ナイドホグル
ないどほぐる
注意:この項目には、ゲーム「フラワーナイトガール」の重大なネタバレが含まれます。
概要
ゲーム「フラワーナイトガール」に登場する超巨大な害虫で、スプリングガーデンを支配する「三大守護神蟲」の一つ。物語開始より1000年以上前に害虫化し、ウィンターローズの「ナイドホグル平原」地下に封印されていたが、遥かな時を経てナイドホグルの力が封印の力に勝り、現代に復活してしまった。
特徴
近江富士を七巻き半したという伝説の大百足に匹敵する巨体を誇る、スプリングガーデンで初めて発見された巨大怪獣。その全長は推定約20キロに及び、頭から曳航肢の先まででウィンターローズ国土を横断できるほど。
体内は溶岩洞のようになっていて、「眷族」と呼ばれる古代害虫クラスのムカデ型害虫が多数生息している。体内は後にクジラ艇が安全に格納、離着陸できるほど広大で、そこから体高50メートル以上、体幅200メートル以上あることが推測できる(封印の際に心臓に楔を打ち込んだことから、クジラ艇の出入口は気門と思われる。少なくともクジラ艇が出入りできるほど気門も巨大である)。
とてつもなく巨大なことを除けば全体的にオオムカデに似ているが、その体表はよく見ると蛇やトカゲの鱗のような構造で体節が覆われ、また左右に一対、眉間に一つ、合計三個の複眼を持つ(ムカデ綱で複眼を持っているのはゲジだけ)、後頭部から後方に二対、外側に一対、計三対の角が生えているなど、現実のムカデと比べると非常に禍々しい姿をしている。さらに、背中に一対以上のデスギドラに似た翼があるが、皮膜が破れているため飛ぶことはできない。
その姿はもはやムカデというよりはドラゴンに近い。
おまけにコブラのような鎌首をもたげるため、数値以上に大きく見える。鎌首の高さは最大で数キロに及ぶ。
体型はオオムカデよりもジムカデ類に似た長細いもので、「千の足のナイドホグル」の異名通りに足の数は500対を超えると思われる。
活動記録
物語開始以前からその存在は知られていたが、長い間伝説に近い存在となっていた。
初登場はメインストーリー1部、長い長い旅の終わり頃に、平原に隣接するフヴァの氷結湖を突き破って復活。
全長数十キロに及ぶ巨体はそこにとぐろを巻くだけでウィンターローズ国土の3割以上を覆い尽くすほど。あまりに巨大な害虫のため、体まるごとではなく、体内にある「核」(おそらく心臓と思われる)を封印して地下に叩き返す作戦に変更。激戦の末、一瞬の隙を突いて特別部隊がナイドホグル体内に突入した。
体内には眷族である体長10~20メートル前後のムカデ型害虫が大量に待ち構えており、今までの昆虫型とは大きく異なる敵に悪戦苦闘。それでもなんとか「核」にたどり着き、シャインクリスタルを打ち込んでソーラードライブを放ち、ようやくナイドホグルは沈黙。全ての核を封印して特別部隊はナイドホグルの体内から脱出し、ナイドホグルは再び平原の地下に封印された。
前代未聞の巨体を誇るナイドホグルは、今までの歩兵戦法では討伐どころか、封印すらやっとという状況だった。この事件をきっかけに、揚陸飛行艇「クジラ艇」の建造が始まることとなる。
再び動きがあったのはミズウォルム殲滅作戦の直前。ロータスレイク湖底から発見された遺跡から、ナイドホグル、ミズウォルム、そして未だ見ぬフラスベルグとおぼしき壁画が発見され、遥か大昔にも目撃されていたことが判明した。
