概要
ラテン語で「夢、夢想」の意。人類の有史以前の古い記録からも度々その存在が確認されている、人類を超えた霊長類と認知されている亜人種。人類からは「ベターマン」と呼ばれ、自身らは「夢人」と称する。
ヒトの白目にあたる部分(眼球結膜)が赤く、眉は緑色。「ペクトフォレース」と呼ばれるL型アミノ酸発生器官が胸部にあるのが特徴。並外れた長寿・高い身体能力・「リミピッドチャンネル」と呼ばれる三番目の会話方法・「変身態」と呼ばれる形態への変化能力など、様々な特殊能力を有する。ヒトが認識出来ない場所「セプルクルム」に単独で暮らす場合が多い。ヒトに酷似した外観であるため「霊長類の一種」と扱われているものの、その力や肉体の性質は一般的な生物の枠を超越しているとされる。
ソムニウムは生命維持のためにD型アミノ酸を利用している。それらは「アルジャーノン」と呼ばれる奇病に侵され閉鎖空間で死亡したヒトの遺体から発生する「アニムスの花」がつける果実からしか得られない。すなわち、ソムニウムは人類との共生が必要である、という事になる。アジャンター石窟にアニムスの花が咲き乱れる光景は、彼らの生命維持のためアルジャーノン感染者のヒトを埋葬した(いわば神聖なる儀式の)結果に過ぎない。
地球にとっての免疫機能のような役割を果たしており、地球生命の存続に関わる重大な出来事が起こった際に出現する。脅威の直接排除、または関係する人物へ事実を端的に述べる形での警告を行う。この際に用いられる会話方法「リミピッドチャンネル」では、シカト・嘘偽りは一切通用しない。彼らの活動期間中、ヒトが奇妙な殺戮を繰り返し落命する現象「アルジャーノン」が頻発する。
劇中、4人のソムニウムが地球の全生命を滅ぼすことを最大目的とする「カンケル」の出現に呼応するように姿を現したものの、ラミアを除き滅された。
生命として完成されている為か繁殖力は低く、総数は1000人前後。ラミアによると自身の回復のために希少なウィウェレの実を消費してしまった為にソムニウムという種族としては既に未来は潰えておりいずれ滅ぶ運命らしい。
続編ではラミアがGGGの前に現れ、上記の事実を認識・把握されることになった。ソムニウムは来るべき決戦に備え、横浜中華街に拠点を置き、新たな同士を集結させていた。
メンバー
CV:子安武人
『ベターマン』のもう一人の主人公。外見は二十代だが実年齢は百歳を越える。彩火乃紀を影から見守り、その危機を度々救う。一族の中でも特に優れた力を有しており、他の面々からは次代の長として一目置かれている。
『勇者王ガオガイガーFINALGGG』ではリミピッドチャンネルを介した念と地球の人々の祈りをパピヨンに送った。
また、『覇界王』では海中に没する覚醒人凱号の外で浄解モードの護と邂逅、近いうちに危機的状況が訪れると警告すると共に、彼を「光を持つ者」、戎道を「影なる者」、キングジェイダーを「炎の猛禽」と呼んだ。
CV:川上とも子
本来は若い女性の姿(ソール11遊星主のピサ・ソールに酷似している)であるが、本編開始前に「欲の袋」の影響で力を失っており、小動物のような姿になっている。ラミアとは強い信頼関係にあるらしく、行動を共にしている。
CV:矢尾一樹
修行僧の姿をしている。一族の戦士であり、パキラ老の護衛も務める。「カンケルへの直接的な対処」を最優先事項と判断しており、「彩火乃紀を守る」ことに拘るラミアを嫌っている。
- パキラ
CV:中田和宏
ソムニウム一族を率いる長老。老人の姿をしている。予知能力を有しており、カンケルの出現を予期、ラミア達にその対処を命ずる。
この他にガオガイガーDVDBOX購入者特典であるZdiskで新たに数名確認され、『覇界王』13話で容姿と名称が判明した。
- ライ
吟遊詩人風の男。オービットベースに侵入し、アルジャーノン感染者を拉致した。
リミピッドチャンネルに合わせて流暢に喋る真似を得意とする。
- ガジュマル
褐色肌の少年。ボダイジュに似た雰囲気を持つ。
短絡的なのか、無数のアニムスの実を苗床のヒト無しに採取し、ラミアに届けている。
一方でシャーラには優しい。
- シャーラ
赤ずきんを纏った女子高生のような見た目の少女。腹部にペクトフォレースがあり、手には長剣を持っている。
ソウキスの実の力でESウィンドウとよく似た「ソウキスの路」を開くことが出来るが、その往来は彼女の体に相当のダメージをもたらす。この能力から一族の命運を握っている鍵とも言える。
- ヒイラギ
動物の毛皮を纏った大男。
リミピッドチャンネルから発する口調は優しい。
- ユーヤ
CV:桑島法子(ベターマンBlu-rayBOX特典覇界王ドラマCDより)
光を全身に纏った女性型ソムニウム。女王のような服装に見える。
