概要
『仮面ライダーギーツ』の世界にて行われる“デザイアグランプリ”(以下、DGPと略)を主催・観戦している存在の総称にして正体。劇中ではDGP運営の主要メンバーやサポーター、オーディエンスなどがこれにあたる。
現代からどのくらい先の未来からやってきた存在なのかは不明だが現代世界を滅ぼす事に躊躇の無い人物が少なからずおり、過去干渉によるタイムパラドックスも気にしていないように見える(詳しくは後述)。
DGPで用いられるデザイアドライバーなどの各種装備や転送技術、更にはジャマトのような生命体を生み出せる事実などを見るに現代社会をはるかに超越した文明や科学技術を持つことは間違いない様子。
これによりその時代で生きる人々は人生のあらゆることを自分の意のままに決めて生活しているようで、自分自身の見た目や職業はおろか、家族や恋人などの存在、さらには自身の寿命までも自在にデザインしその通りの人生を送る事ができる。このため、実年齢350歳ながら少女の姿をとる者、手が空中に浮遊している者、挙句の果てにはカエルの置物だったりする者さえいるなどその姿は多種多様。
このような高度な科学技術を持ち、一見するとユートピアに暮らしているようにさえ見える彼らだがあまりにも「望み通り」の人生に満たされ過ぎた結果、逆にあらゆる面で物足りなさを感じるようになってしまっている様子。
この状況についてはジーンが『死を迎えても最初から決まっているものなので悲しみはない』『最初から決められた人生に誰もが満足しているわけじゃない』と言及しており、このことから彼らが住む世界の実態は努力や才能や運といった後付けで自分を変える要素がすべて排された、スリルや刺激が一切存在しない何から何まで「フィクション」の世界であることが分かる。
さらに言えばDGPのようなものが存在することから考えるに、どうやらそんな「満たされない世界」に不満を抱いていたとしてもそれを自ら放棄することはできないらしく、彼らにとってそんな社会の閉塞感はある種のディストピアと言える状態であるようだ。
そこで彼らは自ら満たすことのできないその欲求を「他人の人生を観る」形で満たすべく、異次元のゲートを通じて3.5次元といえる様々な時代へと渡り歩き、歴史上の様々な時代を舞台にしてリアリティライダーショーであるDGPを開催、そこで展開されるさまざまな人生ドラマを観て楽しむ様になった。
これについては本人たちによれば「現代人が古代ギリシャや戦国時代に触れる感覚で楽しんでいる」らしい。実際、現代にやってきたDGP運営幹部やサポーターの面々の中には人々の暮らしや文化を再現しようとしたり、自ら体感しようとしたりする者も少なくない。
我々は現実(リアル)における不運や理不尽等の多数の不確定要素に憂いているため、創作物(フィクション)に理想、夢を求めているのとは対象的に、彼ら未来人は理想も夢も簡単に”創作”できる環境にいるため、それらを不確定要素が多い中必死に手に入れようとする”現実”に生きる人間のドラマを求めているのである。
このように自分たちの時代に無いスリルや刺激を渇望しているが故か、道徳観や倫理観というものが希薄な者も少なくないらしい他、予め寿命さえも設定されている存在である事も影響してなのか、死生観も何処か現代人と異なっている。
加えて、自分たちがデザインされて創られた存在という事からDGPの舞台となる時代に対して常にリアリティーを求めている者も多く、自分たち同様に作られた「フィクション」がその時代に存在することが発覚した際には激しい嫌悪感を露わにしていた。
こうした現代人と大して変わりない精神面については劇中の登場人物からも困惑されており、飄々とした態度を滅多に崩さない英寿が怒りを爆発させたケースさえある。
なお、彼らの大半は目のような形状をしたカメラを介してDGPを観ているが、現代で言う動画のライブ配信のような形でプレイヤーと接触を試みたり、DGP運営幹部あるいはサポーターとしてプレイヤーと直接関わりを持ったりする者もいる。
基本的に彼らはDGPという娯楽を楽しむただの傍観者が大半ではあるものの、中には前述の通り自分たちが生きる時代には全く影響が無いから(あるいはそう考えているの)か、はたまた何度でも世界を作り変える技術を持っているためなのか「とっくの大昔に終わった時代」と見做して傍若無人に振舞い、他人の不幸を見て楽しむような悪質な者や自身の娯楽のためなら別の時代に生きる他者の生死等を顧みない人物も存在している。