その後も「守護神蟲」という謎のワードを使いミズウォルム殲滅作戦に難色を示す精霊や、ソーラードライブに適応した突然変異のミズウォルム・シロの出現、そしてフラスベルグの復活を経て、コダイバナ攻略・フラスベルグ討伐戦が幕を開ける。
フラスベルグが送り込む眷族「フラス・フェザー」と、フラス・フェザーがフラスベルグの光線を浴びて強化された「天雷の使徒」の大軍に苦戦する連合軍の元に、リリィウッドから、ミズウォルム・シロの解析結果と、ミズウォルム・シロとナイドホグルを使った信じ難い作戦案が飛び込んできたのは、メインストーリー3部の中頃だった。
その作戦とは
1.ミズウォルム・シロを伴い、ナイドホグル平原の地下に封印されているナイドホグルを叩き起こす
↓
2.ナイドホグル体内に入って、ナイドホグルの封印地点に行く
↓
3.ミズウォルム・シロの「浄化能力」を使って、ナイドホグルを「浄化」し、コントロールする
↓
4.ナイドホグルの封印を解除し、コダイバナの最前線まで曳航する
↓
5.部隊はクジラ艇に乗り換え、ナイドホグルを空母代わりにフラスベルグまで接近する
↓
6.ナイドホグルとフラスベルグが戦っている間に最大火力でフラスベルグを叩きのめす
…ご覧の通り、この作戦は極めて危険な賭けである。まずナイドホグルの封印が解除された瞬間から、ナイドホグルは暴れ始める。ウィンターローズ首都への影響がどれほどになるかは未知数である。また、ミズウォルム・シロの「浄化能力」が、浄化なのか洗脳なのか、あるいは別の何かなのか、まだ断定するのは危険な段階である。仮に浄化だとして、本当にあれだけの巨体を誇るナイドホグルを浄化できるのかも不明であり、さらに曳航する過程で、ウィンターローズ、リリィウッド、ベルガモットバレーの国土への影響ははかり知れず、安全に曳航できるのかも不明である。仮にコダイバナに到着しても、突然ナイドホグルが暴れ始める可能性は否定できない。そしてここまで関わっている各部隊は、コダイバナまで生きて合流できるかも不明である。仮にフラスベルグを倒せても、ナイドホグルをどうするのかという問題が残る。
それはまさに、怪獣を使って怪獣と戦うものであり、まともな軍隊ならば、まず絶対に却下されるような案である。
にもかかわらずこの作戦が実行されたのには、いくつか訳がある。
・天雷の使徒は特攻してくる。そしてその一つ一つがあまりにも重く、火力も大きい。
・フラスベルグは、その鱗粉から無数のフラス・フェザーを発生させられる。しかも鱗粉の総数は不明で、再生能力があるかもしれない。
・フラスベルグの本陣のみならず、コダイバナの各地、また隣のベルガモットバレーでもフラス・フェザーの別動隊が確認されている。その推定総数は根源の世界花を蝕んでいた時のミズウォルムのそれに近い。
・フラスベルグはこの攻撃を絶え間なく行って来る。このままではフラスベルグに近づくこともできない。
・そしてフラスベルグ最大の攻撃である、落雷のような光線は射程が非常に長く、コダイバナの端からリリィウッドとの国境近くまでそのままの威力で届く。
・これに加えコダイバナには他の害虫たちも大量に潜んでいる。このままでは消耗が激しくなる一方である。
以上の理由から、戦いが長期化すればするほどフラスベルグに有利になることになる、と判断した連合軍上層部は、団長率いる突入部隊をウィンターローズに派遣、ナイドホグルへと突入した。
ミズウォルム・シロの行動に呼応したのか、ナイドホグル体内では眷族の害虫たちが動き出していた。しかし、封印が効いているからなのか、それともミズウォルム・シロの存在からなのか、その動きは鈍く、数も少ない。