2010年にベターマン・ルーメの姿(セーメの時とは違い、クラゲ型の異形態)でラミアと共に護の前に現れた。エピローグで別世界へ旅立つ際、セーメを「姉さん」と呼んだ様子から、ヒトで言う姉妹に相当する存在と考えられる。コミック版の3巻でもこの件に言及されている。
- 羅漢
モンゴルの民族衣装風の姿、槍状の武器を持った孤高のソムニウム。性格はまさにマッドサイエンティスト。
ボリビア中央西部にあるセプルクルムでアニムスの花や地球の絶滅動物を研究し、アルジャーノン発症者の脳内インパルスを利用して「フォルテの実(ラミア曰く「偽りのフォルテ」)」や通常では発生しえない新種「オウグの実」をつくりだした。
ペクトフォレース・サンクトゥス(中巻ではサンクトゥム表記)の力を使い 他者の細胞を無理矢理結合させることで動物達と「合体」して巨人になることが出来る。発想としては勇者シリーズを含むロボットアニメで様々なメカが合体することでパワーアップすることに近いが、強制的に組み替えられた変化であり、生物から嫌がられている。
ラミアと同等のアニムスの実への耐性を持つようだ。
- デウス
「伝説のソムニウム」と呼ばれる存在。涼やかな少年の姿をしている。
人を遥かに超える長さを生きるソムニウムの中で、なお伝説となるほど姿を変えず長く生き続ける、とされている。
ラミア達とは別行動をとっており、覇界王が絡む事象に介入するため、当初はチャンディ・ケイ・牛山三男と共に行動していた。
他のソムニウムとは異なり、自身がアニムスの花「テンプス」の宿主となっている。テンプスの実は時空間移動能力を持っており、その力で幾度も歴史と種の存亡に関わる事態に干渉している。しかしデウス本人は「視る者」でしかなく、その内容を伝えるだけである。
先述の「ソムニウムとしても長く生きている」とされているのは、実際に規格外に長い寿命を持っているが故ではなく、「時間を渡った先々での目撃談が結び付けられた」ためのものである。
そのような事情もあってか、ソムニウムにとって大事な物であるはずのアニムスの花畑を平気で踏み荒らすなど、価値観もかけ離れている。
南極のセプルクルムを拠点に大なり小なり人類の歴史に介入し、絶滅という危機の回避を行っているが、いつしか「歴史介入で起こる歴史の分岐を観察すること」に楽しみを見出し、自分の思い通りのシナリオにならないと癇癪を起こすようになった。GGGの最終作戦が己の思惑と違った内容だったことから、覇界王ジェネシックのストレイトガオー内部に紗孔羅を残した。その行為と、「自身は時間の流れに留まる者」と他者を見下す態度が祟り、ラミアから「度しがたい奴」と侮蔑された挙げ句に粛清される。
ソムニウム変身態
アニムスの花から発生する「実」を摂取する事で変身する、異形の姿。ソムニウムは通常の状態でも特殊能力を有するが、この形態になることによって、より優れた身体能力と戦闘に適した固有能力を手に入れる。いわば外敵を排除する戦闘用形態である。
これは「ソムニウムの肉体そのものが変異する」単純な変身とというよりは、「変異した外殻に乗り込み操縦している」と表現した方が正しい。紗孔羅曰く「生きているようで生きていない」。組織構造は肝硬変に近い。細胞核もふたつあり、分裂回数も倍。D型アミノ酸で構成されている関係上、L型アミノ酸の毒性攻撃は無効。
役目を終えた後は本体が変身態から脱出、空となった変身態は繊維化し、抜け殻となり放棄される(仮に本体が攻撃で死亡した場合も同様となる)。変身により体力を大きく消耗するので、元の姿に戻った後はしばらく休眠状態となる。この間は無防備であるのがソムニウムの弱点といえるだろう。
複数種の「アニムスの実」への耐性があれば、違う実を追加で喰うことで「重ね掛け」する事も可能だが、重ねた分だけ負担は大きくなり、最悪命に関わる事態にもなる。
「ネブラの実」を食したラミアの変身態。飛翔が可能。
サイコヴォイス
物質の固有振動数に対応した周波数の超音波を放つことで、特定の物質のみを破壊する必殺技。頭部のクラッシュウィッパーで相手を叩くことで、その固有振動数を調べる。マイク・サウンダース13世を含むマイクシリーズの「ソリタリーウェーブ」はこれを参考に開発されている。
「アクアの実」を摂取したラミアの変身態。水中戦に特化しており、ネブラが空を飛ぶよりも速く泳ぐ(500ノット)。水を操る能力を有しており、水の無い場所でもある程度戦える。
サイコフルード
相手の遺伝情報を解析し、それを基に細胞に自滅命令を送ることで死滅させる必殺技。遺伝情報は相手の体液を鰓から取り込むことで解析する。カンケルも似た効果を持つ能力で生物を殺害するが、あちらは発動に制約が無い(即座に発動する)。
「フォルテの実」を摂取したラミアの変身態。シンプル・イズ・ザ・ベストを地で行く純粋な強さを持ち、固有能力も相俟ってソムニウム変身態としては最強の戦闘力を有する。当初は「禁忌を犯した人間」が発生条件であると思われていたが、少々事情が異なっていたようである。
