- じーさんはヤケになって一同に、「犯人はオマエか⁉︎」と聞いて回ったが、孫には聞いていない。
- 実際に聞かれなかった孫は「諦めんの早っ!」と指摘した。もちろん無反応だったが。
- 孫はズノーの日記を見るのは初めてのはずなのに、1週間前に途切れている事を気にしていた。
- 大抵の推理物であれば、日記を読み終わったじーさんのように「日記はここで終わってる」となる。
- おそらくズノーは毎日マメに日記をつけていたので、何故か日記が途切れている事を疑問に思っていたのだろう。後を思えば途切れた日付は命日であり、もう日記を書けなくなってしまった(それまでは前述のナイフに触れるまでは何にも触れていないと思われる)から。
- 校長がじーさんが犯人と決めつける時に孫はじーさんにはアリバイがあると証言したが、2人共無視をしている。
- 校長は性格上無視してもおかしくないものの、じーさんにとっては意気投合する筈の(それも最初の捜索の時以外は一緒にいた身内からの)証言であるにもかかわらず、無視するのはおかしい。
- それについて必死に抗議をするが、校長は「反対意見が出ない」とまるで聞いていない。
- まぁ、校長なら実際に本物の孫がいても(何らかの難癖をつけて)やりかねないが。
- 校長が死んだのに「いつものコトか」とあっさりしてるじーさんに、「めっちゃ冷静~~~!!!血も涙もねぇーーっ!!」と、驚いてるような反応をしている。
- 校長がいつも死ぬのとじーさんが(特に校長に対して)薄情者であることは、先述のノブちゃんの件と同じく孫も承知のことであり、本物なら「ひでぇなオイ!お約束だけど」くらいで済ませる筈。
- ツッコミキャラという性質上仕方無い所もあるかも知れないが、ズノーを探す際に床弾坊の口の中に犯人がいると睨んだじーさんに対して「オマエまったく役に立たんな!!」と言ったり、ヒントをやるというズノーの言葉に大喜びするじーさんと校長をみて「プライドないんか!?」と発言するなど、じーさんや校長がどういった人物か把握しきれていない言動が見られる。本物なら前者は「んなとこにいるワケねーだろ!」とか、後者は「オマエらなー、バカにされんのそーいうトコだぞ!」というツッコミを入れそうなものである。
- じーさん達が死んだ校長を墓に埋めようとしている時に、孫は「墓をたてるな!」とツッコんだがじーさん達は話すら聞いていない。
- 一応今まではツッコまれたら途中で辞めていたが、今回は最後まで完遂していた。
- 推理モードになったじーさんに「犯人が誰かわかったの?」と尋ねたが、じーさんはその質問に反応していない。
- じーさんが天井院以外の全員から攻撃を受けたと推理した時に、攻撃してない孫が含まれていない。
- 推理中の時に屋敷の図形図で一同が調べた場所が置かれたが、図書室を調べたはずの孫が図書室にいない。
- 天井院がめいそう部屋を調べたとじーさんが指摘したことを、孫は疑問に思っていた。
- 本物の孫も天井院が天井にしか居られないことを知っているため、この時点で気づく筈である。
- ズノーがナイフでじーさんを襲う場面、手足の無い天井院がじーさんをナイフで襲ったように見せるための描写だろうが、突如としてナイフが炎に包まれた様になって宙に浮かび上がり、じーさんに飛びかかったような演出になっている。
- 我々読者が分かりやすくするための演出かも知れないが、実際に漫画の中でも霊現象によって同じ光景が起こっていたのかも知れない。
- 上記でも書かれているが、じーさんがズノーに刺される前に止めたときセリフで「"やっと出会えたな。"真犯人!」と、まるで今初めて対面したような内容になっている。