以前より、害虫の中にも能動的に意思疎通が図れる個体がいたり、後述するように人間の言葉を話せる害虫など、もともと益虫だったと思われるものは確認されていたが、「害虫の言葉がわかる」精霊を同行させたことで、ナイドホグルの眷族も意思疎通が可能であることが判明。
以下は、この計画に関し精霊を通じて語られた、ナイドホグルの眷族の言葉である(他に確認する術がないことは注意)。
感謝を。我らが主はこの変容を受け入れようとしている。
時間はまだ必要だが、いずれその時は来るだろう。
ナイドホグルは、青白く脱色され、赤かった目も青くなった。それは、ナイドホグルがこの作戦により、その性質を大きく変化させたことを意味していた。
こうして、荒唐無稽に思われた「千の足の方舟計画」は、しかしこれにより、にわかに現実味を帯びてきた。
やがて再復活したナイドホグルは、アブラナ率いる曳航部隊により、はるばるコダイバナへと曳航された。
コダイバナ際奥、脱色されたナイドホグルはフラスベルグと合間見えた。どうやらもともとナイドホグルとフラスベルグは非常に相性が悪かったらしく、連合軍の予想を大きく上回る勢いでフラスベルグに襲いかかった。
ナイドホグルが作戦に加わった理由、それは憎きフラスベルグをいっしょにぶちのめしてくれる存在が現れたからだった(1000年前に何があったかは不明だが、少なくともナイドホグルは、自分はフラスベルグのせいで洗脳されたと考えている可能性が高い)。
ナイドホグルは空は飛べないものの、長大な鎌首でフラスベルグに対抗。その隙にクジラ艇がナイドホグルから離陸し、フラスベルグを攻撃。
ついにフラスベルグの翼が全てもぎ取られ、フラスベルグが墜落。確実にとどめを刺すべく、ナイドホグルが襲いかかる。
諸悪の根源
果たして、これを予想できた者がいただろうか。突然、かつてスプリングガーデンに攻め行った「死と破壊の王」アグレッサの怨念が目覚めた。それは三大守護神蟲が出揃う、まさにその時を狙っていたのである。
三大守護神蟲を取り込み、アグレッサが復活しようとする。
復活の寸前、闇の中へと突入した部隊があった。いまここに、最後の戦いが幕を開ける。
最後の戦いの中、ついにアグレッサは消し飛ばされ、三大守護神蟲は闇から弾き飛ばされた。力尽きたナイドホグルは、再びウィンターローズの地下に放り出され、今度こそ永久の眠りにつくこととなった。
こうして、三大守護神蟲との、長い長い戦いが終わった。
…はず、だった。
ナイドホグル怪人態?
注意:この先、フラワーナイトガールの根本的なネタバレが含まれている可能性があります。
古代花騎士が復活し、世界花が姿を現した。そしていよいよ、連合軍はスプリングガーデンの外界、アグレッサが来た滅びの世界への出撃を決意する。
しかしそのためには、スプリングガーデンと外界を行き来する手段を確立しなければならない。
ブロスの記憶を頼りに、偵察部隊はスプリングガーデンと外界を隔てる異空間「外園」の偵察に乗り出す。
ブロスによれば、外園は「不毛な土地が延々と続く沈黙の世界」。特に脅威となる存在はいないはずであり、連合軍の基地を設営することなど、容易いかと思われた。
しかし、いざ外園に踏みいれば、そこは古代害虫の巣窟であり、到底安全な場所ではなかった。
そして古代害虫の大軍と戦うスイカズラたちの前に、突然3人の害虫使いが現れる。
一人は、巨大なサソリを操る者。花騎士を花の悪魔と呼び、激しい憎悪と敵意に燃えている。