『覇界王』では羅漢もフォルテの実を所持し、羅漢自身もフォルテに変身したが、こちらは無数のアルジャーノン感染者を材料に人工的に構築した試作品で、変身後の体色も異なる。覇界王との直接対決に於いて、もうひとつ生成され、こちらはラミアが使用した。
サイコグローリー
相手の物質崩壊点を頭部のスライディングサーベルで突き、そのまま粉砕する必殺技。シンプルであるが故に他形態に比べて発動の制約が緩く、非常に強力。
フォルテの上位種である「オルトスの実」を摂取した変身態。フォルテの上位互換である関係上「フォルテの耐性を持つ=オルトスの耐性を持つ」という事になる。カンケルを倒せる唯一の形態とされており、ソムニウムの中でも限られた者にしかその変身に耐えることはできない。寿命がなく永久に分裂し続ける生殖細胞によって構成されており、即死必須のカンケルの攻撃に文字通り「耐える」ことが可能。
但し、生成条件が「フォルテの実を3つ揃える」と厳しく、非常に希少価値が高い。その上、目覚める保証も無い数百年の休眠が必要なリスクを伴う。
サイコバース
頭部のファイアリングサーベルを相手に刺し、その遺伝情報の全てを一気に引き出し、暴走させる必殺技。これを受けた相手は生命体としての構造を根本から破壊され、無に還元されるという恐るべき末路を辿る。その結果、カンケルさえも一瞬にして滅ぼされてしまった。
「ルーメの実」を摂取した変身態。ひとつの実が複数の房に分かれているのが特徴。力を失ったことで本来の姿になれなくなったセーメは、この実によって一時的に本来の姿に戻れる。光熱・電磁波を操る能力を有するが、他の変身態に比べると戦闘能力は低い。また、変身出来る回数に限りがあり、他にも何らかの制約がある。
『覇界王』に登場した海月も(ユーヤが変化した)ルーメである。個体ごとに変身態の形状が異なる。
- トゥルバ
「トゥルバの実」を食したボダイジュの変身態。空気・気圧を自在に操る能力を持つ。戦士であるボダイジュらしい、より戦闘に適した形態。
『覇界王』ではガジュマルもトゥルバに変身できる。
サイコカーム
対象物に真空波と圧縮酸素弾を交互に間断なくぶつけることで、圧力効果によって破壊する必殺技。特定範囲をピンポイントで攻撃可能な高い精度を誇り、純粋な破壊力も最強クラス。
- ポンドゥス
「ポンドゥスの実」を食したパキラの変身態。引力を操る能力を持つが、カンケルによって瞬殺されたため詳しい能力や必殺技などは不明だった。のちにヒイラギも耐性を持っている事が明らかになり、メビウスの輪に似たオブジェ状の姿のベターマン・ポンドゥスに変身した。
- アーリマン
ライが「アーリマンの実」で変身した、蛇型の木造建築のような姿。その頭部は飾りに過ぎず、ペクトフォレースは額内部から現れる。
- オウグ
羅漢が自ら作り出した「オウグの実」を食し変身した、青鬼の如き姿。三日月状の尾は分離可能。
ソムニウム達が覇界王との闘いの際に羅漢の「ペクトフォレース・サンクトゥス」の力を使い”ファイナルフュージョン”した形態。実の力というよりソムニウム側の進化により誕生した形態。
人類からは「ベターメン」と呼称されるが、この名はGGGの阿嘉松滋長官が「ベターマン」の複数形から命名したものである。
通常はフォルテをベースに合体するが、オルトスをベースにした上位形態や、シャーラが下記のソキウステラに変化した「カタフラクトテラ」という形態も存在する。
- ソキウステラ
シャーラが「ソキウステラの実」で変身した姿。
形態を変えず身体にゲートを開けるソキウスと違い、まず薄紅色の巨大な花の蕾様の形態に変化する。中には、亜空間に繋がる巨大なSTバイパスの入口が広がっている。
範囲はあまり広くないが、絶大な吸引力を持ち、グラビティショックウェーブすら吸い込み無効化する。
カタフラクトの右腕にソキウスハンドとして合体、あらゆる物を亜空間へ放逐する凶悪な攻撃能力を付与する。
関連項目
経験値泥棒:ソムニウムは経験値泥棒の到達点とも言える
機密情報
彼らは数千年前に次元を超えて来訪した一族であり、脆弱な地球人類を影から擁護していたに過ぎなかった。『覇界王』にて数名が再び歴史の表舞台に立ったものの、アルジャーノンの発生件数が比較的少なかったのは「人類が勇気を持って困難に立ち向かったから」だと言う。この出来事からソムニウムは「人類は自立した」と判断、終焉を超えた誓いとGストーンを媒介として凱の体内から抽出された「パトリアの実」を用いて、遥か彼方の別世界へと(一部を除き)旅立つ事となった。シャーラは「左右が入れ替わるほどの世界」と告げていることから、あるいは今回開かれた扉は「ソムニウムが人類の力を借りずに生きていける場所」なのかもしれない。
サヨヲナラ…ユメノカケラ…