一方でその時代に生きる人物に様々な形で感化される形でその時代の「人間らしさ」を身に着けてゆく人物も存在している(ツムリ、ジーン、ニラムなど)ほか、やり方に難はあれど自分なりの信念に従う道を選んだ者や傍観者としての一線を越え不器用ながら参加者の幸せを本気で願い支える者、純粋にとある人物を愛し幸せを願う者などもいる。
ただし、DGPの運営に所属する人物の場合、彼らはあくまでも役目を全うするために設計された存在であるため、そこから外れた場合は容赦なく「廃棄処分」される運命を辿る事となる。
また、未来人である彼らは飛んだ先の時代の摂理(ルール)に従わなければならないという決まり事がある。このため現代で活動すれば現代人と同じように負傷する可能性はあり、最悪の場合「想定外」の形で死亡することもあるらしい。
この他、グランドエンドにより自分たちの時代とのつながりを絶たれた場合も現代で活動する者は基本的に存在を維持できず、消滅(=死亡)することが判明している。
ちなみに彼らが滞在している時代から何かしらの理由で居られなくなった場合は画像が乱れるようなノイズが走りながら消滅する。このことから考えるに、彼らの本質は一種のデータ集合体であるのかもしれないと推測されており、その解答が劇場版で示されている(後述)。
これ以外の特徴として現代人とは体の構造が全く異なる存在であるため、彼ら未来人と現代人(彼らから見て古代人)との間に子供を授かる事は物理的に不可能である。
しかし……(ネタバレ注意)
第38話にてグランドエンドが実行されたことでほとんどの未来人たちは現代との接続を絶たれ、サポーターも自分たちの時代へ戻ることとなったものの創世の女神の力を利用した一部が現代に残った他、スエルの命を受けた者が何人か現代に滞在し活動を続けることとなる。
そして、第45話にてバッドエンド至上主義のVIPオーディエンスたちをジットやスエルが招き入れる形で改めて現代にやって来ており、後の第47話ではその願いを変身用のエネルギーとして勝手に取り込まれたりもしていた。
そして最終話。スエルが幸せの総量も限界も無い世界を目指す仮面ライダーたちに敗北し、存在を破壊されたことに加え、世界改変の影響でDGP運営の存在も抹消されたことで4次元ゲートも消滅。サマスを始めとする悪辣な未来人たちは元の時代に戻れぬまま、自らの消滅というバッドエンドを辿る羽目になってしまった。
一方で消滅を免れた未来人の中にはツムリやジーン、キューンのように英寿たちの活躍に思うところがあった善良な者もおり、彼らは世界改変後に(英寿の取り計らいもあってか)改めて来訪することができている。
関連タグ
イマジン、仮面ライダーポセイドン、仮面ライダーダークドライブ、???、タイムジャッカー:過去のライダーシリーズにおける未来から来た侵入者たち。
以下、映画『4人のエースと黒狐』及びDVD&Blu-ray特典『Who is Mero?』のネタバレ注意
未来世界の地球は既に滅んでおり、未来人たちはデータ生命体として宇宙で暮らしている事が明示された。
そのため、未来人というよりは遥か先の世界で誕生した新人類と呼べる存在である。
その原因はジャマトの基になったある植物であることが提示されたが、具体的にどの様にして滅んだのかは不明(植物の浸食による物理的な侵略なのか、はたまた細菌等で生身の生命の存在が不可能なレベルにまで荒廃したのか等)。
後に公開される外伝作品『ジャマト・アウェイキング』にてその真実が明かされる模様。
なお、未来人をデザインできる人間は限られているらしく、スエルのようなごく一部の権力者にのみその権限が与えられている。
また、データで構築された存在であるからか、過去の世界で消滅してもあくまで現実の肉体が滅んだだけであるため完全な死にはならず、未来でリデザインという形で記憶を引き継いだ状態でリスポーンされる。ただし、未来でデータの肉体が破壊された場合や、前述のように過去の世界に留まったままグランドエンドを迎えたり存在そのものを破壊された場合はリデザインされずそのまま死亡ということになる。
タイムパラドックスは大した問題にはならないが念の為、一部の限られた人間や機関しか4次元ゲートを使用できないように制限されている。
「デザイアグランプリ」は創世の女神の力によりタイムパラドックスを抑え込むことができるため大規模な干渉が許されており、神話系ドキュメンタリー番組「ミソロジー・リポート」等、他の機関は専用の装置を使い古代人に認識されないようにして観察に留めている。
治安維持部隊ザ・ポリスが時空犯罪を取り締まっており、四次元ゲートを差し押さえるなどの対処をしている。
余談(ネタバレ込み)
このことから自分たちの外見を自由にデザインできた点や消滅時にノイズがかかったかのように身体が崩壊していく点は伏線だったとも言える。