もう一人は、黄金のコガネムシを使役する者。彼女はサソリ使いの妹ながら、花騎士を見ても「敵だと思えない」と断言。姉と道を違えることとなる。
そして最後の一人。巨大なムカデ型害虫を使役する者。ムカデの鎧を身に纏い、巨大なムカデ型害虫を使役する様は、数多の害虫の中でも、ひときわ異様な存在だった。
迷い混んだ虫使いの姉妹を虐殺せんとするそれに、スイカズラが殴りかかる。…が、全く効き目がない。むしろスイカズラを「思ったよりも大したことがない」とのたまい、さらに「花騎士は手加減する」というルールすら決めていたことが判明。
そして、決定的な出来事が起こる。
スイカズラを弾き飛ばし、偵察部隊にとどめを刺そうとしたそれの前に、突然ブロスが飛び出す。
「ナーちゃん、ストーップ!!!」
この一瞬で、謎のムカデ型害虫使い=ナイドホグルという、恐ろしい説が浮上した。
守護神蟲
精霊の話や、ロータスレイクの遺跡から発見された壁画を基に考えると、守護神蟲とはそもそも、読んで字のごとくスプリングガーデンを守護する者なのだといい、「益虫に戻った」はずのナイドホグルも、根源の世界花の命でスプリングガーデンを守護する存在に戻ったはずである。
そしてそれは、世界花の言うことを聞く存在に戻ったはずということでもある。
…その言い伝えが本当ならば。
「…はじめまして。そして、さようなら。」
ブロスを世界花だと認識した害虫使い(以降『「ナーちゃん」(仮称)』と呼称)は、即刻ブロスに襲いかかった。
何者をも外園を通さぬことを己が役目だと自負する「ナーちゃん」(仮称)は、世界花の嘆願すらも聞かず、超巨大なムカデの下半身のような鞭を振り回し、外園を破壊し始めた。
もはや危険と覚悟したブロスは、偵察部隊を全員クジラ艇に避難させ、そのまま緊急離陸、最後の力を振り絞り、「奇跡」「幸運」「瞬間移動」を一斉に発動。
偵察部隊はクジラ艇含め欠員なく一命を取り留めたものの、これ以降スプリングガーデン各地でナイドホグルの眷族のようなムカデ型害虫が猛威を奮い始めた。
ケペラはこの事件でリリィウッドの山奥に弾き飛ばされ、花騎士を憎んでいたシルキトは行方不明となった。
これ以降、あの存在=「ナーちゃん」(仮称)の正体と、守護神蟲の本当の目的、そしてどうすれば外園を突破できるのか、劇中、リアル問わず猛烈な議論が巻き起こることとなる。
2023年6月現在までに判明している情報を整理すると、概ね次のようになる。
1.「ナーちゃん」(仮称)の正体
この事件以降、ナイドホグルの眷族らしきムカデ型害虫が暴れ始めたことや、ブロスに続きマロニエが「炎熱と宵闇の化身、千の足のナイドホグル」、シギラリアがこの存在を「守護神蟲サマ」と呼称したこと、そしてウィンターローズにて、ムカデ型害虫の主と旧知だという新たな世界花ウィンが暗躍を開始したことなどから、現在「ナーちゃん」(仮称)の正体はナイドホグルであろうことがほぼ確実視されている。
しかし、この説には大きな疑問が残る。それは何よりもウィンターローズ地下に眠るナイドホグルとの関係である。
ナイドホグルは凄まじい数の眷族を従えている。そして本体も極めて巨大である。この上、人型になれる、あるいは世界花のような「分身」を産み出せるとでも言うのだろうか?仮にそれが可能なのだとして、ではなぜ1度目の復活の時も、「千の足の方舟計画」での再復活の時も、この能力を使わなかったのだろうか?
あるいは、実はナイドホグルには、見た目が大幅に異なる複数個体がいるのだろうか?