- その直後の会話にも「まっていたぞ。本物のズノー博士」と呼んでおり、孫になりすましていた事に一切触れていない。
- じーさんはズノーが既に死んでいることを新聞を読んで知っていたため、メガネをかけた瞬間に現れた孫を完全に「ズノーの幽霊」として認識していた。もし見えていたのなら「まさか孫に化けていたとは」などとなる筈である。
- じーさんとズノーのやり取りを見ているはずの天井院が(まだキャンディーの効果が残っているとはいえ)一切反応しない。
- そして、じーさんが本当の推理に入るまで、名前を呼ぶなど誰も孫についての言及をしていないうえに、誰も孫と顔を合わせていない。
じーさん「オマエ(孫)は最初から、今回のハイキングに参加していない」
じーさんの言う通り、ズノーを除いた一同は(本物の)孫は参加していない事を承知していたため、誰も孫について言及しなかったのだ。そうとも知らずにズノーは(自分が死んでいたことにも気づいてないまま)計画通りに孫に変装してハイキングに紛れこみ、完璧な演技でじーさん達を欺いていたはずが、幽霊であるためにじーさん達は自分の存在に全く気づいてなどなかったのである。
つまり、ズノーはハイキングはおろか、自分の仕組んだ犯人さがしゲームには実際のところ参加などしていなかったのだ。更に言えば、(じーさんがゴーストメガネをかけるまで)物語には一切介入すらしていなかったのである。
- その為、じーさんがゴーストメガネをかけるまでは孫(ズノー)がいなくても物語として成立する。
- 仮にズノーが犯人を当てることが出来たとしても、今の自分は幽霊であるために姿と声は認知できないので、世間どころか計画に巻き込んだじーさん達に自分が天才であることを証明するのは不可能であろう。
ちなみに、本物の孫がいない理由は、酷い下痢でハイキングに行けなかったためであった(イメージ内の本物の孫は、トイレに座った状態で「せっかくの大長編が…」と泣きながら呻いていた)。よって今作は、シリーズ初の孫が(過去作のちゃむらいや校長のように)殆ど登場しなかった大長編とも言える。
- おそらく出発前に孫が欠席する事を予め説明されていた為、誰も孫について言及しなかったのであろう。ハイキングの場所に着いた時点で孫になりすましたズノーがいたが、前述にあるようにこの情報が知らされてないうえに自分が死んでいる事に気づいていなかった為、無意識に計画通りに孫と入れ替わっていると思い込んでいた。
続けてじーさんは
「おそらく一週間前、自分とそっくりな孫を見つけ、孫を利用した犯人さがしゲームを計画した後に、交通事故で亡くなってしまったのじゃろう」
と推理した。
- 気の毒ではあるが、ズノーは自分が死んでいたことや孫がいないことに気づいていなかった詰めの甘さ故に、計画及び作中における彼の行動は(完璧に孫を演じていたにもかかわらず、じーさん達が自分の存在に気づいていなかったことを踏まえると)最初から無駄になってしまっていたとも言える。
しかし、じーさんの推理も、自身の死も、計画の失敗も…そのすべてを認められないズノーは
「私の計画のジャマするヤツは全員コロス」
と怒り狂い、自身の発明品である死人が化け物になって蘇る「化け物エキス」を使って巨大な怪物となってじーさんに襲いかかった__
「フハハハハハハハ、天才のおそろしさをみせてやるぞ。」
「天才科学者ズノー博士は最強ォォォォ!!!
この私をたおせるものなら倒してみろォォォ!!!!」
が、駆けつけたノブちゃんにパンチ1発で倒され、完全に息の根が止まった
じーさん(ノブちゃん強ェーーー!!)