2.守護神蟲の本当の目的
リリィウッド奥地で、外園に向かおうとするミズウォルム・シロが目撃された。このミズウォルム・シロが精霊の問いかけに答え、その際気になる発言を残している。
その内容を要約すると
「守護神蟲の本来の目的は、スプリングガーデンの外園にて、侵入者を殲滅すること」
…「侵入者」というのは、スプリングガーデンの外から来た存在である。外から来た存在がどんな存在であれ、無差別に殺戮すること。それがミズウォルム曰く「守護神蟲の役目」なのだと言う。
「脱走者はスプリングガーデンに連れ戻す」
…ミズウォルム・シロは暴力的ではなかったものの、これが守護神蟲の「もう一つの役目」なのだと思われる。ここで言う「脱走者」とはつまり、スプリングガーデンの外に行こうとする存在である。
これに基づいて改めて考えると、守護神蟲たちがしていることは、まるで縄張りを攻撃的に守ろうとするグンタイアリのようである。
そして、世界花にすら敵意を顕にした「ナーちゃん」(仮称)が守ろうとしているものは「スプリングガーデンという空間」すなわち縄張りであり、その中に存在するものに関しては、出ようとするものに対して容赦なく襲いかかり、命を奪ってでもスプリングガーデン内に監禁する。
3.どうすれば外園を突破し、外界に行けるのか?
「守護神蟲も花騎士も「アルカの願い」によって産み出されたので、どちらの言い分が正しいのかはわからない」
これは、前述のミズウォルム・シロの発言である。この「アルカ」が根源の世界花(皮肉にもそれは以前ミズウォルム自身が蝕んでいた存在)と同一の存在なのかは不明である。しかし、ミズウォルム・シロはまだ交渉の余地があることが匂わされている。
問題は「ナーちゃん」(仮称)である。もし本当にこれがナイドホグルと同一の存在なのだとすれば、ナイドホグルは害虫かどうかに関わらず、人類と絶対に敵対する存在であるということになる。
世界花にすら敵意剥き出し、浄化してなお害虫となんら変わらないように見えるその危険性。劇中でもマロニエは「あいつとの交渉の余地があるとは思えない」と断言している。
一方、ここで諦めきれないのが世界花のブロス。「ナーちゃん」(仮称)が本当にナイドホグルだった場合、なぜ人間に似た姿になったのかについて「ナーちゃんも本当はみんなと仲良くしたいだけ。でもあの時は自分の使命に必死だったから…」と、最大限の擁護に回っている。
また、ウェルウィッチアも「交渉の余地がなかったらわざわざ人間そっくりにはなって来ないはず」とマロニエに反論している(「まあ、難しいだろうけどね」とも言っているが)。
ケペラの証言から、花騎士を「花の悪魔」と呼び、カレンサスの民に花騎士への憎悪を植え付けて唆す何者かの存在が示唆されている。この存在はかつてのアグレッサ同様害虫化の毒呪を振り撒き、スプリングガーデンの外界を破壊した存在であろうことは容易に推測できる。ということは、おそらくアグレッサの仲間と思われる諸悪の根源は、まだ外界で生きていることになる。
そもそも、スプリングガーデンと外園が創られたのは、滅び行く外界から生命を守るシェルターの役割だったものと思われる。シェルターである以上、いつまでもその中に籠っている訳にはいかない。実際これまで何度も、スプリングガーデンは「箱庭」とか「方舟」とか形容されてきた。
「ナーちゃん」(仮称)が過保護なのか、それとも本当に監禁目的なのかは定かではないが、このままいつまでも籠っていては、問題は永遠に進展しない。
全てを解決するためには、カレンサスを唆した、外界の黒幕を葬り去らなければならない。そいつを探すためには必ず外界に出る必要があり、外界に出るためには必ず外園を通過しなければならない。
結局、この「ナーちゃん」(仮称)とは必ずまた外園で鉢合わせする。もし本当にナイドホグル=「ナーちゃん」(仮称)なのであれば、そしてスイカズラをして「勝算ゼロ」と言わしめた、それですら手加減していたとなれば、我々はいまだに、ナイドホグルの真の本気を、ただの一度も見たことがないということになる。
「ナーちゃん」(仮称)はミズウォルム・シロとは違い、世界花にすら楯突く程の攻撃性があり、仮にブロスの言う通りだったとしても、交渉に応じるとは考えられない。唯一可能性があるとすれば、もはや軍事力で叩き伏せるしかない。だが、スイカズラが「今の部隊では勝ち目なし」(そこには世界花たるブロスをはじめ、歴戦の戦士たちが集っているにもかかわらず!)と断言した以上、少なくともスイカズラを大幅に凌駕する、それこそ最強クラスの花騎士を、スプリングガーデン中から大集合させて、一斉に襲いかかるしかない。相手は人間に近い大きさの上覚醒竜センティとは違って空を飛んでいないため、全員で同時に殴りかかることはさすがに無理であろう。よって、数だけでなく、個人レベルでも相当な強さの花騎士を揃える必要がある。
検証:誰なら「ナーちゃん」(仮称)を倒せるのか?
「ナーちゃん」(仮称)を撃破し、無理やりにでも交渉の場に引きずり込むためには、相当な戦闘能力を誇る花騎士が複数必要になる。ここでは、筆者が考える「ナーちゃん」(仮称)を倒し得る能力を誇る花騎士の有力候補を紹介する。それと同時に、各々の懸念点も紹介する。
能力:極めて高い攻撃力。その強さは「古代花騎士最強」とも。暴走を抑え込むためにブロッサムヒルの全ての花騎士が緊急出動した程。
懸念点:極めて体が弱く、多臓器不全を患っている。世界花の加護だけで延命しているような状態である。次に戦場に出てきたら、今度こそ死んでしまう可能性が高い。仮に外園を突破できても、世界花の加護がブロスしかない外界で彼女が生きられるかも怪しい。
能力:極めて高い代謝能力と魔力変換能力で、コルベット以上の戦闘能力を得られる。一度暴走した際に、スプリングガーデン中の花騎士を出動させても抑えられるかどうか不明とまで言われた、現在最強の花騎士の一人。
懸念点:代謝能力と魔力変換能力の持続性のなさ。一度全力を解放すると、再び満腹になるまで食べなければならない。外園までの継続的な補給が課題になる。
能力:生ける伝説「氷雪の悪魔」とも称され、格闘能力において彼女の右に出る者はいない。強力な魔力による身体強化も併用し、圧倒的な攻撃力を有する。ゲーム性でもリアルぶっ壊れ。またカトレアの魔力が暴走していた時でも魔力酔いしないほど魔力が強い。現在最強の花騎士の一人。
懸念点:遠距離攻撃を得意としていないため、確実に攻撃を当てるためには至近距離まで近づく必要がある。そこまでのサポートをどうするかが問題。
能力:「世界に愛された花騎士」の異名を持つ、ひとよんで「氷雪の魔女」。短時間ならブリザードを消し飛ばす程の遠距離広範囲魔力攻撃を得意とし、暴走中のスイカズラとも互角以上に渡り合った。現在最強の花騎士の一人。
懸念点:漏出した魔力による周囲の魔力酔い、及びそれに由来する近距離援護の難しさ。魔力の制御がまだ不完全なため、同じく魔力の強い花騎士による援護が必要。ただし年々制御術が向上しており、初期には小説でリュウゼツランがカトレアに密着されて急性の魔力酔いを起こしていたが、2022年末にはイオノプシジウムやアングレカムなど通りがかりの花騎士が長時間同じテーブルを囲んでいても魔力酔いしないほどには漏出が抑えられている。そのためこの弱点は、近い将来ほぼ無視できるものになると思われる。
能力:「千年前のイレギュラー」とも称される太古の女王。液体と夢を自在に操る能力は、攻撃にも撹乱にも使える。高い攻撃力に加え、搦め手も併用可能な強力な汎用性がある。
懸念点:もし「ナーちゃん」(仮称)がナイドホグルならば、彼女が眠らされた事件のことを知っている可能性が高い。アグレッサの最後にして最大の攻撃が使用された事件のため、ナイドホグルがネムノキを忌み嫌っている可能性がある。
能力:「遠見の魔法鏡」の使い手。和解した今なら、ナイドホグルの遠距離偵察も可能と思われる。またシュウメイギクは中距離の広範囲魔力攻撃が、タケは超遠距離狙撃が得意なので、こちらの先手攻撃のきっかけになれる。
懸念点:タケに憑依している亡霊鎧武者の暴走の可能性。またタケ自身が極端に強い訳ではないこと、シュウメイギクは立場上あまり遠出はできないことから、最序盤のみの出番となる可能性がある。まさかカラクリ無限城を外園に持っていくわけにもいかないだろう。