じーさんが唖然してる時にノブちゃんは突然の謝罪をし、「犯人はノブちゃんです」と言ってきた。
彼の話によると、1週間前(日記が途切れた日付)、自分が道を歩いている時にトラックが猛スピードで走ってきて、ズノーはノブちゃんを助ける為に身代わりになって死んでしまったのである(孫=ズノーがノブちゃんを何処かで見た事があると言ったが、見た直後に即死したと思われる為、記憶が飛んでしまったと思われる)。
その後、ノブちゃんは屋敷に行った時に計画が書かれたノートを見つけ、今回の計画を知り、ズノーの計画の為、そして自分を庇ったせいで死なせてしまった罪滅ぼしの為に、じーさん達を屋敷に誘い込んだのである。
- 住所を知っていた事から、それ以前に知り合いだったと思われる。また、バーヤもじーさん達を連れてきた時、ノブちゃんに対して初対面のフリをしていたか、最初に屋敷に来た日に帰る直前に起動したと思われる。
ズノーの死亡した日付の新聞がいつの間にか研究室に置いてあったのはノブちゃんによるものと思われ、考えてみれば死んだ人間が自分が死んだその日の新聞を持って帰れるわけが無かった(そもそも、じーさんがゴーストメガネをかけるまではズノーは何にも触れていないうえに、新聞を見せられるまでは自分が死んでいたことに気づいていなかった)。
孫に変装した姿に戻り、消滅するズノーに泣きながら「この事件の本当の犯人はノブちゃんです。本当に……、本当にごめんなさい…」と謝罪した。
(今回の大長編のタイトルである「犯人はノブちゃんです」はこの事を示していたのである)
かくして、事件は幕を閉じ、キャンディーの効果が切れた天井院は正気に戻り、一同は無事に屋敷から脱出出来たのであった(校長は埋葬されたまま結局最後まで放置されていた)。
余談・考察
- ズノー曰く、世間は自分を認めてくれなかったらしいが、社会に出て予想以上に周りのレベルが高かったのか、自分の発明が否定的だったのかは不明(ただ、じーさんが序盤でズノーの発明品を教えられた時に(後の展開のキーアイテムとはいえ)引いていた)。
- ズノーは孫とどうやって入れ替わろうとしたのかは不明だが、恐らくハイキング中に孫が1人になったところを狙って密かに拉致するか、本人に何らかの理由をつけて追い返すなどして入れ替わるつもりだったと考えられる(前述の通り、その手間は不要になったが)。
- もし事故にあわないでハイキングに紛れこめたとしても、(偶然とはいえ)孫は参加していなかったため、その時点で偽物とばれる可能性もあった。仮にごまかせたとしても、じーさんやゲベといった孫の家族や周囲の人物については(ギャグ漫画故のトンデモキャラ設定とはいえ)全くといっていいほど調べていなかったことをうかがわせる言動をしていたことから、祖父であるじーさんにはすぐ孫が偽物だということに気づいたであろう。どのみち、計画が失敗に終わる可能性は間違いなく高かったとも言える(分かりやすく言うなら、相手が悪すぎた)。
- ズノーは『自分で推理をして犯人を当てた際の映像を世界中に流すことで自分は天才だということを世間に認めさせる』ことを目的としていたことから、屋敷内にカメラを仕掛けていたと考えられる。しかし幽霊である以上、映像に自身の姿が映っているかは怪しい。仮に生きて目的通り犯人を当てることに成功し、映像を流したとしても、彼のしたことは「拉致監禁による自作自演」、(ギャグ漫画のキャラなので次回で生き返るとはいえ)推理を外した校長に対する「殺人」という立派な犯罪であり、映像はむしろ世間から天才と認められるどころか非難される材料となるのは想像するに難くない。
- ズノーは犯人さがしゲームを計画した際に、じーさん達がハイキングに行くことを最初から知っていたような節があった。これについては、ズノーが孫を見つけてから死に至るまでの経緯をじーさんが推理したときの回想で、孫はじーさんは一緒に道を歩いており、二人はハイキングに行くことを話しあっていたと考えられる。おそらくズノーは孫を見つけたときに二人の会話を聞いたことで(偶然と思われるが)ハイキングの行き先が自分の屋敷がある山ということ知り、ゲームを考えついたのだろう(ただしどうやってじーさん達を屋敷に誘導するつもりだったのかは不明で、ゲリラ豪雨が降った時のズノーの反応(演技の可能性もあるが)から豪雨は偶然と思われる)。
しばらくして時が経ち、ズノーの墓の前にじーさんと白衣を着たノブちゃんが墓参りに来て、ズノーの意志を継ぎ、科学者になる夢ができた報告をして今回の大長編は幕を閉じたのであった。
完