能力:高い攻撃力と、驚異的な再生能力。タンク兼ヒーラーとして構えつつ、自分を含む味方を一斉に回復させながらの継続的な高火力攻撃が可能。また人心掌握術にも長け、これを利用した精神攻撃も可能。ゲーム性としてもデンドロビウム以来のリアルぶっ壊れとも言われており、コルベットが下手に出られない今、事実上の「古代花騎士最強」として、現在最強の花騎士の一人となっている。
懸念点:彼女は以前、ナイドホグルが毛嫌いしているフラスベルグを信仰していた。このため真っ先に狙われる可能性がある。ヘイト管理が最大の課題。
能力:世界花。数々の人智を超えた能力を有し、その戦闘能力は青天井。
懸念点:ブロスは「ナーちゃん」(仮称)との戦いには乗り気ではない。また「ナーちゃん」(仮称)はブロスにも楯突き、殲滅しようとしてきた。ブロスが本気で戦えるかどうかが要となる。
…以上に加え、ヒャクニチソウやガンライコウなどの整備のプロ、ワレモコウやリアトリスなどの高い分析力を有する参謀、アカシア隊やオレンジ隊などの輸送に長けた強力な補給部隊、その他諸々の全てが揃って、初めて外園攻略、及び「ナーちゃん」(仮称)討伐が成し得ると思われる。
クジラ艇は現在5機。今後はクジラ艇も攻撃対象になる可能性が高いため、さらに移動手段を増やす必要性があることなどを考えると、相当な準備が必要になる。
果たして、本当に「ナーちゃん」(仮称)はナイドホグルなのだろうか?そして、新たな世界花ウィンの狙いは何なのだろうか?そして、花騎士とナイドホグルは、これからどのような関係になるのだろうか?
派生種
以前から、「ナイドホグル団長」なるオオムカデ型のキャラが、エイプリルフール企画などに登場していた。
ナイドホグル団長は体長約3メートル、オオムカデとナイドホグルの合の子のような見た目で、三つ目、頭に鉢巻を巻いている(前述の三上山の大百足伝説でも、藤原秀郷は鉢巻をして戦ったという言い伝えがある)。現時点では「害虫」の括りだが特に有害な何かがある訳ではない。性格は気の良い関西弁のおっさん。
ナイドホグル団長とナイドホグル、および「ナーちゃん」(仮称)との関係は不明である。全くの別人かもしれないし、ナイドホグル団長もナイドホグル本人かもしれないが、「ナーちゃん」(仮称)とは考え方も性格も根本的に異なるため、少なくとも「ナーちゃん」(仮称)とは全くの別人と考えてよいだろう。
運命の分かれ道
以降、フラワーナイトガールの根本的なネタバレが含まれます
「ナーちゃん」(仮称)すなわちナイドホグル怪人態…改め、外園騎士ナイドホグル。その正体はナイドホグルの分身であり、その能力は、アルカ(≒根源の世界花?)より与えられたものだった。
ついにナイドホグル本人であると明言されたのである。
ウィンがナイドホグルの眷属と会っていたのは、迷い込んだケペラをナイドホグルの追撃から守るため。そしてそれは、来たるナイドホグルとの戦い、そして外界への遠征に向けた準備期間の確保でもあった。
迎えた決戦の日。世界花二柱を中心に組まれ、ケペラと全ての花騎士を総動員した「スプリングガーデン軍」は、外園にてナイドホグルと四度対峙した。
全ては、諸悪の根源を滅ぼすために。そのためには、外界にある「カレンサス」への道を拓かなければならない。そしてそのためには、外園のナイドホグルを倒さなければならない。
さすがに世界花二柱が相手では分が悪いと思ったナイドホグルだが、その地位は大精霊より上、世界花と同じ「神」に相当するものと判明する。害虫の主は、世界花に匹敵する「神」だったのである。
世界花を前にして、かつて自らを再封印した花騎士たちの実力を忘れるわけもなかったナイドホグルだが、それでも外界を目指す花騎士たちを力づくで止めようと、大量の眷属をかき集め決戦に望む。
こうして、春庭の未来をかけた決戦の火蓋が切られた。
長い長い戦いの末、連合軍は眷属の大軍を打ち破ると、山頂に待ち構えるナイドホグルと対峙した。ナイドホグルは怪人態と害虫態を使い分けて波状攻撃による連合軍を押し返す。山は抉れ、大勢の花騎士が弾き飛ばされ、なおもぶつかり合う。
命と春庭の未来を賭けた死闘が続く。古代害虫級の怪物たちとの連戦で疲弊する花騎士相手に、ついに真の本気を現したナイドホグルの力は、圧倒的だった。世界花曰くもう害虫ではないらしいのだが、姿は害虫のときのまま、その力は、フラスベルグ戦の時のそれを大きく上回っている。
しかし、全花騎士と二柱の世界花の最後の力を集めた、団長渾身のソーラードライブにより、ついにナイドホグルが倒れる。
走馬灯、明かされる、ナイドホグルとスプリングガーデンの起源。何万年も生き続けたナイドホグルとの果てしない戦いに、ようやく本当の終わりが近づく。
結果は、相討ちだった。世界花以外の全ての花騎士が力尽きる。ナイドホグルもまた、一度は葬られたかに思われた。
先に目を覚ましたのは、ナイドホグルだった。それは、世界花の「赦し」。ナイドホグルは、ついに折れた。
ナイドホグルは、花騎士の外界への道を認めた。そして、静かに外園から去っていった。
新たな火種
こうして、連合軍は、ついにナイドホグルに完全勝利を納めた。しかし、あまりにも消耗が激しく、スプリングガーデンに帰投して数日経っても、なおアブラナ、ギンラン、セントポーリア、ワレモコウ、ポトス、シギラリアしかまともに動けない状態だった。
スプリングガーデンが動かせる唯一の戦力を使った巡回の中、ブロッサムヒル郊外の丘陵地帯で、すっかりやつれたナイドホグルが発見された。
その姿は、あのナイドホグルと別人かと見紛うほどやつれ、言動も自責の念に押し潰されたかのように覇気がない。
そんなナイドホグルを、二柱の世界花が受け入れようとする。世界花の推薦、ナズナの同意、そしてアブラナ以外の5人の花騎士たちの賛成の下、ついに団長がナイドホグルを歓迎した。
データ
名 | ナイドホグル |
---|---|
図鑑ナンバー | 997 |
属性 | 斬 |
所属 | ウィンターローズ |
史上初の害虫由来のプレイアブルキャラクターである。害虫関連する花騎士側のキャラクターとしてはマイドアリもいるが、マイドアリはあくまでもオンシジュームのお供としての立ち位置であり、一度でも害虫化した存在のプレイアブルキャラクターとしての実装はこれが初となる。
最大の特徴は、味方が合計10回攻撃されると、怪獣形態になること。口から隕石のような火球を吐き出し、本体と何ら遜色ないあの超巨体でフィールドを蹂躙する。
害虫だった頃の姿のままなのは、フラスベルグと被りたくないからとのことであり、明らかにまだ何か根に持っているようである。
そしてこの発言は、いずれフラスベルグも化身を作って現れる可能性があることを暗示しているのだが…。